2015/01/09

モバイル広告のRTBやProgrammatic Buyingが急成長していないらしい

たまにはのネタなんだけど、某SNSで交わされていたトピックから。
なのでリンク先はナシね。
結構業界では著名な方がやり取りされてたんだけど、コメントするタイミングを外したので、こっちで書いてみることにした。

成長の度合いは海外との比較、たぶん米国だろうと推測。
コメント入れて確認したかったが議論が進んじゃってたんだよね。
ちなみに、日本のRTB市場についてはCAが推計を発表している。
これによると、

RTBを経由したディスプレイ広告は、2012年の普及開始以降、PC向けの需要を中心に増加してきました。2014年に入り、スマートフォン利用者数の継続的な拡大を背景に、需要が急増しています。これを受けて、大手事業者によるスマートフォン専業DSP事業への参入が相次ぐなど、スマートフォン向けのRTB広告需要を取り巻く環境は急速に変化しており、スマートフォン向けRTB広告の高い潜在性が見込まれます。RTB広告の需要は拡大を続け、2017年には1,023億円に達すると予想されます。
てなわけで急増していると単語があるんだが、真向否定なトピックなわけで、波乗りペンギンはタイミングを外して議論に入れなかったことが残念でならない。
 まぁ、日本の広告費(電通)も同様の話があるんで、統計上の問題と体感は永遠の課題だったりするが、立場によっても感じ方が異なるので置いておこう。

さて、今回のトピックは「モバイル広告のRTBやProgrammatic Buyingが急成長していない」という事なので、思ったより伸びない事の原因は何かという話になってたわけだが、広告主、広告会社、RTB事業者・・・みんな立場と視点が違うんだよね~、結論はまだ出ないようだ。

実はこの点だけを話しても埒はあかないと思っている。
米国と日本、文化や地政学的な問題から条件が全く異なるし、経済規模や事業者も全く異なる。日本がガラパゴスなのは携帯だけの話じゃない。
とはいえ、何がしかの理由が欲しいわけで、ここで話の腰を折ったって意味はない。

そもそも、ネット広告も米国並みに伸びたわけじゃない。
伸びたにしても、そもそも市場規模が違うのでレバレッジの利き方が違う
米国の広告市場の10%も占めたら、金額的には日本の広告費全部と変わらないので、投資金額や人の動きなんか比較にならない。
あっちの方が有利なんだ。
経済大国第三位に落ちたしな。
環境が違うというのが一つの答えだと思う。

他に、人材の問題もある。
日本だと専門スキルを持って転職してキャリアアップするって多くはない。
しかし、欧米は人材が流動的だし雇用も対応している。
業界や団体で職種や能力の定義がされ、育成や認定なんかも数年で整備される。
(英語のできる人はググって調べると良い。iabあたりを見てみれば・・・)
マーケットが拡大する環境をちゃんと用意してたりするんだよね。
日本はそこに人員と資金を提供したり、協力する関係が薄いというかない
社内育成で囲い込むというか、育つ前に使い潰してしまうというか、愚痴になるので止めておこう。

特に関係ないと思うのは、広告主や広告会社がメリットを感じないとか効果効率の話。
検討の材料に上げられるほど、まだ、モバイルRTBとか注目される存在じゃないんだ。
裏返すと、イメージで注目して貰えばガンと伸びるわけだ。
決裁権を持っている偉い方たちは、マーケの専門家ではない人が多いからね。
・・・あ、言い過ぎたな。

2015/01/08

Webプロダクションが嫌われてるって!?

Web業界とEC業界はまったく違う――そのギャップがEC事業者と制作会社の仲を悪くしている? | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/01/06/1901

ECの世界に広告系の会社が絡むと話が合わないという事なら意味が分かる。
記事の内容も、そこまでセンセーショナルなことは書いてないというか煽ってない。
うーん、残念だ。(笑)

別にWebの世界じゃなくても同様のことはリアルでも沢山あるわけで、
お互いの志向と経験値が合わなきゃダメなものはダメなもんです。
小売流通、不動産、医療、美容整形など、業種が違えば要求されることも実施する内容も、同じ広告というカテゴリーでも全く違う。
何しろ、その業界専門のプランナーやらコピーライター、デザイナーが生計を立てて行けるぐらい深い。
それぞれ営業として担当したことがあるけど、世界が違い過ぎて慣れるのすら数年かかったよ。

例えば、スーパーだとチラシね。
こんなデジタル社会でもチラシは未だに相当のお金を掛けられているし、配布する地域だって店舗に至る経路計算(いわゆる商圏の割り出し)から世帯分析(家族構成やら世帯年収とか)までしてるんだが、ネットが登場する前からやってたしね。もち専門アプリケーションだし、統計情報てんこ盛りだから、広告会社でもSP担当じゃないと見たことないかも知れない。
医療や美容整形は、法令で表現してはいけない事や禁止されていることがあるので、新聞や雑誌など媒体の厳しい審査を通過するノウハウも必要だし、通報されない(刺されない)様にギリギリを攻めたりする。

てなわけで、業種によって必要な知識と経験がなきゃ通用しないのはネットもリアルも同じだ。
あれ、前回もそんな話を書いたような・・・

2015/01/07

悪いのはWeb制作会社なのか?SEO対策

http://ascii.jp/elem/000/000/958/958650
Web制作会社の言うSEOは、顧客が望むSEOではないかもしれない asciijp
http://ascii.jp/elem/000/000/958/958650

大御所の渡辺氏が執筆している記事なので、素直に読んでみる。
が、ちょっと違和感を覚える。

はて、SEOに関する技術力や経験、知識を測るには発注者(広告主or広告会社)側に相応の経験と知識が必要ではないだろうか?
前世代的なSEOいやSEMに関する間違った認識であることを知っている前提があるし、厳しいなあ・・・と思う。

それより、課題だと思うのがWebの使い方とか位置付けが、マーケティングでは固まってないんだよね。未だに、デジタルマーケティングとか言ってさ、それ何なの美味しいの?って説明もあんまりないし、共通定義なんて見たことない。
これって、戦略無しで戦術だけ展開している状況なわけで、どんなに優れた戦術で成果を出したとしても、それって売り上げは上がったけど「狙い通りなのか」という肝心なところがズッポリ抜けたままなのと同じ。

まぁ、会社で良くあるんだけどね。
理念とか経営方針があるんだけど、それを踏まえた事業展開はされてない・・・とか。
社会に貢献とか人を大事にとか掲げつつ、社員の給料下げて解雇しまくったり、突然事業を売り払ってユーザに知らん顔したりと。
それでブランディングとか言い出した日にゃあ地獄でんがな。
ブラックな色付けなら問題ないがな。

本題に戻そう。

払った金の分だけ仕事をして貰える会社は、自分で探すには相応の実力が必要という話が無いのが違和感の元だと思ったのよ。
もちろん、信頼のおける会社とか専門的な社員を雇用するとかあるけど、これもこれで目利きが必要なのは同じ。
やはり、ある程度の成果を収めている広告主の担当者って、すんごい知識と経験(または失敗)があって、その上で経営的な視点(相当の予算を引っ張ってくるんだから当然なのかもしれないが)でWeb活用を推進している人だから・・・。

2015/01/05

2015明けました

なんとか新年を迎えられ、でも、来年は分からないという・・・今年も先行き不安。
デジタル・テクノロジーが世の中を仕切っているけど、格差社会は収入だけでなく色んなところにあるんだよね。

さて、年末年始の記事を見ながら、大体みんな同じことを言っているので飽き飽きしている君。
逆に、みんな違う事を言ってたら、飽きる前に読むのを諦めるだろう。
どっちが良いのか幸せなのか、分かる人はいるかな?

今年は、昨年の延長線ならばネット広告業界は
・アドテク(ビッグもクラウドもこの中だ)
・ネイティブ広告
・o2o/オムニチャネル
・動画広告
・マーケティングオートメーション
が堅い線だろう。

業界専門紙では広告会社の強化したい施策アンケートがあったが、
新規顧客獲得のための営業強化といったニュアンスで、
アナログ的な傾向は全く変わっていないようだった。
マーケやCRの強化もあったが、あんまり重要視されていない。
ネットでも同じ空気を感じる。
とはいえ、過去と繋がりのない人からすれば、すべてが新鮮なんだろう。

2014/12/26

ニールセンのネット視聴率から何が見える?

ニールセン、2014年日本のインターネットサービス利用者数ランキングでスマホの利用者数1位はGoogle | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/n/2014/12/18/18955

記事だと要約されちゃっているので、ニールセンのリリース ( http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/12/Newsrelease20141216.html ) を見よう。

とりあえず、ザっと分かる事。
「パソコンからの利用者数」はYahoo!Japanが相変わらず化け物的に強い。
が、全体の利用者数は減少してしまっている。
「スマートフォンからの利用者数」はグーグルがY!Jを辛うじて上回る。
全体の人数も増加し、LINEとFBが続いているものの、勢いはLINEにある。
そもそも、Androidで底上げしているグーグルは、あんまり安全なトップではなさそうだ。
「スマートフォンアプリケーション利用者数」 は、LINEがトップで増加利率も高い。
 全体の人数も増加している中、Y!Jが平均の約二倍の増加率で猛追している。

どうやら、スマホOSで底上げしているグーグルだが、増加率は低い。
アップルが低迷するなら伸びしろはある。
とはいえ、LINEがネイティブアプリでユーザのマインドシェアだけでなくLTVも高めているので、トラブルなりユーザ離反が起きない限り驀進しそうである。
トラブルとユーザ離反という点では、マクドナルドの公式アプリは善戦している。
ランキングに入っているとは思わなかった。

気になるところでは、「スマートフォンからの利用者数」でアマゾンが全体平均の約二倍で増加している。対抗の楽天は全体平均の1.5倍。
来年は逆転する可能性が高そう。

ネイティブアプリはゲームとかニュースとか調査対象になっていなかったのか、そこまで利用されていないのかリリースからは判断できない。
まぁ、データ買えって事なんだよね・・・。





2014/12/22

データオリエンテッドで行き詰まる

データ分析から「シナリオ設計」をするということ——“アナログ広告人材”が活躍できる可能性 by 横山隆治 アドタイ
http://www.advertimes.com/20141222/article178419/

横山氏のコラム。ネット広告会社、Webプロダクションの多くが「デジタル思考」を突き詰めて、ぶち当たる壁の「あるある」だろうか。
あくまでも知る限りという限定だが、壁を抜けた会社はアナログな分野を手掛ける人材や事業進出を果たしている気がする。

アクセス解析やABテストなど手に入るすべてのデータがあっても、ユーザの行動履歴が分かったり、効果効率が良かったものが判定できるだけでしかない。
それは「望んだ結果なのか」「望まれた結果なのか」、といった部分しか明らかにしない。
その結果どうするべきなのか、過去の延長線をなぞるだけでしかない。
「新しいサムシング」を生み出すのはデータじゃないくて、結局は人間の暗黙知たる経験や人生観だったりする。

あんまり良い例えではないが、「iPod」が調査データやらで出来るのか・・・という話だ。

いろんなネット広告会社はデジタルマーケティングを志向しているが、デジタルマーケティングとは何かとか一切説明してないし、今までのマーケティングと何が違うとか新しい要素とか提示してはいない。
いや、それ昔から研究者が指摘している・・・文献にある・・・という事が沢山あって、いや、何にも斬新なこともないし革新もない。
お釈迦様と孫悟空みたいなもので、デジタルマーケティングだと新領域と粋がっては見たものの、相変わらず今までのマーケティングの掌の上。

ここ数年で不思議だなぁ・・・と思っているのが、ソシャゲの宣伝ね。
ターゲットはスマホを使っている人なのに、結局はテレビCMをバンバン打つ展開になってしまう。いや、スマホ使っている人がスマホ広告では到達(広告のリーチ/到達率ね)できないとか、未利用者の掘り起こしとか、尤もらしい理由なんだけど、それってスマホ広告より一人あたりの到達単価が圧倒的にテレビが安いとか、スマホは思ったより使われていないとか、そんな本音があるんじゃなかろうか。
メディアニュートラルで考えるならだが。

でも、マスメディアの媒体データとか扱える人材がいるだろうか、こっちの方が問題のハズ。
いるのは大きな広告会社くらいだろう。
いや、データそのものは買えるんだけど、切り口とかの読み方は解析しても出てこないんだよね。そりゃ、ネットに比べれば不安定極まりないサンプル数と仕組みによって取得されたデータだから、ほぼリアルタイムのデータと組み合わせることはできない。

で、アナログ系の有経験者が利活用できるかというと、難しいと思う。
ツナギというか翻訳者というか、アナログとデジタルの架け橋役がいないと機能しないと思うんだ。もちろん、時間を掛ければ双方が歩み寄ってカバーし、ゆくゆくは一人でアナログもデジタルも関係なくなると思うけど。
はて、そこまで雇っていられるのか、持ち堪えられるのか、非常に疑問だ。
成果出せなきゃ降格や年収ダウンが当たり前だからね。
生活できなくなって消える人の方が圧倒的に多いと思う。いや、将来への不安が大きくなって・・・というべきかもしれない。
ここは、企業体力のある大企業に分があるかなぁ。

2014/12/16

広告やメディアで人を動かすのをあきらめる時代!?

広告やメディアで人は動かせないのか--ブルーカレント本田氏とLINE田端氏が持論を語る cnet_japan
http://japan.cnet.com/sp/cnetjapanlive_2014w/35057901

CNETの主催イベント「CNET Japan Live 2014 Winter 『ボーダレス』がマーケティングの決め手 ~組織・手法・技術の垣根を取り払う~」のセミナーレポート記事である。
元ネタが本らしい。
が、波乗りペンギンは読んでない。すまん。

ざっと記事を読んで、言っている事はまともなことである。
オグリビーの「ある広告人の告白」とか、マクルーハンとか呼んだ人にはリフレイン状態であろうか。それと、広告臭をかぎ分ける消費者については米国で「Yジェネレーション」といった話が数年前にあって、日本でも同様の事象が起きている事は不思議ではない。

田端氏の発言部分引用だが、
時代が変わっても変化しない広告やマーケティングの本質を考え、それを基盤に新しい変化を取り入れていくことが大事
これってシンプルで一番難しい。
広告って何?マーケティングって何?
そもそも、本質を掴むって出来るの?
まぁ、出来れば誰も失敗なんかしないし、大ヒット商品だらけだよね。

そんなことを感じた次第。

後は蛇足だが、広告は「視点を提示する」ことに意味があると波乗りペンギンは考えている。
グラスを「これは飲み物を入れるグラスです。」という広告をしても意味が無くて、
「落としても割れない」とか「握りやすいエルゴノミクスデザイン」とか
商品の価値を伝える視点を持たないとダメだと思う。
もちろん、そんな簡単な話ではなくて、人の心を動かさないとダメなわけで、
高さ10Mから落とすとか、象が踏んづけるとか、サルに持たせるとか、指二本でグラスを持って飲み干すとか、クリエイターは生活者に効果的に訴える表現を探さないとダメなんだけどね。陳腐な例えでスマン。
馬脚を現してしまった・・・。