2009/04/23

モバイル視聴率にエンゲージメント・レート(草案)

単なる利用時間や利用回数では、テレビ視聴率の様に実態が把握できない。
もちろん、テレビなどの放送は一方通行なので、論理的に止むを得なかったからだ。

しかし、モバイルは通信であり、かつ、PCと違って共用が前提で無い個人の者である。
ならば、視聴読者がメディアに集まるという発想を捨てて、一人の人が利用するサイトの何割を占めているのかを指標にした方が、分かり易くないだろうか。

具体的に云い直すと、
週に100回アクセスする人が、波乗りペンギンのブログを10回チラ見(@1秒)するのと、
週に10回アクセスする人が、波乗りペンギンのブログを10回ジックリ見る(@100秒)のでは、
明らかに違いがある。

今の指標では、2人が20回で1,010秒としか分からず、視聴読者に占めるロイヤリティというかメディアのマインドシェアが分からない。
ならば、10%のシェア率×10秒で1モバイル・エンゲージメント・レート(MER)とか
100%のシェア率×100秒で1,000MERという感じで測った方が見えるモノが増えないだろうか。

2009/04/20

次世代広告会社-コンセプトの前に

もの凄い閉塞感と絶望感になまれて久しいが、憂鬱になったところで誰かが話を聞いてくれるわけでもなく、聞くべき価値があるとも思われない様なので、書くだけ書いてみることにした。


まず、広告がどのように変わるのかと云う「先」が見えないと話は進まない。

少なくとも、今は過渡期である。

更に、これから起きる情報技術革新と生活者の変化は予測できない。

この点から、「今のままでは」あり得ない事は想像できる。

たぶん、それ以上はハッタリでしかないだろう。


「広告」がどうなるのかは、どうあるべきか、という信念を持つ以外に打ち手は無い。

つまり、あるべき論と現実との対比の中で、誤差を修正しつつ生き延びるしかないのだ。


よって、広告がどうあるべきかと云う考えのない人は、ゴールの無い中でヨットを走らせるようなものだ。そんな人には、どんなに正確な位置情報も灯台も海図も、役に立たないだろう。

2009/04/17

モバイル マーケティング ソリューション協議会×デジタルサイネージコンソーシアム

慶応大学の北館ホールで、共同セミナーが開催された。
参加者は150名を越え、関心の高さがうかがえる。
ポイントは、「クロスメディア」から「クロスマーケティング」に時代がシフトしつつあることだろう。
もう、メディアだけ組み合わせるだけでは、企業の持つ課題や悩みを解決できなくなっているし、媒体社や広告会社の周辺企業も生き残っていけないのだろう。
しかし、どうするのかは暗中模索。

2009/04/14

モバイルマーケティングが意味する事

モバイルマーケティングという言葉だけが先行しているが、インターネットマーケティングという言葉だけが飛び交ったように、誰も何が変わったのか心に沁みて判っている人は少ない。
モバイルマーケティングが真価を発揮するのは、相手が特定されているコミュニケーションであって、マスメディア的な一方的な情報発信ではない。携帯電話であること、それは「移動体通信」というシステムに根ざしている原理が働くからである。これを無視してモバイルメディアとかアドネットワークを語ったところで底が知れている。
考えるべきは、SNSがモバイルベースで大爆発を起こしたこと、である。
ここにマーケティング・コミュニケーションとして、モバイルをどう捉えるべきかの糸口が隠されていると思う。


PCインターネットで定番のネットメディア、放送局、新聞社などのマスメディアが、モバイルで存在感が無いのは、役割としてもシステムとしても当然で、コミュニケーション・デザイン自体が異なっているからだ。まぁ、金儲け的に言うとビジネスモデルってヤツだ。過去に何度も書いているので割愛するが、生活者が変わったというよりは、メディア側が自分達のあるべき姿を追求しなくなったから、生活者が評価を変えただけの事だろう。
テレビはエンターテインメント、新聞は信頼性、雑誌は情報の深さ、とかだ。
商業的に儲けようとして質(制作費の多寡ではない)が落ちると、視聴読者は敏感だ。


端的に現れるのが広告。
これは媒体社の考えや体質、姿勢が最も見えやすい形で出ている。
媒体社の編集記事、番組の質が高いうちは生活者も我慢するものの、
見るべきモノが広告中心になってくると、苦情や視聴読者離れが起こる。
そして、一度起きると建て直しは難しい。(成功例は少ない。)
最初が大事であり、維持が大事なのである。
一度ヒヨルと二度は無い。


このため、長らくメディアなり広告を扱うものは、守るべき境界を組織として分離させ、バランスを保てるようにしていたのだが、このバランスがネットでは培われない。
大事なのは過去事例とかデータベースではなく、軸をブラさない精神的な主義主張の維持を継承することなのだが、離職率が高い業界なので受け継ぐべき人の育成が出来ない。
結局、短命なサイトが泡の様に生まれては消えていく・・・。

2009/04/10

とりあえず、止めてみた

他の人でも出来ると云われた事は止めてみた。
余計なことだと云われたことを止めてみた。

云われたことだけやってみた。
なかなか、大変。
作業を侮るべからず。

2009/04/07

Change

ネット広告浄化計画Ⅱは嬉しい誤算で不要となり、モバイル広告浄化計画Ⅰは悲しい誤算で発動できなかったので、広告市場補完計画Ⅲに向けてペタペタ歩こうかな。

2009/03/20

モバイルマーケティングの本質

気の利いたタイトルではないが、モバイルビジネスの相談に乗ったり、今後の展望を話し合う機会も増え、メモ書き程度に書いておこうと思う。

モバイルの利用動向がなぜ見えないか、いろんな議論がある。
しかし、データで分かるのは動きだけである。
その背景を「インサイト」しないと、肌感のないメディアであったり、使われているのか確信の持てないツールにしか思えない。

例えば、広告を打てばアクセスは増えるし、テレビで紹介されればサーバは落ちる。
瞬間最大風速は驚異的な数字を叩きだすが、結果は常に分かれる。
見るだけか、購買するか、である。
いろいろデータはあるが、モバイルは本能的な行動に近い傾向が出ている。
店頭で商品選びに迷っているように、モバイルでも利用者が商品選びをしている様が出るし、本能的に欲しいモノかどうかで購入してしまうケースもある。
そして、商材の特性によって、明らかに同じ傾向が出る。
この話はモバイル マーケティング ソリューション協議会(MMSA)主催のモバイルマーケティングカンファレンス2009(MMC2009)で、データに基づくインサイトと、消費者に受入れられたモバイルサイトの共通ポイントが明かされるはずだ。開催日は2009年6月30日なので、まだ先の話ではあるが、リークしてしまおう。

モバイルでブランディングが出来るのかという問題も絡まるが、「消費者に受入れられたモバイルサイト」には、必ず付加価値があるのは確からしい。

そして、本能的に行動する利用者を「スムースに」導くUIは、ただモバイルサイトを作れば良いという「とりあえず的な発想」を打ち砕くはずだ。

マーケティングとして基本である「気づき」はモバイルでも生きている。
提供する側にも受け取る側にも、等しく同じく・・・。

だから、これ見よがしの広告は避けられるし、親近感のある人のブログで知った情報は信じるのである。提供する側が仕掛けようとした事がバレルと炎上するのは、騙されたと思うからであり、そもそも嫌われているからである。
受け取る側が「素直に共感できる形」で情報提供すれば、抵抗なく受入れてしまうのも、企業の売らんかなの意地汚さが見えないからである。

やはり、押し売り的な販売をする企業だと、モバイルでブランディングなんて夢物語だろう。
逆に、利用者にモバイルを使ってベネフィットを提供出来る企業は、ロイヤリティの高い利用者を獲得する事になり、強いブランドを作る事が出来る。
ここらへんは、FSPともCRMとも関連があるので、専門家に譲る事にするが、そんなところである。