モバイルマーケティングという言葉だけが先行しているが、インターネットマーケティングという言葉だけが飛び交ったように、誰も何が変わったのか心に沁みて判っている人は少ない。
モバイルマーケティングが真価を発揮するのは、相手が特定されているコミュニケーションであって、マスメディア的な一方的な情報発信ではない。携帯電話であること、それは「移動体通信」というシステムに根ざしている原理が働くからである。これを無視してモバイルメディアとかアドネットワークを語ったところで底が知れている。
考えるべきは、SNSがモバイルベースで大爆発を起こしたこと、である。
ここにマーケティング・コミュニケーションとして、モバイルをどう捉えるべきかの糸口が隠されていると思う。
PCインターネットで定番のネットメディア、放送局、新聞社などのマスメディアが、モバイルで存在感が無いのは、役割としてもシステムとしても当然で、コミュニケーション・デザイン自体が異なっているからだ。まぁ、金儲け的に言うとビジネスモデルってヤツだ。過去に何度も書いているので割愛するが、生活者が変わったというよりは、メディア側が自分達のあるべき姿を追求しなくなったから、生活者が評価を変えただけの事だろう。
テレビはエンターテインメント、新聞は信頼性、雑誌は情報の深さ、とかだ。
商業的に儲けようとして質(制作費の多寡ではない)が落ちると、視聴読者は敏感だ。
端的に現れるのが広告。
これは媒体社の考えや体質、姿勢が最も見えやすい形で出ている。
媒体社の編集記事、番組の質が高いうちは生活者も我慢するものの、
見るべきモノが広告中心になってくると、苦情や視聴読者離れが起こる。
そして、一度起きると建て直しは難しい。(成功例は少ない。)
最初が大事であり、維持が大事なのである。
一度ヒヨルと二度は無い。
このため、長らくメディアなり広告を扱うものは、守るべき境界を組織として分離させ、バランスを保てるようにしていたのだが、このバランスがネットでは培われない。
大事なのは過去事例とかデータベースではなく、軸をブラさない精神的な主義主張の維持を継承することなのだが、離職率が高い業界なので受け継ぐべき人の育成が出来ない。
結局、短命なサイトが泡の様に生まれては消えていく・・・。
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