2016/01/21

なぜ、コーラが飲まれなくなったのか?

記事を読んでいて、一番最後に引っ掛かった。

同社調査によれば「コカ・コーラの飲用経験もあり、ブランドへの好意度が低いわけではないが購買から遠ざかっていた」というユーザーが多いことから、今回のキャンペーンにより飲用機会を創出することが狙い。
ソースは下記の通り。

コカ・コーラ「ワンブランド戦略」で広告費増、10社にCM制作依頼も #広報会議
http://www.advertimes.com/20160120/article215222/

コカ・コーラはクリエイティブ10本勝負でコンペした模様だが、インターネットによって多様化した現代社会で、ワンメッセージが届くのかが凄い疑問。
それが、核心を突いていれば「寸鉄人を刺す」なのは間違いない。

これはマーケティングとかブランディングとか大上段に構えた話をする前に、
一消費者として考えた方が良い気がする。
調査結果の読みは正しいと思える。
確かに、コーラを飲んだことはある。
コーラというブランドが嫌いなわけじゃない。
だが、数年以上コーラを飲んでいない。
皆さんはどうだろう??

この状況で「はじめてのコークの味、覚えてる?」と著名人に語りかけられても、「覚えてますが何か?」と返して終わってしまいそうだ。
売り場にないとか、自販機が無いとか、販売の問題で手にしていないわけじゃない。
コーラは何処でも手に入る。
それは「飲用機会の創出」というポイントから、消費者側の動機を喚起しようという事であろう。

では、今まで喚起されていなかったのは何故なのか・・・と。

あらゆる世代の著名人を使うという事から、自分事化させることがCRで重視されたんではないかな。だが、自分事化されたから、飲まなくなってしまったというネガティブな面について考察したのだろうか。
ブランド調査の時点で、ネガティブワードは確実に出てきているはずである。
そこから、どんなインサイトを得たんだろう。
読み間違ってない!?

いや、だからこそ、直接的な課題解決が難しい事態になったのかもしれない。
うん、オジサンたちの世代だと「体に悪い」というイメージがある。カウチポテトにコーク、それが象徴的なワードである。
カロリーの問題は「ゼロ」で解消したはず。
だが、ここを突っつくよりは、過去の清涼体験を喚起することでコーラを、衝動的に飲みたい方向に持って行ければラッキーである。

・・・。
しかし、折悪しく日本でも食の問題が事件として拡大しつつある最中。
(マクドナルド、廃棄したはずの食品が流通する、信じられん・・・)
安心安全が前提となる今、コーラを口にする理由に「安心安全」はないのだろうか・・・と。
まず無理だろう。
コーラの原材料は「超極秘」だ。安心安全を訴求できない(根拠が提示できない)。
飲み続けると良いことがあるのかというと米国消費者団体の絡みで、藪蛇である。
エナジードリンクとは別物である方向で、カフェイン飲料のリスクから遠ざけておくべきだろうから、日本でも訴求表現には気を付けないとダメだ。
そうなると、誰でも飲める嗜好品的なモヤッとした感じしか表現的には残らない。

結論は同じか・・・。

2016/01/19

WatsAppが広告以外のマネタイズというから

WhatsApp、完全無料化へ──広告以外のマネタイズ方法のテストを開始 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1601/19/news057.html


この記事を読むだけでは、新しい方法という中身が分からない。
もし、企業側の公式アカウント課金ならばLINE@と同じもので、新しいというには今二つである。現在、二年目から利用課金している所から、ずっと無料になる部分は広告課金していれば無料であるサービスがあることを考えると、それ自体の評価も難しい。

トラフィックフィーとか企業側への課金スタイルが変わるのかもしれないが、ネットの収益は「広告」「課金」「EC」の3つしか存在してないよね~という基本原則は変わらない。企業側に課金するのは、ユーザ課金が当たり前だった頃からすれば、新しいと言えるかもしれない。
企業が負担することによって消費者が無料で利用できるサービスは、企業側にメリットと負担できるコストである場合に限った場合は会員サービスなどの特典になるし、採算性を度外視した社会貢献(CSR的な)事業であったが、これを一般利用者にオープン化するところはネットならではの低コストが活かされているのだろう。

テストの経緯をしばらく見守ろう。

2016/01/15

デジタルマーケティングトレンド2016

江端さんと鈴木さんが煽っているので、書いてみようかと。
少なくとも広告とデジタルの重なる領域では、ちょいと長く生きている生物だし。

元記事はこちら

2016年、デジタルマーケティングのトレンドを占う
 http://www.advertimes.com/20160114/article214790/

マーケターは自らの決意表明として、新年に「予測」を語るべきではないか。
http://www.advertimes.com/20160114/article214656/

江端さんの方は大学の先生的な過去からのまとめ、そして展望。
鈴木さんの方は企業のリーダーらしいビジョン。
それぞれの個性が出ていて刺激を受ける。

そういう考え方もあるんだ~ということで、だから?と自分を振り返ってみると、大体の人は関係ない世界の動きにしか感じないと思う。
実際、マーケティングの話自体、普通の人は気にしなくても給料は貰えるし出世も出来るのが現実だ。これでも、1000人以上に教えてきているが、実感でもある。

それよりは、手っ取り早く今年から起業して一攫千金を狙えるネット広告ビジネスが「何か」知りたいだろう。
うん、それが分かれば波乗りペンギンこんなことしてないっつーの。

閑話休題。

もう一つ、記事を紹介。

2016年広告マーケティング業界7つの予測
http://g-yokai.com/2016/01/20167.php
http://g-yokai.com/2016/01/20167-1.php

こちらは横山さん。
具体的に分野が書いてあって課題も提示されていたりするので、デジタル系の広告関係者は受け入れやすいかも。

ここまで記事を読んだりすると30分くらい時間が掛かっただろうか。
安心して下さい、無駄にはならない。
つうか、これくらいの内容なら専門用語が分かんないとか言ってたら、将来が不安になるので、今からでもフォローしておこう。(業界内でも不勉強は多い。まぁ、その場では笑って説明したりスルーするが、確実に蔑まれるぞ。)

以下、見解。

たぶん、今年は停滞期。
一つはアドテクで高度な処理が可能になった分、人間が追い付いて行けなくなっている。
DMPとかマーケティングオートメーションとか言葉は定着したが、運用できる企業(売上)規模のある会社は少ない。約170万社あるうちでも、数百社程度だろう。
人財が足りないというより、育成する環境がない。しかも、これをマネジメントする側に至っては絶望的な数になる。
最先端事例が幾つか出たとしても、全体から見れば無いも同然でしかない点を考慮すべきだろう。

もう一つは、効果効率を追求した過去10年の負債が重くのしかかってくる。
いわゆる焼畑のツケね。
極限までCTRが下がったのをアドテクで底上げしたんだが、生活者心理が広告自体を忌避して効果効率は、タダ下がる。ネイティブ広告とか旧来のインプレッション型で持ち堪えつつ、新手法や技術を投入するも相殺される。

こうなってくると、投機的なインターネットを使うよりも、既存の4マスで手離れ良く広告する方がリーチも稼げるし手間もない。
なんなら、4マスを通してのインターネット広告という方法もある。
という、ベタな流れが起きそう。

実は、統計的に信用できる調査結果が無いので、困っているんだけど、国内企業(中小零細も含め)の400万社弱は過半数が自社サイトを何らかの形で持っているらしいが、これを活用しているのは半分以下みたい。(ネット広告までやるとか1割もなくなる)
この辺りの現実って、誰も見てないのかな。

以上

追記 2016.1.18.

動画はどうなの?という事も追加。
某ITベンチャーの社長が「動画が来るぞ~」という狼少年伝説に終止符を打つ意気込みらしいが、コンテンツを作るってのが難しいと思うのよ。
ケータイの頃から動画とか変遷を見ているんだけど、スマホで画面は大きくなったし高画質にもなったのだが、「それって、小さなテレビ」に過ぎないのよね。
トリプルスクリーン再びって感じだけど、消費されるコンテンツが同じものである限り、広告媒体としてはリーチ単価が安いものに勝てない。
だから、オリジナルコンテンツだの6秒動画だのとUGCが中心に蓄積されてきたんだけど、これって動画に限らずネットコンテンツは個人がベースなのよね。
これを商業ベース(広告収益化)で全部持って行ったのがグーグルで、人の鎖化して持って行ったのがフェイスブックだ。LINEは塊魂かな。ほれ、周りにいる友達をゴロゴロっと絡め取って圧着していく感じで、雪だるま化して大きくなったところを、スタンプ注射でエキスを吸い取る感じ。あ、横道逸れた。

動画の制作費用が低廉化されても、作り手側のレベルが観賞に耐えられるほどになるのは望めない。スクープ映像とかおもしろ動画までで、これだとカット割りがなくてブレてても粗くても耐えられるよね・・・という所だ。
では、スマホ専用のコンテンツを作れば良いのか?というと違うと思う。
出発地点がスマホのコンテンツであって、商業的には映画やイベントにグッズとかマルチ展開が必要なんだと思うよ。いや、どうコスト考えてもスマホだけでペイできる座組みって無理あるでしょ。コンテンツですらLTVなんだから。

以上



2016/01/13

BtoBだからってWebはWeb

お客様との対面販売が中心のBtoB企業でWebをどう活用すべきか? クボタのWebマスターに聞いた | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/01/13/21644

最近珍しいインタビュー内容。
効果効率とかPDCAとか、マーケティングオートメーションとか、なう(死語・・・)で最先端な話じゃなくて、地味とも思えるスタンダードな話だ。

今回は世界でビジネスをする企業としてのグローバルサイトのリニューアルについて。
似たような話だが5年前に、三菱電機さんの講演を思い出した。あれ、クローズドだったかな…。まぁ、いいや。

BtoBというのがタイトルにもあってフィーチャーされているが、別にBtoCでも同じだと思うのね。家庭だって、財務省(多くは配偶者)の承認がないと買えなかったりするところは、企業の決済と似たり寄ったりだ。(現代の若い夫婦は違うんだが、それを言うならベンチャーもだ)
買うべき理由があれば、調整して購入するのだ。

さて、企業サイトは管轄の部署によって色付けが変わってしまうもので、広報宣伝主体だと営業色が薄くなりブランドを打ち出していくことが多い。
目的ありきなので、良いも悪いもないと思うが、どんな人が何のためにサイトへ訪れるのかに合せてコンテンツを提供するというのは大事だと思う。
何でもかんでもWebちゅうのは、オカシイ。

たとえば、クボタの場合パイプなどがWeb活用には向いていない製品です。パイプは、基本的に規格が合っていれば、必ずしも製品の特徴などを念入りに説明する必要はありません。規格をしっかり探せるほうがお客様にとっては重要なことです。また、お客様の数も限定され用途も一定の製品の場合は、ウェブではなく直接お会いするほうが大事です。
そうね、役割があるので切り分けは大事。(割り切りともいう)
コンテンツマーケティングと代理店に騙されて、農家のお米インタビュー記事とか載せてても意味はない。
あ・・・。いや、CSR的な観点から必要性はあるかな・・・。(コホン)

ボロが出てしまたので切り上げよう。



2015/12/22

なんだか、日本より米国に見られているらしい件


ここ一ヶ月、米国からのアクセスが多いのはボットなのか?
それとも、某情報局のスパイダーが情報収集しているのだろうか。
ブロガーの統計情報(アクセス解析ページ)を見てて不思議に思った次第。

おかしい、日本語でしか書いてないのに。
しかも、日本語ネイティブですら読みにくい文章だしスラングも入れてあるから、機械翻訳し難いはずなので、ボットだろうと推測する。
だとすれば、ロシアが今月からアクセスが伸びているしドイツもあるのもボットだろうか・・・。
もし、ボットでないのなら、日本人ですら読者対象としているのはWeb広告関係者(とボカしておく)の玄人さん向けなんで不思議な感じがする。
誰か海外に飛ばされてたっけ・・・?

そういえばGAで見てみればいいじゃないか、という事で確認したのがこちら。



うん、ボットだね。
というオチ。

2015/12/21

動画の中にテレビを入れてしまえ、という話

テレビ受像機は流行ってないけど、スマホやタブレットが主流なんだよ。
旧世代は、テレビ≠動画。
ネット世代は、動画テレビ。

新しい視聴計測で、テレビは「おばさん化スパイラル」から抜け出せるか?
http://www.advertimes.com/20151221/article213195/

同じことを書いても、影響力がある人が影響力がある媒体でバズらせると違うなぁ~。

それはさておき。

他にも、ラジオがあるよね。
ラジオ受信機は見たことが無い若者が多いけど、スマホでradiko.jpは聴いてたりする。
同じ波媒体として、先行事例にならないのかな。
見逃し番組とか、過去のアーカイブとかよりも、ネット放送の方がインパクトある(分かってても、出来ない事情があるのは知ってるけどさ)と思うのよ。
随分前から、「マルチソース・ワンユース」(テレビやラジオや新聞ニュースや漫画などのコンテンツを、一つの端末で視聴読するようになる。)という言葉を使っていた。
この発想でコンテンツの制作から配信までを組み直すように言ってたんだけど、誰も受け付けてくれないままに早十数年。
気が付いたときには手遅れになるのがネットの世界だが、大丈夫かな。

※ネット放送
テレビと同時刻でのインターネット配信をする事を、ここでは指している。
一見簡単なことのようだが、システムやファイルフォーマットよりも出演者や制作者の権利関係整理が難しい。ネット放送は契約に考慮されていないからだ。民放においては、CM(広告)の問題も出てくる。
海外のタレントを使用している場合、日本という国内に限った契約もあるため、インターネットでは流せないケースも十分想定される。

うーむ。

2015/12/18

特商法改正案でネット広告規制は回避へ

EC事業者はホッとしたのと同時に、事の発端になった消費者からの苦情の内容が、通販じゃなくて広告業界とか媒体社に大きな課題をけりつけた感じ。一旦記事を読んでみて欲しい。

モールやネット広告などの規制が強化される特商法改正案…今回は見送りの方向へ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/2416

ちなみに、内閣府消費者委員会特定商取引法専門調査会が審議しているのだが、資料が閲覧できるので見ておくと理解が深まる。
議事録が現時点(2015年12月18日)で掲載されていないので、記事にある方針の決定は確認できていない。

さて、ここからは記事でしか確認できない部分もあるが、ポイントは編集側が黄色いマーカーを引いてくれているので十分だろう。
そのなかでも、同様に「公益社団法人 日本通信販売協会 佐々木 迅 氏」の資料から引用するが、

2. 虚偽・誇大広告に関する取消権について
(1)立法事実の有無
 第1回の専門調査会において指摘した通り、PIO-NETデータにおい
て、通販の苦情相談25万件のうち7割がネット通販に関するもので、さら
にその7割はアダルトサイト情報、出会い系サイトに関するものであり、い
わゆる物販を中心としたネット通販は約5パーセントにすぎないこと。
この部分で、苦情の原因はアダルト系の広告でありEC事業者は違う!と指摘しているところだ。
もちろん、大半のネット広告事業者(広告会社、広告配信会社、媒体社)は、真っ当な広告なんだが一部がエロエロになっているわけで、お鉢は広告側に回ってくる。
しかし、エロエロな広告は業界団体に加盟してるわけでも、独自で組織を持っているわけでもない。

どう、対策すんのさ?
と、この後なる。

ステマやネイティブ広告とか、他の業界の人には違いなど判らない。ネット広告=悪、ぐらいに思われているはずだ。
もっというと、産業規模的には無くなっても構わなければ、既存産業界から見ると潰れてくれた方がスッキリするわけで、ネット広告自体が問題だよね~って話になるじゃな~い。
まぁ、何度かなっているわけだけど、特商法だけでなく、迷惑メール2法、個人情報保護法とか、外堀を埋められている。
次は、ネット広告そのものを縛ってしまおうとなっても、不思議じゃないんだよね。