2017/09/29

セプテーニ「月額固定給与20%前後の増額」プラス

セプテーニですら、人が集まらんという事らしい。

セプテーニグループ、人材競争力の向上を目的に 「給与水準の引き上げ」「テレワーク環境の整備・副業制度の導入」等の人事制度改定を実施

興味があったのは金額。
■給与水準の引き上げ
従業員約680名*1を対象に、月額固定給与20%前後の増額および新たに業績に連動した賞与*2を支給いたします。これにより平均年収は、現行550万円程度から、改定後600~655万円程度に引き上がります。(*1対象グループ会社5社(2017年6月末現在)/ *2個別の賞与額は人事考課の結果に応じて決定)
給与の積み上げ額は幅があるものの、50万円以上アップするというのは、株価が下がるくらいのショックだったようだ。
ただ、運用型広告の市場拡大による人員確保とコストの問題や労働環境改善と・・・、複雑な背景がある。
とりあえず、うらやましい。

ベンチャー企業だから、最初は低賃金ブラックでも、ストックオプションで成功すれば左うちわだぜって話は、セプテーニくにいり規模になると、もうないだろう。
みんな、歳取るしね。
そうそう最先端のスキルを身に着けて、夜遅くまで持ち帰ってバリバリってことも出来なくなる。いや、それだけできるんだったら、待遇の良い会社が「おいでおいで」するからね。

中長期的に賃金を上げるのは、地味に効果があると思う。

会社によっては、評価の低い人は低賃金にして辞めてもらう方向になっていたりして、それも支払える人件費枠の問題だが、傾斜配分するのね。
評価が高い人は沢山もらえるわけだが、ちょっと待て、それを下で支えている周囲のスタッフはどうなんだと。
こうして、人はクサっていく。
入社した分退職する、平均在職年数一年のIT企業あるある

これで中身はスッカスカになって、がっくり落ちる。
残っている社員も、隙あらば転職のチャンスをうかがっているとなると、荒むよね。

これを独自のHRで回避できるんだろうか。
人の心には闇があるからなぁ。

2017/09/15

モバイルファーストって何?

ピックアップした記事は以下のもので、スマホ対応サイトの作り方みたいな話。
計測タグを入れるのが面倒な気がするアダプティブデザイン。

これからのスマホ対応。アダプティブデザイン、レスポンシブWebデザイン、動的配信 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/09/07/26299

LPとなる広告主サイトの出来不出来によって、広告からの集客数が変わらなくても、コンバージョン数は上下しちゃうけど、落とし穴があるんじゃないかと思う。
サイト上のスマホ最適化は、ビジネスで考えると表面的な問題でしかないんじゃないかと・・・。

スマホでのサイト利用が多くなってしまった今、パソコンの前にいるという前提が残っていると、コンテンツの書き方というか切り口が全く違うと思う。
料理レシピサイトが人気なのは、企業サイト側もレシピサイトがあるんだけど、モバイルサイトは表示最適化だけでパソコンと同じだからじゃないかな。
商品を売るって意味では、商材の紹介を前面に出すのは企業側にとって当たり前のことだけど、ユーザーは作り方を求めているのであって調味料とかメーカーを問うてはいない。
マーケティングでは有名な、ドリルの穴、の話と全く同じ。

パソコンだと「調べる」(検索する)が機能的にも、ユーザーのモチベーション的にも外れていないと思える反応だったけど、モバイルってパソコン向けのサイトを最適化しているとモバイルだからって部分は意外と見えない。
ビジネス的にモバイルファーストになっているサイトが最近人気な理由って、この辺りなんじゃないかな。
メルカリとか。




2017/09/05

動画広告も量的価値になるのか?

動画広告が来たって感じより、スマホ広告が来ている、そんな体感です。
いえ、グーグルが大半を持っていっているリスティング広告は、揺るぎないというネット広告市場。

さて、古くて新しい問題が、最近クローズアップされている。
その中で、フラッシュによる動画広告が始まったころ、広告の効果測定指標が上手くなかった。
しかし、HTML5ではフラッシュ(プレーヤー)なくても動画が見せられるようになって、技術的な制約も少なくなっているので、再チャレンジする時が来ている。

既に米国ではIABがガイドラインをたくさん出しまくっている動画広告規格VASTに、たぶん日本も引っ張られるのだろうが、ちゃんと販売と媒体価値の適正化を図らんとダメだろう。

■番組制作費

クリック課金とか再生回数課金で、制作費を充当できればいいのだが、現段階では無理だ。
結局、ユーザ投稿動画、テレビ番組流用が主軸。
コンテンツ課金系のサイトでオリジナル番組もチャレンジしているが、知っている番組あるかな。(アマゾン、ドコモはTV広告で告知しているので、記憶している人も多いはず)

テレビ同じように、冒頭や途中に動画広告を入れ込んでくる(インフィード)で露出しているけど、料金はテレビじゃなくてネット広告なのよ。

こうなると、制作費をペイできるようにネット品質にするか、十分なコストを回収できる販売モデルを作るしかない。
そして、フェイクニュースの台頭で「ネット品質」は選択できなくなりつつあり、事実確認やパクリなどの著作権確認をするプロセスとコストの追加は、必至である。
これに、効果効率の話もある。

■番組の使いまわし

テレビだと再放送とDVD化(パッケージ販売)だけど、ネットは違法動画という別の枠で拡散するので、局側が使いまわせなかったりする
何が問題かというと、著作権やら出演で利益を享受しようとする人たちが、お金を貰えない。そもそも、一発勝負の売り切りだった大昔の契約だったら、プロデュース側は楽だった。しかし、もはや確立された権利はガッチリ守られている
違法拡散されては、干上がる人も出てくる。
作る側の生計が成り立たないという事は、コンテンツが生まれてこない事になる。
今までのエコシステムでは太刀打ちできない根源的な問題だろう。

■ソーシャル拡散ありきへ

メディア関係者と十年以上前に話していたことが、いまだに課題として残っている。
ネットでメディアビジネスが成立する方法、である。
変な話ではあるが、権利保護を優先するとコンテンツは萎えるか、海賊版で荒れる。悪貨が良貨を駆逐する。
画質が良くなくても、ユーザには問題がない。
下手に制限かけて課金するよりも、ちゃんと見てもらった方が海賊版対策にもなる。

問題は、マネタイズが広告しかないという部分だ。
関連商品の物販(いわゆる公式グッズ)もあるが、ヒット作でなければ作るだけ負債になるので、ビジネス的には無理だ。
広告といっても、ネットの単価は大ヒット作で数千万人単位が見たとしても、クリック単価に換算したら制作費がペイできるケースはないだろう。

テレビの番組提供スポンサーとネットの連動については、十数年前は無理だったが、ブランドセーフティが話題になりつつある今、チャンスだと思う。
セット料金を設定して、販売してみたらどうだろうか。
もし、ネットはいらないという広告主がいたら、競合社がネット動画の番組スポンサーになっても文句言わないという契約をしたらいいと思うんだ。番組制作費は、按分すればいい。

ネット動画チャンネルを作る方向もあると思うが、連携させるなら企画から販売に至るまでテレビ局側が変えないと難しい。
やはり、スマホの画面は小さいのだ。
カットや演出も相応のものが必要になるし、工夫のしどころを見つけないとコストが掛かる。労働生産性を上げる必要があるってことね。(一粒で二度おいしいを実現しないと)

もしかしたら、編集しないで流した方が受けるかもしれない。
スポーツのネット配信は、多数のカメラを配置してユーザが選択できるようになっているよね。この手法を使わない手はない。ライブではスイッチャーはいらなくなる。
5Gなら応答性も上がっているので、たぶん、できるはず。
ドラマやドキュメンタリーは、流して終わりにならないので、データの保存と読み出しはコスト増加になるだろう。ここは、工夫すればいいんじゃないかな。
マスターデータは高画質でテープバックアップに入れておいて、低画質配信を見られるようにしておけばいい。高画質で見たいなら課金で良いんだ。(大体は必要ないから)

テレビ、衛星、パッケージ、ネット配信と全体を最適化することを考えるべきなんだと思う。何が何でも、同じである必要はないはずだと思う。
同じ作品でも「ドラマ」「映画」「文庫」「演劇」とかあるでしょ。
その辺りから、量的価値にならないマネタイズ手法を考えたら良いと思うんだよね。