2016/04/22

好感度が高いということ

ネット広告だとデータで評価されない部分ではあるが、広告クリエイティブのもたらす「好感」という部分は必要ないのだろうか。
テレビだと、こんな調査がある。

http://www.cmdb.jp/release/20160415.html

トップグループは昨年と変わらないが、新しくトップ100に入った広告主がいたり、出稿量と相関はある(制作に掛けている金額という部分で)ものの、なる程の結果である。

98位の「ブランド卵『きよら』 広告主:アキタ」は、一消費者として見ても面白かった。クマをかたどったケチャップライスに高級ブランド卵を使うなんて、どんだけ料理スキルのあるママと金持ちなんだと・・・。
予想を裏切らないオチもある。絶妙だと思う。

テレビ広告(15秒CM)は、それ自体が話題になる。
たぶん、バナー広告とかリスティング広告では少ないよね。
一時期はインタラクティブバナーとか技術を使って面白いものがあったのだが・・・。

もっと限られた枠の中で、(広告表現として)枠を超える広告作品があっても良いと思う。消費者に受け入れてもらうには、中身も大事じゃないかと。

2016/04/19

電博が相次いでデジタル特化の子会社設立

動き始めました広告業界。
相次いで設立発表。

博報堂DYISが改称、新社長に博報堂DYMPの辻輝氏 | AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160301/article218800/

電通、デジタルマーケティングセンターを分社化 7月に新会社設立  AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160419/article223016/

なぜこのタイミングでという話もあるが、ソリューションでも専門的な分野の切り出しが共通していて、労働集約的な業務部門で人員に対する利益が出ないからだろう。
広告会社の収益源は媒体手数料で20%前後が見込めるのだが、手離れが絶対的に良い。
原稿入れてポン。

同じ一億円を稼ぐのに違いがあるということ。

一方で総合広告会社はワンストップが可能だからの「総合」なので、利益だけでは語れない。
儲からなくたって必要な機能はあるのだ。
すると、最低限を本体に残して、子会社に集約。
初めの数年は重複部門の整理、管理費の圧縮。
人事体系を変えての人件費抑制。
三社合併を経験した身として、上がった側だったから良かったものの、下がった側は可哀想だった。

さて、電通デジタル設立の記事が幾つかあって、一部に「他の子会社と合流はない模様」というイかした一文を添えている所があったが、似たような名前で「電通デジタルHD」があるからだろうか。
会社概要の役員を見ると確かに繋がりがありそうだが、統合される子会社はグループに入っていない。
設立の経緯(担当部局)もあるし、主導権もある。
歴代の社長とか人事を見てないと分からないので、他社のグループ内の統合や新会社設立は結果から類推するしかないのよね。

見え方的にはデジタル専門会社による総合広告会社の本腰と見るのが普通なのだが、本社から特定の人員を切り出しての・・・という部分が引っ掛かるのよね。
各部局から人を出して、ではないんだよね。

2016/04/14

ゲスの勘繰りだが朝日新聞が狙うのは

ここの所、朝日新聞とテレビ朝日がネットに対してアグレッシブさを醸し出している。
もちろん、この動きは今に始まったことではない。

サイバーエージェントが「動画」に本格参入した3つの理由
http://japan.cnet.com/news/service/35081004/

朝日新聞がオウンドメディア事業に参入--「サムライト」買収の経緯とシナジー
http://japan.cnet.com/marketers/interview/35081187/

どちらも系列Webニュースサイトからの記事である。
一昨年からの朝日新聞のハッカソン、投資という流れでの記事。
検索すれば出てくるので興味のある人は遡ってもいいだろう。

ただ、テレ朝は孫さんが昔、外資と買収攻勢に出た話とかあるが、あんまり関係を感じない。
どちらかというと、新聞社の中でWebサイトをいくつも立ち上げたり、Webにおいては新聞5社会の中で日経と組んで共同サイトを手掛けたりと、先行してきた経緯がある。
まぁ、どれも成功したとは言い難いが、そのあたりで使えるものは使えという話に変化したんじゃないかと思う。

CAに関してはテレ朝と組むことで、国内トップ3広告会社に食い込むチャンスを狙いたいところだろう。テレビ広告に手を出せば火傷することを覚えたはずなので、ネットでという切り口だね。
ゲームなどのテレビスポットで広告主として一定の盾を作りながらの攻め手だ。
麻雀ネタで誤魔化してる気がするが勝負師、眺めている分には面白い。
当事者であったら死ぬよ。

朝日新聞は海外紙のネイティブ広告を知らなかったはずがないと思うので、時間を金で買うM&Aに出たわけだが、CNETを買ってよかったねという気がする。
ZDを買った孫さんを真似たのかなという気がしているのは波乗りペンギンだけだろう。
この場合、CAは何に相当するのかな・・・。

+++

結局はプラットフォームの覇権争いになるんだが、テレビがテレビで固まろうとしてもネットは分散処理の権化である。
海外のテレビネットワークとかCATVからのオンデマンド放送、ネットとの親和性。
日本は帯域を明け渡しただけの地上波デジタル化。
まだピースは揃っていないと思うけど、多言語化による多チャンネル化にならないと、やっぱり海外勢(米国だが)に持ってかれる結末が待っている気がする。
テレビは受動的な視聴態度になるのは確かだが、それは、チャンネルが少ないという根本的な問題もある。選ぶ余地が少ない、ザッピングで事足りる。

また、スマホの動画視聴はハード面、通信料で問題が多すぎる。
デコードの処理にバッテリーが持たないのと、Wifi環境下でないと通信制限がかかってしまうか従量課金でパケ死(死語だな)する。

2016/04/13

コンサルが広告会社を買収するネット業界

徳力さんナイス。
解説されてます。

総合広告代理店とコンサル会社は、日本でも激突することになる | AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160412/article222611/

だけど、他にも競合するというか参入しているガチンコな業種がある。
まずは、印刷会社。
店頭関係は大手広告会社でも負けてました。デジタル強化もDTPからのWeb対応で、コンサルより手強いと思う。
次に、総合電機系SIerなど基幹システムからのWeb進出。
小売り流通だとECとの絡みで攻められちゃいます。
大規模イベントやセミナーで主催したり講演が最近増えているので、怖いです。



2016/04/08

東京五輪のやり直しエンブレム

すっげー書き辛いが、候補の作品傾向が4案中3つが似ている。
そして、白紙撤回されたエンブレムとは異なるイメージを優先した気がする。
この方針は経緯からすると選択の余地がない。

東京五輪エンブレム、最終候補4作品が決定 | AdverTimes(アドタイ) http://www.advertimes.com/20160408/article222506/

気になったのは一つだけ、明らかに色遣いが違う作品だ。
デザインの良し悪しは別として、気になった人は少なくないだろう。
こういうのは、本命と対抗で構成して外してもいいが尖ったものを入れるのがセオリーだと思っていたのだが、しっくりこない。
で、白紙撤回案が文字を使ったものだったんで、類似案になるのを意図的に避けると、こうなるんじゃないかなーと思った次第。

追記 2016.4.14.

白紙撤回されたエンブレムの審査員がブログで新候補4案について見解を書いてる。

032 1対3の構図 - 「A案」VS「BCD案」 HIRANO KEIKO’S OFFICIAL BLOG
http://hiranokeiko.tokyo/?eid=66

ニュースで知った次第。
これは、ネット的にはエントリーしない方が良かったと思うのだが、黙っていられなかったんだろうね。
どうしたって書けば注目されるし、自分は正しいというスタンスだと、余計な反感も買ってしまう。クリエイターだから尖った行動をしても許される時代でもない。

さりげなく最後の最後に
「平野敬子 デザイナー/ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所 所長
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める」
という署名は恨みつらみが感じられる。気持ちは凄く分かるんだけどね。

でも、新しい審査委員だって白紙撤回されたエンブレム案が否定された以上、その背景や事情もデザイン案の選定に重要な要素になっているので、デザイン的に優れている事は限られた時間と縛られた条件でベターを選ぶのが仕事だったんだしね。

2016/04/06

炎上は誰が煽っているのか?

通説と違う部分が研究論文として出されたらしいという事だ。

年収高いほど、子どもいるほど「炎上」に荷担 実証研究が話題に - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1604/04/news075.html

ちなみに、読む気が起きなくて申し訳ないが、
論文はこちら

ここでは炎上の燃料となるカキコの有無であるが、SNSが浸透した現在では、シェア(リツイート)の有無ではないだろうか。
炎上は拡散の度合いが影響していて、直接的な反応よりも炎上に加担している気がする。
あれ、コメント付けてやっていると該当するのかな。
うーん、この質問と回答は、調査アンケートとしてはどうなんだろう。

あと、炎上はニュースメディアが最後のダメ押しみたく取り上げて、燃え盛るという点で研究して貰いたい。
グーグルさんにキーワードの検索数を貰って・・・、これはWebアナリストがいないと解析できないか。
ソーシャルで一般人が拡散して、著名人というかインフルエンサーがコミュニティに伝達しつつ、有志による纏めができて、メディアが伝えてドライブが掛かるというフローだと思っているんだが、どうだろう。
その段階によって関わる人が違うと思うんだけど、今回の研究テーマは違うから残念である。

2016/03/30

ネット広告の営業職は無くなる

広告の自動化で 「ネット広告営業」は無くなる?今後も残り続ける価値とは?
http://www.advertimes.com/20160329/article220792/


「Advertising Week Asia 2016」の記念企画らしいが、広告業界のタブーに挑戦する特別コラム、なの?だろうか。
業界内ではしてたよね。

それはさておき。

ポイントのパラグラフは
一方、デジタルの広告枠はどうかと言うと、「無限コンテンツの無限広告枠というモデル」です。誰でも彼でも何でもメディアを名乗り、広告枠を設定することができるため無限に増殖します。極論を言えば、本来あったはずの広告を「掲載」する価値は限りなくゼロになり、インストールやクリックという掲載以降の「成果」に価値が付くことになっていかざるを得ないのです。
みたいで、某SNSでも御大がシェアと共にコメントをしている。
うん、問題はこの後の事象ね。

成果で広告の価値(媒体料金)が成立したのが現状。
現状変更はないかというと、そんなことはない。

広告が成果で価値が決まるって事の意味を考えよう。
それは、人が行動した記録(反応の記録と思われる値)なんだよね。
ただ、今は「誰が何回反応したのか、媒体を跨いで判定が出来ない。」からなんだ。

アトリビューションは媒体ごとの成果までで、その先にある生活者の起こした反応を特定するには技術的にも法的にも至っていない過渡期。
グーグルですら、パソコンとモバイルは個人の特定をした反応を集計できているけど、それもごく一部だ。
まぁ、複アカも特定しているかもしれないが。

ということで、マイナンバーが使えれば広告の価値は上がるという、誰でも想像できるオチまで書くのが怠くなったので、ここまで。