2009/01/26

モバイル広告をバブルにするな

年明けの広告業界では、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットが不調であるという話を耳にする機会が増えた。 だが、テレビ局の決算予想が下ブレているのは確かだが、数字よりも広告の質が落ちているのが目立っていると思う。悪い言い方をすれば安っぽい広告が多く、金と手間を掛けた「作り込まれた」世界観を持つ広告が激減している。 この世界的な金融危機に、何を云っても無駄という広告主の諦めも分からないでもないが、だからこそ消費者に提供すべき価値を伝えなければ、活路はないと思う。 そんな中でモバイル広告が注目されているというか、市場規模が小さいだけに成長率が高く見えるだけなんだが、新聞記事や雑誌の特集でアゲアゲな書かれ方をされている。 

迷惑なので止めてケレ。(昭和40年代のギャグでスマン) モバイル広告は消費者に最も近いメディアでありツールなので、「金と手間」を惜しんだ広告主に使われて対前年比二倍成長をする位なら、微増で構わないと思っている。(1.2倍成長論) 急速な市場拡大は、必ず、大きな歪を生む。 消費者にとって突き放せるメディアならともかく、モバイルは携帯していなければ存在価値がないデバイスである。 消費者に使って頂くという言葉だけで、その制作から運用まで十分な「金と手間」を割けない広告主が、消費者の「歪」を増大させたら・・・考えたくもない恐怖である。 

 そもそも好感を持たれている媒体に広告できることが媒体価値の前提ではないか。 ということを考えたら、消費者に不快感を与える広告媒体など、あってはならないのだ。

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