2013/02/18

ネットが駆逐する?アナログビジネス-出版

数年前から一部の業界人(今回は出版業界)とは話しているのだが、本当にインターネットの登場によって、市場は奪われたのか?
いや、実は違うんじゃね!?

という話をエントリーしてみよう。
出版市場規模の推移は社団法人全国出版協会を参照のこと。

そして、「2011 年「出版産業の現状」(出版メディアパル編集長下村昭夫)」も
参考情報として一読もらいたい。

なんとなく、インターネットは数多の要素の一つにすぎないんじゃないかという話は分かって貰えると思う。雑誌やコミックに影響は出ているものの、書籍はそれほど売り上げは落ちていない。
かといって、雑誌やコミックがインターネットにコンテンツとして展開されているかといえば、十分なものとは言えない状況だろう。

一方、書店が激減しコンビニが躍進するなど、販売チャネルも変容している。
少子高齢化によるマーケットの変化、情報取得経路の多様化によるプロモーションの変化、これも理由に上がっているが、この環境変化は出版業界だけに起きたことではない。
どの企業も業界も、等しく受けている環境変化なのだ。

ならば、業界の低迷、市場規模の縮小は、新規開拓や活性化に腐心しなかった自らの怠慢ではなかったのか?
というオチ。

2013/02/14

日本は海外攻略ができないのか!?

ソーシャルゲームに陰り、成長にブレーキ 2強の活路は - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1302/13/news035.html

楽天、海外事業が不振 10~12月特損255億円 :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞
http://s.nikkei.com/X52Vnb

特段記事になっている企業が、どうのこうの、という話ではない。
海外進出で利益を上げられる企業は、実は少ないという現実。
こと、IT系は日本で上げた利益を海外に投資して、回収できないというパターンが常態化している。

スピードは大事だが、買収による現地法人化や商材の移植(ローカライズ)が、実は目に見えないところで障害となっている気がする。
ま、無責任ついでだが、国ごとに法整備が違うし、文化も違う。
言語だけ差し替えれば良いという問題は、ユニバーサルデザインを採用した商材でなければ通用しない。
あ、ユニバーサルデザインは「世界共通」という意味も含めるが、「誰でも使える」という意味ね。

Webデザインも国というか文化圏によってずいぶんと違う。
世界的な賞に輝くサイトは洗練されたものなので違いはないんだけど、そうじゃなくて、ビジネスで上位にいる企業のサイトをつらつら見ていくと、かなりベタなんだ。
何を表現するのか、伝えたいのかで違うんだから、当ったり前の話なんだけどね。
ブランドで売る必要のない世界が大半である現実がそこにはあるし、だからこそ、デザインが付加価値を上げる余地もある。
もっとも、UIやUXよりも上位のデザインが必要だったりするんだが。

そんなわけで、日本から世界に出ていくという事は、拡散を意味している。
日本の成功によって得られた利益が、文字通り、海外へばら撒かれているわけだ。

これを食い止めることはエントロピーの法則から言っても無理だろう。

ただ、回収によってのみ利益を維持するしかないのだ。
って、その回収ができないから困ったチャンなんだよね。

月並みなんだけど、まず、日本で通用したものが海外でも通用するなんて考えないことが大事なんだと思う。とすれば、いきなり海外支社を作って大規模投資なんてのは、ネットならやらないに越したことはない。
日本にいても出来ることがあるはずで、それをしてないことが、後々大きな問題になっていると思うわけだ。
そもそも、そこを洗い出していないところが杜撰なんだけど。

2013/02/01

盛り込んでしまう小心さへの警告

なぜデザインにおける「引き算」は難しいのか?   wired_jp
http://wired.jp/2013/02/01/the-simple-complex/

勇気があればできるらしい・・・。

というより、無駄なものを足してしまう発想や方法論を「引き去る」必要がある。

デザインとは色・形や配置のレベルでなく、もっと上位での設計図ともいうデザインが実は大事だと思う。そこに表現するものは、研ぎ澄まされたものでなければならない。
シンプルになるのは結果でしかないと思う。
最も伝えなければならないことを探し出していくプロセスで、核となるモノが探し出せれば、自ずと余計なものは見えてしまう。
一度、余計なものと認識してしまうと、わざわざ「余計なもの」をあえて入れ込もうなんてことはなくなる。

これ言い始めると、現在あるサービスや商品の殆どが、無駄なものに包まれていることになるんだが、まぁ、そこまで理想主義者ではない。
ある程度の煩雑さは見逃そう。

しかし、今のネット広告は煩雑だ。
技術にしてもサービスにしても、もっとシンプルに出来ていたはずだ。
表現の拙さを技術でカバーというのが実態だ。
バナーのクリエイティブもサイトのクリエイティブも、どれもこれも、「何を伝えるべきか」がシンプルにデザインされてさえすれば、それだけでターゲットを的確に捉えられるんだけどね。
ターゲティングに頼らずとも。

2013/01/31

ドコモのマガシーク買収

ドコモ、マガシーク子会社化目指しTOB ファッションEC強化 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1301/30/news098.html

うーん、どうなんだろうね。マガシークの3Q資料を見る限り、売り上げもダウントレンド。
新コンセプトも?かな。

スマホの登場によって、そう切り捨てるのは危険だが、産業構造が変わったワケで、その影響が出ていると考えるべきだろう。
モバイルの産業構造が変わったというだけなら良いんだけど、もっと別なところも変わっていると思うんだ。

マガシークの新コンセプトもファッション誌の影響力低下を考慮してのことだと思うが、じゃぁ独自でっていうのも「核」となる強みが見えない。
マガシークという企業ブランドが強ければ、そりゃ問題ないんだけど、資料からは裏打ちさせるものが見えないということね。

ドコモの子会社になるわけだから、シナジーを生めるようにしてないのも、どうかな?と思うわけだ。dメニューでの展開?、いや、それって販路の一つにすぎないから弱いなぁ。
地力が落ちている時点で、延命策程度にしかならない。

それに、ドコモってマーケティングが下手な会社だって、某氏も言ってるしなぁ。
その方面の支援は無理だろう。

で、これ言ったら不味いんだけど、立場的に、でも言っちゃおう。
広告による露出強化して認知が上がったからって、会社は立て直せない。
一時的にはカンフル剤として聞くこともあるが、対処療法ね。
どんな大きな網でも破れてたら魚は逃げちゃうのと同じ。
穴塞いでからやろうと言いたい。

なお、補修するには穴が大きくなりすぎていると思う。

【追記】
ZOZOTOWNのスタートトゥディが下方修正 会員のアクティブ率、計画に達せず - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1301/30/news109.html

ネット通販のファッションカテゴリー自体がダメなのかも。
え?失言騒動に絡む大盤振る舞いのせいだって!?否定できないなぁ。

2013/01/21

ネット広告成長は止まった?!

何を言い出すのかと思っただろう?
別に、波乗りペンギンはネット広告礼賛者じゃないぜぇ~、ワイルドだろう。

まずは業界二位の広告会社博報堂DYホールディングスの売り上げデータを見てみよう。
エクセルのダウンロードリンク。 (だめだったら、トップページから探してね。)
4,5,11の月で上回っているだけだね。

業界一位の電通はどうかというと月次売上高の推移を見てみよう。
ダウンロードできなかったら、ここのページから探してね。
4月~8月は順調に伸びていたが、その後は11月だけ前年を上回っただけだ。

つまり、マスメディアを取り扱う大手広告会社は、後半からネット広告が伸びなくなっている。
理由は分からないことにしておこう。

だが、ネット専業系は伸びている。
そう、詳しい資料が見られないのでわかんないけど、PC向けとフィーチャーフォン向けは伸びていないが、スマホでカバーして伸ばしている。
ただ、それが広告なのかといわれると、広告じゃなくて課金とか制作(受託開発)だったりするようだ。(だれか、各社に伝手があるなら内情を聞いて、教えて欲しいが…。)
まぁ、利益が伸びているかどうかとか見たりすると、うーん、て感じだな。

こっから先は、よく雑談で出る会話シリーズ。
お題:「どうやって生き残ればいいのか?儲かりそうな領域はないし・・・」

結論は、ない!
ってか、毎度言ってるけど、分かっているなら先にやってるって。

キーワードになるのかバズワードになるのか分からないが、
「ビッグデータ」(クラウドあっての・・・だけどね。)
「アトリビューション」(すまん、ネットだけでは効力薄すぎ)
に関連する事業は薦めない。
付け焼刃で可能な事業じゃない。
俺に聴く時点で終わってるだろ。

「タブレット」って話から「電子書籍」という期待感先行の話も、オミットね。
今更、デバイスありきのマーケティングとか発想古いし、電子書籍も滑走路で助走中に過ぎない。
一体、いつ離陸できるのか?分からんだろう。

で、結局、相手の本業というか土俵でちゃんと闘えているのかって話に戻って、
いや、それができないから「どうしよう・・・、だから新しいことを・・・」って話になる堂々巡り。

こんな時は、本業の強みを磨き切るに限ると思うんだ。
そもそも始めた事業で成り立ってきたのが、昨日今日でダメになるという事は、ない。
それは深く静かに根腐れしてたわけでしょ。
新しいことを始めても、仮に成功したところで、また、同じことになるだけ。
必ず、強みを磨くことで派生する「新しいこと」がある。

大体、経営の多角化で失敗するのは「何の関連もない」新しいことをするから、成功した時の企業内シナジーやステークスホルダーに還元できないという袋小路に入るんだ。
これ、ブランド論でも同じだよね。
まったくイメージもコンセプトも違うものを「サブ・ブランド」で作ると、本体まで腐っちゃう。

2013/01/17

店頭購買はZMOTだから?パッケージデザインが重要

パッケージを、ショッパーインサイトから考える——「販促会議2月号」より #販促会議 #アドタイ
 http://www.advertimes.com/20130115/article99017/

普通ならスルーする程度の記事なんだけど、VOYAGE GROUPの宇佐美社長が高広氏とフェースブックでやり取りしているのを見てしまって、「モヤッ」としてしまったのが運のつき。
割り込もうかとも思ったが、それなりに結論が出ていたので、コメントはせずにいたものの、この記事見つけて再燃。

うーん、調査すると店頭での購買意思決定はパッケージ情報というのが多いのは確かなんだけど、「本当に全部そうか?」なんだな。
ネットでキーワードというかバズワードになっている「アトリビューション」をリアルでもできれば、マーケターの心労もかなり減ると思いたいが、過去の経験から断言すると、「新たな頭痛の種」がまかれるだけなのよ。(笑)

 さて、デバイス別だったりとかコミュニケーションモデルがあるので、うっかり囚われる人も多い。
もう、その時代は終わっている。AISASでは説明できないことばかりだ。
 だからといって、それに代わるモデルを探しても、それって誰得?

前出の二人でのやり取りもデバイスであるスマホの購買について話が始まったが、終わりは購買モデルはデバイスとは関係ない話になっている。
ある意味正しい。

もっと言うと、手段や道具に囚われた考え方で、購買プロセスやらコミュニケーションモデルをいじくっていると、インサイトから遠ざかる。
結局買っているのは、サルでもイヌでもな「ヒト」なのだという単純かつ明快なことを忘れちゃダメだ。十人十色。
今までは「把握できなかっただけ」の行動プロファイルや個人データを、大量かつ高速に処理できるようになったわけで、そこに注目しちゃうと対象を見失う。

そもそも、何がしたかったんだっけ!?

みんなに買わせたい?という抽象論はネットの時代は無意味。
Aさん、Cさんに買わせたいという具体論ができる時代なのだ。
そして、講演の極意は「ただ一人に聴かせること」で、みんなに伝わるという様に、購買も同じこと。
十羽一絡げのカテゴリーの中のダレカさんに、物は売れませんて。

個の繋がりが線になり、線が閉じて円になり、円が広がって世界になる。
うん、どこかの歌詞にあったようなものだ。
線を束ねても、円を重ねても、世界は作れない。

2013/01/15

ボスコンが思うイノベーティブな会社

イノベーション企業ランキング・トップ50を米ボスコンが発表 #人間環境会議 #アドタイ
http://www.advertimes.com/20130111/article98904/

つらつら順位を見てみると

イノベーション調査2012(正式名「The Most Innovative Companies 2012: The State of the Art in Leading Industries」) TOP50
1位 Apple (米)
2位 Google (米)
3位 Samsung (韓)
4位 Microsoft (米)
5位 Facebook (米)
6位 IBM (米)
7位 ソニー (日)
8位 ハイアール(海尔集团)(中)
9位 Amazon (米)
10位 ヒュンダイ(現代自動車)(韓)
11位 トヨタ自動車(日)
12位 フォード (米)
13位 キア・モータース(起亜自動車)(韓)
14位 BMW (独)
15位 HP(ヒューレット・パッカード)(米)
16位 GE(ゼネラル・エレクトリック)(米)
17位 コカ・コーラ (米)
18位 Dell (米)
19位 インテル (米)
20位 ウォル・マート (米)
21位 スターバックス (米)
22位 日産自動車(日)
23位 BASF(ビーエーエスエフ)(独)
24位 HTC (台)
25位 アウディ (独)
26位 シーメンス (独)
27位 レノボ(聯想集団) (中)
28位 HSBC (英)
29位 GM(ゼネラル・モーターズ)
30位 アンハイザー・ブッシュ (米)
31位 ソフトバンク(日)
32位 ファーストリテイリング(日)
33位 フィリップス (蘭)
34位 ルノー (仏)
35位 シェル (蘭)
36位 ファーウェイ(華為技術)(中)
37位 ヴァージン (英)
38位 ボーイング (米)
39位 ナイキ (米)
40位 キャタピラー (米)
41位 マクドナルド (米)
42位 デュポン (米)
43位 ツイッター (米)
44位 中国石油化工 (中)
45位 フォルクスワーゲン
46位 エアバス (仏)
47位 タタ・モータース (印)
48位 インディテックス(Inditex)(西)
49位 プロクター&ギャンブル (米)
50位 スリーエム(3M)(米)

トップの言動だけでなく、業績も加味されたランキングという事だが、
不振から抜け出せないソニー、HPが上位に入っていたり、
ランク外のソフトバンクが今回から入ったというのも、
この一年で変わった評価なのか変わらなかったのか、分かりにくい。

で、各社の企業サイトを見たら、
イノベーションはデザインやUIから感じられるといいんだけど、ね。