2014/02/10

広告代理店は死滅する!?

【横山・有園・菅原鼎談・後編】データマーケティング時代に広告代理店が生き残る勝機とは?:MarkeZine
http://markezine.jp/article/detail/19169

日本で第三位の広告売上である広告会社の役員までした人物がおっしゃるのだが、望まれるスピードでネット対応という変革は行われていないという事でしかなくて、潰れる前に再編や統合によって生き残ってしまうのが大手でもあったりする。
身も蓋もないが。

で、一言で言い表している個所が、横山氏が冒頭で言ってること。
マスメディアの広告枠を売るための構造に、企業の仕組みがなってしまっているのです。「枠から人へ」という観点から言うと、このような総合広告代理店の業態は、変わらざるを得ないでしょう。
これを読んで、「そうだね~」とか「そうなんだ~」とか思う人もいるはずだけど、波乗りペンギンは最近本を読んで見つけてしまったんだ。
ネット時代に始まった話じゃないんだってこと。
嘘だと思うなら読んでみ。
・ダイヤモンド社 「マーケティング発想法」セオドア・レビット著 土岐坤翻訳
残念ながら絶版なので中古本を探すか、図書館にしかないがな・・・。
1972年刊行なので、実に40年以上も前だ。
当時はインターネットは無かったけど、コンピュータの登場やマスマーケティングの問題なども、現在と変わらない課題が書かれている。
スゲーよ。

日本マーケティング界の御大が、波乗りペンギンに事も無げに話していた背景を、10年以上かかって垣間見た気がしている。
温故知新。

という事で、テクノロジーは急激に進化しても、人は変わらない。
その人へシフトしているというなら、変わるべきはテクノロジーの使い方でしかない。
ターゲットへの到達効率や投資対効果よりも、「伝わったのかどうか」がメディアについては大事だと思うワケで、「何を伝えるのか」という根幹の課題をテクノロジーが解決するわけではない。

2014/02/03

翻弄される大企業、ドコモに任天堂

携帯シェア低下止まらぬドコモ グループ再編も回復策見えず (1/3) - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1402/03/news045.html

「Wii U」は何が問題なのか 任天堂挽回へキャラクタービジネスも選択肢に (1/3) - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1402/03/news053.html

当事者にとって、外野がどーのこーのは聞く耳持たんという事だろうが、その周辺で生きている会社にとっては、死活問題だ。
ドコモも任天堂も、その大木にしがみついていると美味しい樹液(収入)が得られていたわけだが、枯れてくると虫たちも逃げ出してエコシステムは回らなくなる。
ただ、共生関係にあると逃げようにも逃げられない。合掌。

ただ、両社は対照的だなと思う。
ドコモは主軸の端末販売と通信料収入から、軸足を移そうとしている。
任天堂はゲーム専用端末でのソフト一体販売で踏ん張る。
どっちが正解というのは無い。企業は生き残ってナンボである。
中の人達は大変だが。

さて、両社とも広告会社とのつながりは多層的に持っているが、広告業界的にはメッキリな感じだ。まぁ、CMはたくさん出しているという事はあっても、いろいろな取り組みが・・・ね。
仕掛け続けないと、マグロと一緒で止まれば死ぬ。
かといって失敗とか考えナシに動ける人材が残っているのかというと、そこが問題じゃないのかな~と思う。

2014/01/28

スマゲーを支えているのは中年だっ!

スマホゲームを長く遊ぶのはファミコン世代、ニールセン調査 - ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20140128_632665.html

調査結果から、
18歳~34歳ではSNS利用時間のシェアが最も高く29%を占め、ゲーム利用時間のシェアは12%だったのに対し、35歳~49歳ではゲーム利用時間のシェアが最も高く20%を占めていました。
可処分時間は若者の方が多いが、可処分所得は独身中年の方が多い。
そして、コミュニケーションの中にゲームがある若年層とゲームの中にコミュニケーションを求める中年層が見えるような気がする。
課金ゲームの社内データを見ればわかるんだろが、個人情報保護により厳重に隔離されているから、汎用調査結果で推し量るしかないのが悲しいけど、仕方なし。

さて、次の図。

不可解なのが50%がその他なんだけど、コレハナニ!?
メールやメッセージ、ブラウジングなのかな。
あと、気になるのは、オフラインでの使われ方なんだよね。
最近のスマホゲームでさ、例えばモンスターストライクとか、リアルに集まって協力プレイとかあるでしょ、スマホをネタにしたコミュニケーションが鍵を握っているような気もしている。あ、ガラケー時代もあったからなんだけどね。
ただ、想定されたシチュエーションと現実は違うのが、ネットの世の常だが・・・。
オヤジが若い娘を口説くツールで使ってたりして。

【追記】同日

スマホゲーム、黄金時代に 成長支える日本の流儀  :日本経済新聞
http://s.nikkei.com/19FUFpK

新さんがちゃんと書いているので、こっちもチェック。
やっぱ、パチンコの件を出したか。
ガラケー時代に目の敵にされたのは、時計メーカー、自動車メーカー、パチンコだったんだよね。 他にも、ガチャの辺りは据置ゲームとか、まぁ、いろいろ言われたもんだ。

でも、ガラケーがスマホの時代になって、まぁ、次の時代もあるわけで、企業は潰れずに生き残れれば先はある。
もちろん、その企業に在って自分がリストラされずにいられるかは別だ。

2014/01/22

クロスメディアとメディアミックスは違うの?

はい、違うんだな。

メディアミックスはメディアプラン上の話に過ぎない。
リーチや効率を最大化させることだ。広告主に対してと言った方が良いだろう。

一方、クロスメディアはターゲットに手を変え品を変えて接触することだ。
そこには購買や行動をさせることが目的になっている。
生活者に対して、どうコミュニケーションするかという話になる。

なんで、こんな話を引っ張り出してきたかというと、ネット広告では見掛けない話の一つだから。
アドテクの話とか、周辺技術にフォーカスが当てられてて、広告の話がどっか行っている。だから、生活者にも広告主にも必要悪的な受け取られ方をされちゃうんだけどなぁ。

2014/01/20

ウェアラブル端末への期待

ウェアラブル端末、本格普及は“Apple待ち”? 新製品が続々登場もまだ魅力不足 (1/3) - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1401/20/news062.html

別のWebサイトに寄稿した際にも記述しておいたのだが、マルチデバイスは定着した後にウェアラブル端末がやってくる。
ただ、スマホやケータイの超小型化したものという発想ではない。
ま、ページの関係でグダグダ書かなかったが、現段階ではセンサーで人間側の情報を収集してスマホを通じてクラウドでデータ蓄積と分析、結果レポートをスマホのアプリで管理したり改善の指示設定をするようなものを想定している。
活動量計の「UP by Jawbone」を想像して貰えばいいと思う。

スマホによってタッチ操作とビジュアライズは大きく変わった。天才ジョブスによるマジックに他ならないが、それでも情報の入力という点ではタッチ操作とは言うが、人間側からの入力行為が無ければ動かないというところは変わらなかった。
Siriによる音声入力もあったが、現時点で使っている人は多くない。
どちらかというと電子秘書を目指したが、道半ばといったところ。

次は、人の行動データに対してリアクションを返す方向に行く。
グーグルグラスも網膜への投射とか、ジェスチャー入力、音声入力が実現されているが、見た目はアウトプットの変化が大きく、インプットは現実問題として受け入れがたい方法だ。(※海外では受け入れられるところもあるだろうが、日本は無理。)
メガネをかけて、歩きながらしゃべったり、ウィンクしたり、オカシイと思われるだろう。まぁ、人目が気にならない人には関係ない話ではある。

現状はWebの行動解析は個人情報保護の関係で、特定の個人を複数のサイトやプラットフォームに跨った共有は出来ないが、技術的にはレコメンデーションにおいて精度は上がってきている。
単一のサイトなりプラットフォーム上であれば、個人に紐付いた形での情報管理は可能であることを考えると、マルチデバイスとはいっても組合せで新たなサービス創造や付加価値創造は可能性の幅は広がっていると思う。

物は試しと活動量計とスマホの連携は使っているのだが、ほほ入力作業なしで歩数やカロリーへ消費、睡眠時間と質など管理ができるのは便利だ。
これもセンサーによる情報収集で自動化されているからだが、他にも脈拍や体温などセンサーで収集できる情報が増えれば、もっといろんなことが可能になる。
スケジューラーとの連動で、時間の余裕がある時は、移動経路に徒歩の時間を多めに配分するとか。行き倒れそうになったらレスキューが向かってくれるとか・・・。
安心・安全には使えそうだ。

また、ItoT という話で、身の回りの物に組み込まれて連動する世界とかね。
インターネット冷蔵庫とか流行らなかったし、FeliCa連携の家電も微妙なんだが、センサー類が充実してくれば、ItoTも浸透するだろう。
ただし、人が使うという部分では時間が掛かるので、これを圧縮させる偉大なデザインなり革命が起きなければ、それまでだ。

波乗りペンギンは、2015年以降で発現すると予測しているので、次の時代がどうなるのかは今年から予兆があると睨んでいる。
もしかしたら、広告が広告でなくなる時代の幕開けかも知れないが・・・。

【追記】2014.1.21.
ソニー、テニスラケットに装着する小型センサーデバイス発売 スイングや球速を即時解析、スマホに表示 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1401/20/news115.html

パイオニアは、新規事業であるサイクルスポーツ事業の新製品「ペダリングモニターシステム」を去年9月に発売 
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_58480

なんか、こんな発想もあったセンサー連動。
テレビ東京のWBSで取り上げられていた。
ということで、リアルデータをセンサーで収集してスマホで見るという世界は、既に広がっていたのであった。すまん、遅れてた~、くぅ~。

【追記】2014.1.22.
「スマートな電動アシスト」に変える自転車ホイール
 http://wired.jp/2014/01/22/superpedestrian-smart-wheel/

パイオニアとは違うアプローチ。だが、こっちの方がパンピーには使えると思う。

2014/01/17

Webブラウズは死んだ・・・のか?

「PCの死」と「平等なウェブ世界の終焉
http://wired.jp/2014/01/16/death-pc-also-mean-end-web/

この話はスマホの登場で、アプリというプログラムの中にコミュニケーションが閉じ込められているという話から出ている。
いや、正しくはない。
PCWebだってJavaがあったし、UIで言えばインターフェースのフラッシュだって、htmlではないという事と閉じられている(プラグインが無ければ閲覧できないという事ね)と考えられる。(これはアンティの中川CEOの受け売りだ・・・あはは。)

html5でフラッシュのように表現することも可能になった(ゲームや動画といったもの)わけだが、一方で、Facebookがネイティブアプリにしなかったことをメチャ後悔したという話は技術的な問題だと思うんだよ。
ネイティブアプリかWebアプリかという二極の話ではないと思う。

むろん、googleがクローリングできないとかあるけど、アプリ内の広告配信は出来るわけだし、サーバーサイドの処理である点は最終的に変わっていない。
インターネットというプラットフォームで動いている以上、本質的なところや原理原則は変わらない。ネットを手に入れた人類は、後戻りはできない。
表層的な処理や行動は違って見えても、人が関わっている事には何の影響もないし、時間や金を使わせているツールであることも変わっていない。
ちょっとばかり、回路の配線が変わった程度のもんだ。

ただ、ポータルは死んだと言われ検索(もはやグーグルしかないと言える)だというが、ポータルの立場がグーグルの検索ページになっただけであって、Web行動の起点が無くなっているわけではない。
ネイティブアプリの場合は、端末のホームページが起点ではあるが、アプリをDLするにはアップルならiTunesApp storeだしAndroidならグーグルプレイだ。
行動起点をどう考えるかでも見方はエロエロ、いや、色々と変わってくる。ブラウザーは使われなくなるかもしれないが、代わりの物が別の形でカバーするだけだ。

でだ、iPhoneユーザーのブラウジングは、Androidユーザーよりもはるかに多かったという事があるんだが、これはどうしてかを考えると面白い。
なお、普及端末の割に・・・という話だよ。

Tizen見送り、あらら。俺は何も知らん。

ドコモ、「Tizenスマホ」の導入を当面見送り - ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20140116_631058.html

いろいろ俗説が流れているが、どれも尤もらしい。
どれ信じていいんだろうね。

やはり、お荷物という話は正統派的で納得したいところだ。

一方、ドコモの中でTizenを推進していたのが誰だったとか、引っ掻き回して金をドブに捨てたり迷走したりと、そんなお家事情は関係なかったのかな。
興味のある人はググると良い。ヒマならね。
知ったところで飯のネタになるわけじゃない。

さて、モバイルOSの第三勢力はキャリアにとって意味が無いことを認めたくなかったというオチだが、じゃあ何処へ収益源を求めるかというのが辛いところ。
これは、減収の補てんという意味だ。
ガラケーでは右肩上がりの増収だったのが、スマホによって踊り場に出された。
通信料は音声ARUPが落ち込み、データARUPが上がったと言っても、先が見えている。
永続的な成長は、人口が減って行く日本では、絶対無理。

そんで、コンテンツ課金やECという事になるのだが、何度失敗してもメゲないというか、資金体力に余裕があるのはうらやましい限りだ。
今回のニュースに合わせて、ドコモはdメニューでのコンテンツとEC強化に1000人を配転させるとか、いろいろ流れている。
うーん、でも、ゼロから積み上げて成功するネットビジネスの後発モデルなんて、成功例はあったっけ?下手すると、成功する前に市場自体がシフトするか消失してるんじゃないかな。

ということで、ドコモは圧倒的に強いと言われている法人に対するサービス強化が最もメリットがある筈なんだけど、コンシューマー部門との連携が無いので技術もノウハウも流れないから駄目なんだよね。(多少は異動で混ぜらるが。)
ポータル(dメニューの事ね)はiPhoneを売るという時点から先が無くなった。
だって、Android端末と違ってキャリアでプリインする裁量が少ないからね。
それでなくたってスマホになってから、キャリアへの強制導線は作れなくなっている。
加えて逝ってしまうと、Webブラウジングは台数の反比例してなのかiPhoneの方が圧倒的に多い。

LINEやバズドラが、大半の時間と課金を持って行ってしまっているので、対抗するサービスを開発するか違うカテゴリーで稼ぐという選択はあるのだが、インキュベーションはソフトバンクが圧倒的に強いうえに、KDDI(無限ラボ)には数年先を越されてもいる。
イノベーティブな(サービスやコンテンツを開発した)ベンチャーがいても、ドコモに出てくる幕はない。
子会社も不振、英断をふるう人材の不足(流出といった方がなっちゃんは喜ぶんだが)と、中は中で辛そうだ。

そんなドコモだが、iモードの時みたいに外部人材の投入をして、ウェアラブルデバイスとか資金体力に物を言わせたサービスを打ち出すしか活路はないと思っている。
もともと移動体通信事業者なのだ。
クラウドにしてもビッグデータにしても、無線通信という本業に根差したサービスを開発した方が良いに決まっている。健康サービスのi Bodymoとか、ポテンシャルあったのに・・・・なぁ。