2015/02/02

業界人間ベムの恒例広告業界予測2015-動画

オンラインビデオマーケティングの本格化と日本版MCNの登場–—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から by 横山隆治 @ryujiyokoyama #アドタイ
http://www.advertimes.com/20150202/article181159/

続き物らしいので、続けて取り上げる。
日本の動画広告は数年先にならないと盛り上がらないと踏んでいるが、その理由を海外の状況を交えて解説されているので、とてもありがたい。

蛇足に過ぎないが、海外と日本、特に欧米と日本では「動画広告」に限らず、ロジックがちゃんとある広告戦術としてネットが利用されているという部分が、最も大きな違いじゃないかと思っている。

確かに効果やコスト管理の部分は大事なんだけど、「ブランドにとって最も顧客と密接になる」というメディアやコンテンツの使い方って、目的や戦略が明確なだけでなくビジョンが無ければ筋を通せないのよね。
新しいメディアの登場や手法の開発で、その是非を判断するのって、未知の場合は判断のよりどころが必要だと思う。
この辺りに、日本のソフトバンク(モバイルの市場)が台頭した勝因だと思うのね。
もちろん、クリエイターも尋常じゃない(孫さんと激論するくらい)ハイレベルな人材だったのもあるけどね。

で、動画コンテンツを作るのが先か、動画広告を作るのが先か、という状況しか国内は見えていなくて、そもそも顧客に対するブランドのスタンスが明確になっていないので、何も決められていないというのが実情ではないか。

翻って広告を売る側の広告会社、作る側のプロダクションも難しい問題がある。
視聴者をデータで見ることができるんだけど、実体をイメージできる人が少ないのよ。
テレビとか雑誌って、物質的に存在するうえに「テレビ見てるな」とか「雑誌読んでるな」というシーンは生活で沢山触れるチャンスがある。
ところが、年代が上がるほど、スマホで動画を見るとか検索するとかゲームするとか、自分がやったことが無い部分だと実感がわかない上に、スマホの画面は見られないので何をしているか認識できない。
これは、若手クリエイターが登場するチャンスだと思うので、今後に期待したいところだ。

さて、ネットによって情報はオープンなものになったが、ユーザ動向は見えなくなった。
ログから視聴の詳細は分かるんだけど、それをトレースしてPDCA回して改善するだけでは、期待を超えたり新たな提案というビッグアイデアは生まれ難いと思うんだ。
やはり、データは在りながらも「面白い」「感動する」という感情を大事にしないと
つまらない(広告を見る側も、関係者も、業界の将来も)と思うんだが・・・。


2015/01/30

来るのか?ウェラブル

2015年はウェアラブル元年? ウェアラブル端末は社会をより良くするのか by 江端浩人 @hirotoebata  アドタイ
http://www.advertimes.com/20150121/article180569/

江端さんのコラム。
うーん、みんなはどう思っているのかな。
波乗りペンギンは、アップルウォッチ次第という気がしてるんだけど、それでもウェアラブルが必要とされていると思われる事業に浸透するのはかなり先だと思う。
やはり、グーグルグラスの一般販売中止は痛かった。

とはいえ、ヘルスケア方面からウェアラブルが浸透する気配は感じていて、ガジェット好きのエンジニアとは話が弾んでいる。
その延長で腕時計型のアプリ機能が可能なタイプに限って、日本のアプリ開発事業者はチャンスがあるんじゃないかという話をした。
大きさはガラケー時代の小さな画面と同じくらいだし、結構ノウハウが使えるんじゃないかという事。
そして、小さい画面で機能が少ないから「チラ見程度で使わない」という海外の識者たちの記事を見るにつけ、「いや、日本は違う!」と思っている波乗りペンギンはチャレンジを勧めたのだが、実行に移すかどうかは分からない。

2015/01/21

業界人間ベムの恒例広告業界予測2015

データプロバイダーによるエージェンシー設立・買収が始まる——業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から by 横山隆治 アドタイ
http://www.advertimes.com/20150119/article180007/

横山さんの予測は、業界で参考にする人がたくさんいるので今更のネタだろう。
つーか、この予測に何か言える業界人が少ない(僅かにいる)のだけどね。

で、この記事を読んで真っ先に思い出したのが、経営コンサルがマーケティングから切り込んで、広告業界に進出しようとしたができなかった件。
その後、アクセンチュアが果敢にメンバーズと提携して、Web業界に進出したが知らない人が多いよね。

経営コンサル会社が広告会社と戦えなかった原因については、各社色んな見解があったようだが、数社のアソシエイトクラスの方と話した(10年以上も前になるが)記憶をたどると、「クリエイティブ」分野が全く攻略できなかったところにあると聞いた希ガス。
財務や販売などの業務基幹系の分析から戦略立案、その辺りは広告会社が全く歯が立たないんだけど、お互い様だね。

脱広告会社とか波乗りペンギンもネタとかタイトルに使うが、具体的には「何から」離脱しなきゃいけないのか解放されなきゃならんのか、コアなところが問題で、裏返すと広告会社の真の存在意義(コア・コンピタンス)って何なのかという、青臭い話が必要なのね。
それがあっての、次世代であり進むべき道だと思うのよ。
青臭い議論が無いままに、理念とか理想とか作ってしまうと、現場とのズレがハンパないのね。経営側と社員の意識の摺合せが出来てないって事ね。
これは置いといて・・・。


話を記事に戻すと、データプロバイダーが進出してきても同様の結果になると思う。
まだ、Webだけで完結する会社は多くない。
レッドオーシャンに突っこんできても、攻略に時間が掛かれば企業体力は削がれ、マーケットがシフトする。
データプロバイダー以外からの侵攻が厳しくなったりしてね・・・。


ネット社会の2015年の行く末

2015年のITトレンドを探る--ウェアラブルと個人情報、「チラ見メディア」など ZDNet Japan
http://japan.zdnet.com/article/35058896/

新しい仕事や顧客を探している営業や、会社の方向性や投資などで迷っている経営企画部門の人は、見通せる未来があるなら知りたいはずだ。
残念ながら、無いんだけどね。

その代わり、シンクタンクや企業から未来予測やトレンド情報を漁って、より確度の高いものを探し出そうとするわけだ。
ソフトバンクの孫さんの様にセンス(もはや第六感とも思える目利き)があれば、良いんだけど・・・ね・・・。

さて、Facebookが日本で定着したり、LINEが登場して国産SNSはゲームプラットフォーム化して低迷したり、予測なんて不可能な展開が続いている。
でもね、社会全体からしたら一部分の話であって、世界からすると極東の一部地域の変化であって、人類への影響は大きくなかったりする。
未だ、インターネットを使わないor使えない人々は多いのだ。
え?ネット上のことだからオフラインは関係ないって!?
いやいや、o2oとかIoTとか、オフラインの取り込み段階に入ったんだ。
知らず知らずにオフラインだと思ってた世界が、オンライン上に乗っかってたという話はあるぞ。

その筆頭にセンシング技術からのインターネット世界は期待できると思う。
時計型の端末とか、身体データの計測は波乗りペンギンですら使っている。
今使っているのはディスプレイが無いけど。

はて、記事ではチラ見メディアとして時計型端末が取り上げられているが、小さい画面で情報が伝わるんだろうかと思った人は鋭い
なんと、十分に伝わる。
過去の実績事例だと「ポケベル」「ガラケーのモノクロ2値時代」があって、現在の想像を超える制限の多さと画面の小ささだった。
もはや数字を文字に置き換えてコミュニケーションするなどという暗号みたいな情報のやり取りは、人間の適応力だけでなく想像力と応用力に驚くばかりだ。
この話を続けると本一冊書けそうなので、止めとこう。
若い方たちは知らない時代だと思うので、ググってくれ。

広告関係だとメディアが深い関係にあるので、その辺りの見通しは欲しいところだ。
「揮発性メディア」とか「チラ見メディア」など翻訳者が苦労したんじゃないかという日本語があるが、「継続的注意力断片化(Continuous Partial Attention)」が起きるという話になっている。説明は記事に譲るとしよう。

状況的には、日本だと起きていると思う。
普通にある程度の企業に勤めている人なら、
・会社のパソコン(デスクトップ、ノートブック)
・会社のモバイル(ガラケー、スマホ、タブレット)
・個人のパソコン(デスクトップ、ノートブック)
・個人のモバイル(ガラケー、スマホ、タブレット)
最低でも4つ、下手すると8つの端末を日常的に使っている可能性も高い。
これに、テレビ見たりとか既存マスメディアからの情報入力も合せると、常に複数のメディアと端末から呼び掛けられている状況だろう。
それはニュース速報だったり、業務メールだったり、友人からのLINEかもしれない。

そんな消費者とどう相対すべきなのか?
このあたりの考え方なり方法論が今後出てくるだろう。

あと、某外資系企業の方とミッチリ懇親したんだが、
面倒な分析系がワトソンによって誰でも見やすく分かり易くなる可能性があるそうだ。
これくらいは言ってもいいんだっけ??
データサイエンティストの卵、統計学の分かる人たちの価値が高騰しているようだが、数年でお払い箱になるかも知れない。
大事なのは、人工知能が出来ないことをやれるスキルなんだよね。
領域的には少なくなりつつあるけど・・・。

2015/01/13

消費者目線ポイント付与?あったっけそんなもの・・・

消費者目線でポイント付与できていますか? 満足度の高いポイント、3つの特徴:MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/21728

記事は登録者しか後半が読めないので、記事から連想したいろいろの話に変更。

ポイントはスタンプもあれば電子ポイントもあって、銀行が狙っていたポイント市場(※1)は「トンビに油揚げ」的な感じだったと思う。

※1 預金、クレジット、ポイントの3つの機能を一枚のICカードで管理するスーパーカード構想って、聞いたことないかな?あ、20年前だから知っている人がいないか。


もともと、ポイントって何のためにあるのか?という話から始めないと、人気のポイントブランドと交換やら使い勝手の話に終わって、リアル系のベテラン販促担当者にすれば「ネットのポイントってバカなの?消費者舐めてんの?」と思うだろう。
まぁ、深くは知らなくても生きてはイケる。

ポイント制度はキャンペーンだと、一定の数量を顧客に買わせるため。常時だと離反や離脱防止。ンなところだと思うだろう。
いやいや、別な発想がある。
お得意様還元ツールなのである。
たくさん買ってくれたり、毎日買ってくれるお客様に、ポイントをタグにして可視化するんだ。そして、割引や無償提供という特典(ベネフィット)をお戻しする。(FSPね)
いつも、儲けさせて頂きありがとうございますって感じね。
昔はポイント書いた紙切れ(ブルーチップとか)、紙のカードへのスタンプ押印、と消費者側も分かり易かったんだけど、今はポイントが体感し辛いんだよね。


で、ポイントの発行って簡単にできるからってバンバン付与したりすると、消費者がポイントを使い始めると会社の利益を圧迫する。
ポイント還元用の引当金問題とか、有効期限とか、ポイントを発行していた事業者は天に唾吐いた時期があったっけ。
たぶん、何のためのポイント発行なのかという原点が企業担当者も希薄になっていたはず。だから、ポイントを集めると割引クーポンが貰えるとか、現金になるとか、何でもアリになったんだろう。

デフレ脱却とか言っている政治家がいるけど、値札だけの問題じゃないのね。
年功序列じゃない会社も増えてるし、そもそもパートやアルバイトは時給換算だったりして、景気に関係ない人も増えている。
今は、ポイントって、単なる特典とかオマケというより、生活費の一部として使われてるような気がするのよね。

2015/01/09

モバイル広告のRTBやProgrammatic Buyingが急成長していないらしい

たまにはのネタなんだけど、某SNSで交わされていたトピックから。
なのでリンク先はナシね。
結構業界では著名な方がやり取りされてたんだけど、コメントするタイミングを外したので、こっちで書いてみることにした。

成長の度合いは海外との比較、たぶん米国だろうと推測。
コメント入れて確認したかったが議論が進んじゃってたんだよね。
ちなみに、日本のRTB市場についてはCAが推計を発表している。
これによると、

RTBを経由したディスプレイ広告は、2012年の普及開始以降、PC向けの需要を中心に増加してきました。2014年に入り、スマートフォン利用者数の継続的な拡大を背景に、需要が急増しています。これを受けて、大手事業者によるスマートフォン専業DSP事業への参入が相次ぐなど、スマートフォン向けのRTB広告需要を取り巻く環境は急速に変化しており、スマートフォン向けRTB広告の高い潜在性が見込まれます。RTB広告の需要は拡大を続け、2017年には1,023億円に達すると予想されます。
てなわけで急増していると単語があるんだが、真向否定なトピックなわけで、波乗りペンギンはタイミングを外して議論に入れなかったことが残念でならない。
 まぁ、日本の広告費(電通)も同様の話があるんで、統計上の問題と体感は永遠の課題だったりするが、立場によっても感じ方が異なるので置いておこう。

さて、今回のトピックは「モバイル広告のRTBやProgrammatic Buyingが急成長していない」という事なので、思ったより伸びない事の原因は何かという話になってたわけだが、広告主、広告会社、RTB事業者・・・みんな立場と視点が違うんだよね~、結論はまだ出ないようだ。

実はこの点だけを話しても埒はあかないと思っている。
米国と日本、文化や地政学的な問題から条件が全く異なるし、経済規模や事業者も全く異なる。日本がガラパゴスなのは携帯だけの話じゃない。
とはいえ、何がしかの理由が欲しいわけで、ここで話の腰を折ったって意味はない。

そもそも、ネット広告も米国並みに伸びたわけじゃない。
伸びたにしても、そもそも市場規模が違うのでレバレッジの利き方が違う
米国の広告市場の10%も占めたら、金額的には日本の広告費全部と変わらないので、投資金額や人の動きなんか比較にならない。
あっちの方が有利なんだ。
経済大国第三位に落ちたしな。
環境が違うというのが一つの答えだと思う。

他に、人材の問題もある。
日本だと専門スキルを持って転職してキャリアアップするって多くはない。
しかし、欧米は人材が流動的だし雇用も対応している。
業界や団体で職種や能力の定義がされ、育成や認定なんかも数年で整備される。
(英語のできる人はググって調べると良い。iabあたりを見てみれば・・・)
マーケットが拡大する環境をちゃんと用意してたりするんだよね。
日本はそこに人員と資金を提供したり、協力する関係が薄いというかない
社内育成で囲い込むというか、育つ前に使い潰してしまうというか、愚痴になるので止めておこう。

特に関係ないと思うのは、広告主や広告会社がメリットを感じないとか効果効率の話。
検討の材料に上げられるほど、まだ、モバイルRTBとか注目される存在じゃないんだ。
裏返すと、イメージで注目して貰えばガンと伸びるわけだ。
決裁権を持っている偉い方たちは、マーケの専門家ではない人が多いからね。
・・・あ、言い過ぎたな。

2015/01/08

Webプロダクションが嫌われてるって!?

Web業界とEC業界はまったく違う――そのギャップがEC事業者と制作会社の仲を悪くしている? | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/01/06/1901

ECの世界に広告系の会社が絡むと話が合わないという事なら意味が分かる。
記事の内容も、そこまでセンセーショナルなことは書いてないというか煽ってない。
うーん、残念だ。(笑)

別にWebの世界じゃなくても同様のことはリアルでも沢山あるわけで、
お互いの志向と経験値が合わなきゃダメなものはダメなもんです。
小売流通、不動産、医療、美容整形など、業種が違えば要求されることも実施する内容も、同じ広告というカテゴリーでも全く違う。
何しろ、その業界専門のプランナーやらコピーライター、デザイナーが生計を立てて行けるぐらい深い。
それぞれ営業として担当したことがあるけど、世界が違い過ぎて慣れるのすら数年かかったよ。

例えば、スーパーだとチラシね。
こんなデジタル社会でもチラシは未だに相当のお金を掛けられているし、配布する地域だって店舗に至る経路計算(いわゆる商圏の割り出し)から世帯分析(家族構成やら世帯年収とか)までしてるんだが、ネットが登場する前からやってたしね。もち専門アプリケーションだし、統計情報てんこ盛りだから、広告会社でもSP担当じゃないと見たことないかも知れない。
医療や美容整形は、法令で表現してはいけない事や禁止されていることがあるので、新聞や雑誌など媒体の厳しい審査を通過するノウハウも必要だし、通報されない(刺されない)様にギリギリを攻めたりする。

てなわけで、業種によって必要な知識と経験がなきゃ通用しないのはネットもリアルも同じだ。
あれ、前回もそんな話を書いたような・・・