2006/10/17

成果主義が歪ませた広告サービスの皮肉

インタラクティブ広告業界が歪んでしまった最大の要因は何か?
それは安易な数値評価に走った成果主義に他ならない。
人を機械扱いにしたのだ。
チャップリンのモダンタイムスは、その意味でも傑作だろう。
近代化と同じことが、現代、インターネット革命でも起きているのだ。

サービスでもある広告は、広告主や生活者も含んだ社会へのサービスを通じて、コミッションなどの対価を得られるのであって、機械的なコンバージョンによる成果報酬を意味するものではない。
広告メディアビジネスは編集・編成による媒体社の価値フィルターによって、区別された広告という情報が生活者に届けられるからこそ意味があり、価値がある。
情報を媒介するだけでは、付加価値を生まない。

検索サイトもまたメディアであるとすれば、いくつかの条件が満たされる必要があるだろう。
・検索結果は編集行為を自動的に行う仕組みの一部であり、どう情報を区別し提供するかという設計思想を編集意思とみなせる。
・編集された検索結果に対して、媒体社として掲載する広告を区別していること。
今のところは以上の二つだ。

ちなみに、グーグルは結果的に条件を満たしている。
利用者本位のロジックが、返って検索結果と広告の相性を良くしてしまったのが皮肉な結果だ。
オッカムのかみそり、だといったら見当違いだろうか。

非常に複雑な広告商品をインターネット広告は広告主や広告会社に生み出したが、利用する側にとっては単純なことだったのかもしれない。
入力した検索語に合わない広告は意味がない。
もちろん、文字通りの意味で・・・だ。

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