2009/12/14

ケータイをのぞき窓に

いかがわしい意味ではない。
きれいな言葉で言えば「ペリスコープ」にしようということだ。

その原型は「セカイカメラ」に代表されるARが概念である。
ARとはAugmented Realityの頭文字をとったもので、日本語では「拡張現実」という言葉になっている。

実はインターネット広告でバナー型が登場した時、この発想を凌ぐクリエイティブがあった。
残念ながら、それは今見ることができないし、記録してなかったので見せることが出来ない。
ただ、広告には「その一部を鋭くえぐりとり、生活者に提示する」機能が必要とされるので、ARと親和性が高いと考えている。

といっても、広告について解説しないとワケが分からないはずなので、つらつらと書いてみる。
・・・、広告は商材の全てを伝えられないという宿命がある。
一つは広告媒体への露出には費用が伴うという経済的な問題から、一つは競合社との差異化をするために同じことを伝える意味がないこと、一つは生活者が全てを覚えきれないしヒマがないこと。
並べ挙げればきりがないが、以上のような理由から、もっとも特徴的で響くことをターゲットに向けて焦点を合わせる必然性が生じる。

一方、ARは現実の延長線、もしくは現実の中にある虚構(記事の中にある広告)という関係において、現実ではない情報を「載せて」見せるというのは、TPOのマッチングというネット広告馬鹿やモバイル広告馬鹿がクソ真面目に論じる効果効率論はさておき、情報を受け取る側に選択の余地が生まれる可能性が高いと思っている。

もちろん、意味のないエアタグで埋もれてしまっている現実もあるのだが、有用な情報だけが生き残って表示できるギミックがあれば、広告は広告で表示させることも可能になるはずだ。それも、ユーザの意思に応じて。
幾つかアイデアはあるのだけれど、波乗りペンギンのモノではないので紹介は出来ない。

とはいえ、ケータイの小さな画面を逆手に取った「大きな世界」への窓は開けたのである。
来年はスマートフォンだと騒ぐメディアも多いが、パソコンの代わりを求めているのか、電話の代わりを求めているのか、ユーザが見極め始める年でしかないと思う。
第七のメディア、端末が出るのはこれからのはずだ。

2009/12/06

ネット広告、モバイル広告の品格

 この十数年、マス広告からインターネット広告やモバイル広告まで関わってきて、ふと振り返って考えてみると、「衣食足りて礼節を知る」というキーワードが心に浮かんできた。
やはり、社会に貢献するという広告の大義は、昔から広告に携わるものの生活水準に影響されていると考えると納得いくケースが多い。
波乗りペンギンにおいても、例外ではない。
食うに困らぬ待遇を与えられ、会いたいと思えば時間を割いてもらえる配慮を得られ、大局の見地で意見を差し挟む機会があるのも、環境に恵まれているからだ。

 とはいえ、そうではなくなったからといって、「貧すれば鈍する」ことは避けたい。
自己保身に走り、大義を歪めてまで、これに固執するのは道から外れるというものだろう。

2009/12/04

広告と書けば広告なのか

いまだに課題となっていることの一つ。
生活者からみれば、記事と広告の境目など物理的に、もしくは明示的にされていない限り判別は出来ないだろう。
ましてや、検索結果に表示されていたり、ブログに書かれているものは、広告業界にいる人だって判断出来ない事も多い。

2009/11/19

広告効果測定も突き詰めれば判るはず

あらゆるデータを取得し分析可能にすれば、広告主は自らの浅はかさを認める結果になるはずと確信できたので、モバイルに関していろいろ進めている次第。
もちろん、楽しめる要素は考えてある。

ミソは、100%の精度で解答は出ないけど、60%~80%の確実性で当たりは出るみたいな感じかな。
仕組みや仕掛けで何でも上手く行くなんて考えている人に、ちょっと、お灸を据えることになるかも。
数字に頼るものは数字に裏切られる。
もっと、信じるべきことがあるんじゃないかな。
見るべき所があるんじゃないかな・・・。

2009/11/10

永続的な企業を志しているのか

育児支援、女性の活用、など子供を何人産んでも復帰できる会社は皆無に等しい。
これでは、40年先には人口構成的に、日本の経済は成り立たなくなっていると思う。
人口統計学の予測データを見るたびに、政治も経済も希望が見出せなくなってしまう。

内需拡大は不可能で、海外に活路を求めるしかないのだが、
そうなると世界と戦って勝ち抜けるだけのビジョン、
世界に通用する理念、
そして行動。

準備が出来ている会社は少ないように思う。
もう、波乗りペンギンは生きちゃいないけど。

2009/10/28

評価されない団体活動

どこの会社でも団体活動への参加は、評価されないという。
だから、団体の会員活動参加は経営側のコミットがないと上手く回らない。
当然、経営側がコミットしてくれる会社は多くない。

いわゆる長期視点が持てないことの表れなのだが、明日に潰れるかもしれないという広告業界の厳冬期だから仕方ないのかもしれない。しかし、生き抜いていく覚悟がないと、長期的な経営戦略はどうしたって短絡的にならざるを得ない。
結果的に上場した独立系で生き残っているネット広告系のベンチャーは数えるほどしかない。大手系列のベンチャーも子会社化されたり、統合合併などでウッカリすると無くなっていたこともあるくらいだ。
環境の変化など外的要因を挙げる趣きもあるが、多くは本業のサブセット的な位置付けで事業企画を立て続けて運営してしまったから、だと波乗りペンギンはみている。

リソースを分散させるのは日進月歩で風向きの変わりやすいネット業界だと小回りが利かなくなる。
多額の資金がない限り、たとえばグーグルやマイクロソフトの様に、事業の多角化という全方位的な展開は自滅しやすい。人員補充はいつでもできるが人材補充は原石を見つけられても磨き上がるまで相応の時間が必要となる。大体、どの会社もミドルマネジメント不足に悩んでいるし、そのわりに離職率が高く、平均勤続年数が創業年数の半分以下どころか五年もないのが現実だろう。

教える人や指導する側が絶対数で不足するということは、会社として年々スキルが低下し質が落ちていくわけで、マイナスのスパイラルが止まらなくなってしまうことを意味する。
中途研修や即戦力に多額の費用を掛けようとも、一朝一夕には改善しないし、信頼に基づいた人脈ネットワークは、社内外を問わず、時間を掛けた分しか手に入らないものである。
そんなこんなで、管理職者人事や組織体制は固着化し、兼務者が溢れ、疲弊して行き詰った人からいなくなってしまうのである。

これを治すには中核事業にリソースを集め、管理職者層を分厚くし、ミドルマネジメントを育てる体制を構築し、周辺事業への供給源としなければ難しいだろう。
これはもう一つの効果も生み出す。
社内共通言語、企業文化の基礎となる。誰もが同じ部署で一度は働けば、価値観軸が揃うのである。


これとフラクタルな関係にあるのが業界である。一定の市場規模を持つと、いわゆる生態系が生まれる。一社だけでは全てをまかなう事は出来ないし、得意不得意があるので、相互補完する構造が大規模化するには必要になってくる。この辺りは「バリューチェーン」をご存知の方には説明不要だろう。
これを緩やかに繋ぎ、一定の枠内でルールをもって秩序立てていかなければ、粗悪なものや迷惑なものが台頭し顧客にダメージを与える輩が出てきてしまう。
安くていい物が次々と提供される環境ができれば問題なく良いことなのだが、取引先への不当な値下げや従業員の低賃金など、社会経済の犠牲の上に成り立つようでは、結果的に顧客先への長期的な死を提供する事になる。なにしろ、付加価値がない物をタダ量産して安く売るだけの物になるからだ。
いずれ、市場は枯れ顧客はいなくなるのだ。

2009/09/29

第20回WABフォーラム参加記録

10年ぶりにweb広告研究会のフォーラムに参加した。
最初は「波乗りペンギン」として密かに参加だったが、今回は団体の名前で申し込んで聞けたのであった・・・。
会場アナウンスでブログとか載っけても良いということだったので、ケータイで撮った写真をUP。
○会場前の感じ
○うっかり第一部を撮り忘れました・・・。ので、第二部の準備風景。

○第二部の始まり~

○第二部の参加企業名ですが、個人は伏せ。
○第二部はモバイルを使ったリアルタイム・アンケートによる演出。
VRIさん、裏方で大変ですね。


○広告主の興味は、ケイタイ/モバイルが40%!
でも、現実は・・・!?

以上

2009/09/14

富山でモバイル講演20090910



駅から大きなビルが見えた。
路面電車が走ってた。


マルチリーダー搭載の自動販売機。




駅出るとタクシーの列・・・。










一瞬だけホームに溢れる人、富山駅。






東京駅の喫煙ブース。もっと、待遇改善していただけないでしょうか、JRさん。ヒドスギル・・・。







これ、乗った新幹線。Maxとき315号。
















時系列無視してアップしてます。

めんどくせ~

最近、よく耳にする言葉だ。
どっちかというと、聞かされる方が「めんどくせ~」な気分になる。

インターネットを始めとする現代の技術と文化が、
人が気を配り、手足を使い、動いて来た事を
面倒くさいという一言で片付ける後押しをしていると思う。

広告も「めんどくせ~」延長線上にあるので、
耳にするのも当然か・・・。

あ~、ちゃぶ台をひっくり返したい!

2009/09/02

ad:tech tokyoの現場画像

一日目は、ボード会議のサポートメンバーとして参加中。

○朝8:50頃の受付風景


○オープニング


○日テレの土屋さん


○展示会場風景 入り口から


ランチでは久しぶりに会うネット業界の重鎮やら偉くなった人たちと談笑。

2009/08/31

「ルイーダの酒場」に行って見たら・・・

先週、秋葉原に行く用事があったので、噂の「ルイーダの酒場」へ行って見た。
実は、ちょっと洒落たイメージを持ってドキドキしていたのだが、現実は・・・写真の通り。



うーん、ルイーダは居ない。
コスプレした女の子がいたり、バーカウンターがあると想像してたんだが。


2009/08/24

クローズド・セミナー

今日は午後から会員限定セミナーに張り付きです。
短時間、1時間に6社ペースでPCをとっかえひっかえプレゼンに次ぐプレゼン。
トータル13社。

持ち時間をオーバーしたり、余らせたり、マシントラブルあり、とバラエティーに富んだ展開です。

普段は、やらかす方ですが・・・。

2009/07/05

各種広告業界マップ更新

主だったものを更新。
一部、配置を刷新したり、無駄なプレーヤーは消去し、すっきりさせてみました。
間違いがありましたらメールください。
http://www.advertrial.com/

2009/06/10

ない、と思います。

ハッキリ言ってしまうと、実生活に支障をきたすので(笑)、
最近は心の中で叫んでいる。
どうして、こうも過去から学べない連中が多いのかと、
インターネットが発達しても解決できないことは沢山あることを再確認する日々。

ちゃんと、意見してくれる人材確保と環境整備は大事。

2009/06/08

量から質へ、不況下の戦略

新しいことは何も無く、ただ愚直に「質」を追求する事が不況対策のような気がする。
価格施策も最大手の場合は有効だが、二番手以下は自爆の道でしかない。
やはり、顧客に対して最善の対応で、価格以上の価値を提供するしかない。
いわゆる付加価値と云うものだ。

うまい事に、付加価値は短期的な対策では創造できない。
どんなにITやICTが発達しても、人の心を洞察できるのは人でしかない。
統計は多くの場合、確からしいことを教えてくれるが、
一人の人を満足させることはできない。

何を云わんとしているか分かって貰えるだろうか。
どのみち、分からない人は三年後にいないと思うが・・・。

2009/04/30

次世代広告夜会3

世界は激震を続けている。
・金融システムの破綻
・世界同時不況
・新型インフルエンザ
どれも島国日本に居たって避けようがない事態だ。

しかし、出来る事はある。
・金で金を生む真似はしない
・新しいビジネスの創造
・よく寝て食べて、うがいと手洗い、マスクをする。
それから、次世代広告夜会3に参加する。

波乗りペンギンも参加予定。
時代は夜作られる・・・と。

2009/04/23

モバイル視聴率にエンゲージメント・レート(草案)

単なる利用時間や利用回数では、テレビ視聴率の様に実態が把握できない。
もちろん、テレビなどの放送は一方通行なので、論理的に止むを得なかったからだ。

しかし、モバイルは通信であり、かつ、PCと違って共用が前提で無い個人の者である。
ならば、視聴読者がメディアに集まるという発想を捨てて、一人の人が利用するサイトの何割を占めているのかを指標にした方が、分かり易くないだろうか。

具体的に云い直すと、
週に100回アクセスする人が、波乗りペンギンのブログを10回チラ見(@1秒)するのと、
週に10回アクセスする人が、波乗りペンギンのブログを10回ジックリ見る(@100秒)のでは、
明らかに違いがある。

今の指標では、2人が20回で1,010秒としか分からず、視聴読者に占めるロイヤリティというかメディアのマインドシェアが分からない。
ならば、10%のシェア率×10秒で1モバイル・エンゲージメント・レート(MER)とか
100%のシェア率×100秒で1,000MERという感じで測った方が見えるモノが増えないだろうか。

2009/04/20

次世代広告会社-コンセプトの前に

もの凄い閉塞感と絶望感になまれて久しいが、憂鬱になったところで誰かが話を聞いてくれるわけでもなく、聞くべき価値があるとも思われない様なので、書くだけ書いてみることにした。


まず、広告がどのように変わるのかと云う「先」が見えないと話は進まない。

少なくとも、今は過渡期である。

更に、これから起きる情報技術革新と生活者の変化は予測できない。

この点から、「今のままでは」あり得ない事は想像できる。

たぶん、それ以上はハッタリでしかないだろう。


「広告」がどうなるのかは、どうあるべきか、という信念を持つ以外に打ち手は無い。

つまり、あるべき論と現実との対比の中で、誤差を修正しつつ生き延びるしかないのだ。


よって、広告がどうあるべきかと云う考えのない人は、ゴールの無い中でヨットを走らせるようなものだ。そんな人には、どんなに正確な位置情報も灯台も海図も、役に立たないだろう。

2009/04/17

モバイル マーケティング ソリューション協議会×デジタルサイネージコンソーシアム

慶応大学の北館ホールで、共同セミナーが開催された。
参加者は150名を越え、関心の高さがうかがえる。
ポイントは、「クロスメディア」から「クロスマーケティング」に時代がシフトしつつあることだろう。
もう、メディアだけ組み合わせるだけでは、企業の持つ課題や悩みを解決できなくなっているし、媒体社や広告会社の周辺企業も生き残っていけないのだろう。
しかし、どうするのかは暗中模索。

2009/04/14

モバイルマーケティングが意味する事

モバイルマーケティングという言葉だけが先行しているが、インターネットマーケティングという言葉だけが飛び交ったように、誰も何が変わったのか心に沁みて判っている人は少ない。
モバイルマーケティングが真価を発揮するのは、相手が特定されているコミュニケーションであって、マスメディア的な一方的な情報発信ではない。携帯電話であること、それは「移動体通信」というシステムに根ざしている原理が働くからである。これを無視してモバイルメディアとかアドネットワークを語ったところで底が知れている。
考えるべきは、SNSがモバイルベースで大爆発を起こしたこと、である。
ここにマーケティング・コミュニケーションとして、モバイルをどう捉えるべきかの糸口が隠されていると思う。


PCインターネットで定番のネットメディア、放送局、新聞社などのマスメディアが、モバイルで存在感が無いのは、役割としてもシステムとしても当然で、コミュニケーション・デザイン自体が異なっているからだ。まぁ、金儲け的に言うとビジネスモデルってヤツだ。過去に何度も書いているので割愛するが、生活者が変わったというよりは、メディア側が自分達のあるべき姿を追求しなくなったから、生活者が評価を変えただけの事だろう。
テレビはエンターテインメント、新聞は信頼性、雑誌は情報の深さ、とかだ。
商業的に儲けようとして質(制作費の多寡ではない)が落ちると、視聴読者は敏感だ。


端的に現れるのが広告。
これは媒体社の考えや体質、姿勢が最も見えやすい形で出ている。
媒体社の編集記事、番組の質が高いうちは生活者も我慢するものの、
見るべきモノが広告中心になってくると、苦情や視聴読者離れが起こる。
そして、一度起きると建て直しは難しい。(成功例は少ない。)
最初が大事であり、維持が大事なのである。
一度ヒヨルと二度は無い。


このため、長らくメディアなり広告を扱うものは、守るべき境界を組織として分離させ、バランスを保てるようにしていたのだが、このバランスがネットでは培われない。
大事なのは過去事例とかデータベースではなく、軸をブラさない精神的な主義主張の維持を継承することなのだが、離職率が高い業界なので受け継ぐべき人の育成が出来ない。
結局、短命なサイトが泡の様に生まれては消えていく・・・。

2009/04/10

とりあえず、止めてみた

他の人でも出来ると云われた事は止めてみた。
余計なことだと云われたことを止めてみた。

云われたことだけやってみた。
なかなか、大変。
作業を侮るべからず。

2009/04/07

Change

ネット広告浄化計画Ⅱは嬉しい誤算で不要となり、モバイル広告浄化計画Ⅰは悲しい誤算で発動できなかったので、広告市場補完計画Ⅲに向けてペタペタ歩こうかな。

2009/03/20

モバイルマーケティングの本質

気の利いたタイトルではないが、モバイルビジネスの相談に乗ったり、今後の展望を話し合う機会も増え、メモ書き程度に書いておこうと思う。

モバイルの利用動向がなぜ見えないか、いろんな議論がある。
しかし、データで分かるのは動きだけである。
その背景を「インサイト」しないと、肌感のないメディアであったり、使われているのか確信の持てないツールにしか思えない。

例えば、広告を打てばアクセスは増えるし、テレビで紹介されればサーバは落ちる。
瞬間最大風速は驚異的な数字を叩きだすが、結果は常に分かれる。
見るだけか、購買するか、である。
いろいろデータはあるが、モバイルは本能的な行動に近い傾向が出ている。
店頭で商品選びに迷っているように、モバイルでも利用者が商品選びをしている様が出るし、本能的に欲しいモノかどうかで購入してしまうケースもある。
そして、商材の特性によって、明らかに同じ傾向が出る。
この話はモバイル マーケティング ソリューション協議会(MMSA)主催のモバイルマーケティングカンファレンス2009(MMC2009)で、データに基づくインサイトと、消費者に受入れられたモバイルサイトの共通ポイントが明かされるはずだ。開催日は2009年6月30日なので、まだ先の話ではあるが、リークしてしまおう。

モバイルでブランディングが出来るのかという問題も絡まるが、「消費者に受入れられたモバイルサイト」には、必ず付加価値があるのは確からしい。

そして、本能的に行動する利用者を「スムースに」導くUIは、ただモバイルサイトを作れば良いという「とりあえず的な発想」を打ち砕くはずだ。

マーケティングとして基本である「気づき」はモバイルでも生きている。
提供する側にも受け取る側にも、等しく同じく・・・。

だから、これ見よがしの広告は避けられるし、親近感のある人のブログで知った情報は信じるのである。提供する側が仕掛けようとした事がバレルと炎上するのは、騙されたと思うからであり、そもそも嫌われているからである。
受け取る側が「素直に共感できる形」で情報提供すれば、抵抗なく受入れてしまうのも、企業の売らんかなの意地汚さが見えないからである。

やはり、押し売り的な販売をする企業だと、モバイルでブランディングなんて夢物語だろう。
逆に、利用者にモバイルを使ってベネフィットを提供出来る企業は、ロイヤリティの高い利用者を獲得する事になり、強いブランドを作る事が出来る。
ここらへんは、FSPともCRMとも関連があるので、専門家に譲る事にするが、そんなところである。

2009/03/17

誰がボスだ?広告って・・・。

広告のボスは「広告主」だという人が多いようだが、波乗りペンギンは違うと思っている。
だから、異端なのかもしれない。

つまり、広告は誰のためにあるべきなのかと云う話をすると、話が噛み合わない。
媒体社の収益源であるのは確かだし、広告会社の事業であることも間違いない。
広告にお金を払うのが広告主である点も明確だ。
しかし、彼等の為にあるべきモノであってはならない。

広告を受け取る側があってのものだから。

2009/03/10

2009年のモバイルマーケティング

一年ちょっと前の予測( http://surfpenguin.blogspot.com/2007/12/2008.html )は当たっただろうか。
次年度を迎える時期だが、存在感が増した企業や不況にもかかわらず成長した企業のヒミツを考察するヒントになれば幸いである。

さて、今年は躍進した企業が種を撒き、来るべきモバイルマーケティングの大輪を咲かせる芽を出す頃である。むろん、土地を肥やす準備が出来なかった企業は痩せた土地で食い繋ぐ一年となろう。

不況になると新しい芽が出てくるというのは、定説の様に誰ともなく話が出る。
だけど、本当は陽の当たらない場所に日が当たることで、成長できなかった種が成長するだけの事ではないかな。
いつでも、飛躍の芽はある。陽が当たらなかっただけだ。

波乗りペンギンは次年度もモバイルに関わっていられるかどうか飼育員次第であるが、新しい芸を覚えるには歳を取り過ぎているので、身の振り方に困りそうだ。

PCインターネットは新しいステージ「踊り場」であるため、合従連合が加速しそうであり、アドネットワーク化により媒体価値とは何なのか再考が必要になるだろう。
もしかしたら、この辺では役に立てる余地があるかも知れない。
その視点ならモバイルも同じ事象が発生するだろうから、10年前の課題を再提示し、その解決策を再実行する事で道は拓けるかな。

10年で流行は戻るもので、広告もファッションも似てるかもしれない。

2009/03/05

モバイルのリーディングカンパニーはドコダ

結果的に電通推計の「日本の広告費」が発表され、驀進していたのはモバイル広告だったことが明らかにされた・・・みたいな報道が相次いでいる。
対前年比147%の913億円と、数字だけ見れば確かにそうだが、その数字を叩きだしているメインプレーヤーは見えない。

PCインターネット広告と同じ展開となるなら、モバイル広告のお化け媒体が誕生する金額規模であるし、メディアレップは弱体化しマス系広告会社は乗り遅れ、インタラクティブ系が躍進するはずである。
ま、歴史は繰り返す・・・環境は整っちゃったけどね。

もちろん、そうなると面白くない。
夢も希望も寡占市場になってしまう。

では、どうするか?
その答えを提示できる会社がリーディングカンパニーのはずだ。

オチとして、流されるままっていう事もあるケド。

2009/02/19

ペイ・パー・ポスト

google日本法人が、ペイ・パー・ポストをプロモーションに使って、自らのガイドラインを破ったというニュースが出ている。
もちろん、ページランクは下がったし、素直な謝罪も公式に発表している。

事はこれで済んだわけではない。
ということを徳力氏のブログで知った。

そして、ブログに投稿された記事が広告に当たるかどうかという話がある。
この考察は非常に興味深いのでご覧頂きたい。

が、ちょっと引っ掛かるところがある。
広告はお金になれば何でもやるという意味で読まれる方がいると、
別な意味での誤解が発生しそうである。

広告は広告で、倫理要綱が業界団体で定められており、
ガイドラインも作られている。

ということで、広告か記事かという問題に切り込む前に
「その前」があるのではないだろうか。

今回のgoogleの一件は、自ら禁止した行為を行ったという事が問題であって、
広告だったか記事だったかは別ではないかな。

2009/02/16

モバイルというメディア&ツールの使い方

全てのメディアを点とするなら、それを線で繋ぐツールである。
販促ツールを点とするなら、統合化してプッシュするメディアである。

人は忘れやすい。
沢山の事を管理できない。
しかし、ケータイの記録はサーバに、情報管理もサーバサイドにある。
今の所、自分でアップしないとダメだけど。

2009/02/13

モバイルマーケティングの課題

企業のマーケターの困っている事。
1.自社サイトのポジションが分からない。
2.ベンチマークできる第三者データがない。
3.PCサイト構築と比較して、「手間、ヒマ」が掛かりすぎる。
というのが大きな問題らしい。

この結果、モバイルマーケティングに大胆な予算を割り振ろうとしても、
社内合意を得られないという事になるそうだ。

これはwebサイトを作るときも、当初言われたことだ。
時代は繰り返す・・・と。

PCwebの場合は、windowsとIEで市場スタンダードが確立されたので、
問題が解決した経緯がある。

では、モバイルはどうなるだろうか?

実はこれも間もなく解決する。
数年の時間は必要だが、間違いなく解決される。
だから、3つの理由を盾に抵抗すれば、解決された時点で勝敗が決してしまう可能性が高い。
投資無くして利益なし。

根拠のない自信と言われても仕方ないが、
環境変化のお膳立ては出来ている。
・モバイルオープン化の波は、LTEによってグローバルに統一化されていく。
・OSやミドルウェアは事実上無償となり開発費コストが低廉化する。
・すると、垂直統合が崩れて第三者によるオーディエンスリサーチが可能になる。

そこで・・・だ。
PCと違って短いセッションで大量のログを、
・誰が溜め込める記憶装置を用意するのか。
・短時間で解析できるシステムを作れるのか。
・一意性のあるキー、紐付けるコードは作れるのか。
難題は多い。

2009/02/10

機械翻訳で意味は正しく伝わるのか。

Title : Is the meaning correctly transmitted by the machine translation?

残念ながら英語が理解できないので、機械翻訳が正しく行われているのか判断できない。
I cannot judge for the machine translation whether to be done correctly because I cannot understand English.

もし、この文章が意味不明であった場合は、機械翻訳の問題だと思って欲しい。
When these sentences are unknown, I want you to think that it is a problem of the machine translation.

***
最先端のモバイルマーケティングが、日本にある。
The most advanced marketing is in Japan. It is mobile marketing.

しかし、これをインターネットを通じて伝えることが出来ない。
However, this cannot be told by the Internet.

理由は簡単である。携帯電話の電波が、海外では届かないからだ。
The reason is easy. It is because the electric wave of the cellular phone doesn't reach the foreign country.

もし、モバイルマーケティングについて貴方が知りたいと思うなら、日本に来て欲しい。
If you want to learn mobile marketing, I want you to come to Japan.

そうすれば、マクドナルドやコカコーラがモバイルマーケティングを活用している事を見せられるだろう。
I will be able to explain the promotion that McDonald and the Coca-Cola are executing.

もちろん、説明は日本語でする。
Of course, it explains in Japanese.

ad:tech tokyo 2009「第1回アドバイザリーボードミーティング」

開催されたのは2月5日木曜日。
詳細は記事に譲る事する。

波乗りペンギンも人の皮をかぶって潜入。
dmg world mediaのポール氏の取材、ボードメンバーのディスカッション、一連の流れを端っこで体験させて頂いたのだ。

ポイントは、ad:techは広告についてディスカッションし、視野を広げ刺激を受ける場でありチャンスである。日本にありがちな、一方的に御高説を伺って資料を持って帰るセミナーではない。
自分から積極的に発言をしなければ、参加した事にならないと言うところだろうか。
それも、英語で・・・。

ココは文化的な違いが在るので、ローカライズとして(日本で開催されるad:techには)同時通訳はいれて貰えるはずだが、自分の言葉でないという意味において、教育的な学習は半減するのは否めないところだ。

この機会に、次世代を担う若者達に活躍を期待したい。

2009/01/29

WOMマーケティング協議会設立準備会

ブログに書いて良いというので、勉強会の参加記念ということで書いてみた。
むろん、ペンギンの姿では参加していないので、50余名の誰かが波乗りペンギンだったわけである。

さて、通常の勉強会の倍近い大人数で開催されたわけだが、
場所はサイバーエージェントビルの地下一階会議室。
世話人によるボランティア運営とはいえ、そこはプロ。
見事な連係プレーで、場所を間違えた波乗りペンギンも、無事参加できたのであった。

大まかに、経緯説明から軽いトーク、そしてワークショップと流れた。
この形式は、WOMをテーマに扱う団体の勉強会としては上手い方法である。
参加者の顔が見えるだけでなく、その現場感が傍観者を参加者へと変えて行く。
アクティブ・ラーニングだ。

気力と体力が萎えているので、懇親会は辞退させてもらったが、
参加者は見知った顔も多く、社交的で明るい人達の輪も心地よかった。
次は懇親会も参加したいと思う。

後で、名刺交換した人達がフェースブックに登録していたら、友達申請するつもりである。

2009/01/28

モバイル広告の次は?

これからは、デバイスにしても技術にしても、ムーアの法則よろしく加速度的に変化していく時代だ。
一つ一つの新しいメディアを追いかけていても、結局、本質的な問題解決にはならない。
むろん、解決してしまったら広告会社含めて必要なくなるという結末があるだけだ。

そして、絶対に解決しないだろうと予測もしている。
予測が外れるとしたら、人間相手に広告する必要がなくなったときだろう。

さて、解決できない問題だが・・・。
企業が提供する価値と生活者の望む価値が一致しないこと。
つまり、
企業が思うほど商品やサービスに魅力や価値を生活者は感じないし、
生活者の思うような商品やサービスが企業は作れないのだ。

だからこそ、
広告によって生活者は「気づき」、
売れないことで生活者の不満に企業は「気づく」
のではないだろうか。

・・・と、話をすり替えてみる。

2009/01/26

モバイル広告をバブルにするな

年明けの広告業界では、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットが不調であるという話を耳にする機会が増えた。 だが、テレビ局の決算予想が下ブレているのは確かだが、数字よりも広告の質が落ちているのが目立っていると思う。悪い言い方をすれば安っぽい広告が多く、金と手間を掛けた「作り込まれた」世界観を持つ広告が激減している。 この世界的な金融危機に、何を云っても無駄という広告主の諦めも分からないでもないが、だからこそ消費者に提供すべき価値を伝えなければ、活路はないと思う。 そんな中でモバイル広告が注目されているというか、市場規模が小さいだけに成長率が高く見えるだけなんだが、新聞記事や雑誌の特集でアゲアゲな書かれ方をされている。 

迷惑なので止めてケレ。(昭和40年代のギャグでスマン) モバイル広告は消費者に最も近いメディアでありツールなので、「金と手間」を惜しんだ広告主に使われて対前年比二倍成長をする位なら、微増で構わないと思っている。(1.2倍成長論) 急速な市場拡大は、必ず、大きな歪を生む。 消費者にとって突き放せるメディアならともかく、モバイルは携帯していなければ存在価値がないデバイスである。 消費者に使って頂くという言葉だけで、その制作から運用まで十分な「金と手間」を割けない広告主が、消費者の「歪」を増大させたら・・・考えたくもない恐怖である。 

 そもそも好感を持たれている媒体に広告できることが媒体価値の前提ではないか。 ということを考えたら、消費者に不快感を与える広告媒体など、あってはならないのだ。

2009/01/25

売れない・・・ということ

とても難しいことだ。
売れるはずの商品を創ったのに売れない。
これは、不景気だからなのか、商品に問題があるからなのか、それとも?

さて、先ず手をつけるところは前提部分からだと思う。
「売れる」とは、どういうことなのか?だ。

利益が出る、競合製品より出荷量が多い、生産が追い着かないほど受注が来る事など、一口に「売れる」といっても解釈がバラバラだと、この後もバラバラになる。
ここでは、「生産が追い着かないほど受注が来る」と定義しよう。

売れていない現時点からすると、生産が追い着かないというのは夢物語だろう。
そこで、「売れていない」のは何故かという話に戻ろう。

簡単な所から入ると、売れると思って作った商品だから、売れないのは問題があることは分かるはずだ。
その「問題」がまた問題である。

技術ありきの商品は、そもそも「新技術は売れる」と誤解しているケースが多い。
つまり、商品の機能は、顧客から見て常に購買理由のトップだと思っているわけだ。
残念である。
顧客の要望を適える上で新技術が必要とされたならともかく、必要もない新機能を実装されても迷惑なだけである。

同様に、顧客の要望を誤解したり、相手を間違っても、迷惑な物である。

それから、「売っているのか」という問題もある。
売れるように「チャネル」が開発されているのか、認知や理解を得るための販促活動はされているのか、そもそも営業が開発意図に沿った説明をして売っているのかという問題もある。
よくプロの営業なら「死んだ猫」でも売れ!という話もあるが、コンプライアンス重視の昨今、死んだ猫は手厚く葬るのが筋で、売り物にしてはダメだ。
つまり、売れないものを無理やり売ってしまう営業は「押し売り」という迷惑であって、顧客もたまったものではない。早晩、逃げ出すわけで「売れない」環境が加速的に整備されるわけだ。
ここは、「売っているのに売れない」という状況をフィードバックする仕組みが機能していないと、次に話が進まない。

そして、いろいろな手法はあるが、どうも、人として顧客をみていないのだ。
数値化する前に、生身の人間が顧客であるという原点に立ち返るべきだ。
そうしないと、SWOT分析だのバランススコアカードだの持ち出した途端、「顧客不在」に陥るのだ。
そもそも、こんな商品を誰が望んでいるのか、買ってくれるのか、相手の顔が思い浮かばないようでは意義がないだろう。
広告するにしても無駄撃ち覚悟にしかならないわけである。

その広告側だが・・・
全く同じ状況というのが哀しい。

2009/01/21

内弁慶なモバイル広告

別の言い方だと、井の中の蛙、である。
精々、隣の池(PCインターネット広告)を除いては、インスパイアされる程度である。

もっと違うアプローチがあるだろうと思うが、先例のある事に気がつけない人達に何をいっても無駄であることを最近覚えたので、口をつぐんでみる次第。

何れ時は来るから。

2009/01/19

金の切れ目が縁の切れ目

CPCとかCPA、コンバージョン・レートなんかを指標としている広告主に、贈りたい言葉だ。
もちろん、ネット広告だけの話ではなくて広告をコストだなんて高くくっている連中にも・・・だ。

不景気になると理解してくれることも多いが、大抵は理解に至るまで会社が持たないことが殆どだ。
合掌。

価格競争で泥沼の低価格路線に突っ込んで行くのは、価格以下の価値しか製品・サービスにないからだ。そう、自らそんな環境を作ったからに他ならない。

これは広告にも同じ事が当てはまる。
媒体料を引き下げなきゃならないのは、相対的に低下する価値しか提供していないからだ。

このデフレ・スパイラルを断ち切るには、生活者の声なき声を、聴く事だけだと思う。

2009/01/15

そんな広告はいらない

広告は生活者に見ていただいてナンボ、である。
見たくない、見せられたくない、と生活者に思われるのは最悪の状況である。

何度も書くことだが、
10%でも広告に対して不快な生活者がいれば、
その生活者に対して広告することはネガティブ・ブランディングを
広告主がコストを掛けて行っている事に他ならない。
アホだろ。

だからこそ、広告は生活者に見ていただける配慮が欠かせない。
(誰がするかって、媒体社ですよ。)

その前提があって始めて、
広告を通じて企業はメッセージを送れるのだから。

2009/01/04

モバイル広告を開拓せよ

単にピクチャーを見せたり、メールに広告を入れて送るだけではない、新しいモバイル広告はない。
確かに、位置情報や画像解析を使った検索連動、そして行動ターゲティングは近年登場した。
だが、だ。
どれもインターネット広告の焼き直し状態だ。
当然、インターネット広告に準じた商品説明や販売になるため、モバイル広告ならではの特色は打ち出せるわけがない。

このまま技術に頼った商品開発を続けても何も出てこないし、コミュニケーション全体の中で位置付けも出来ないメディアでは生き残りも難しいと思われる。
つまり、代替できるメディアは淘汰されてしまうように、広告も同じだということだ。

折角、世界の三年先にある環境で広告ビジネスができるんだから、もっと仕掛けるべきだと思うんだが・・・。