2014/07/16

スマホ広告市場は低空飛行が継続へ

ネット・モバイル広告、スマホ向けを中心に堅調に推移、人材面の課題も浮き彫りに -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20140710_657253.html

さすが、INTERNET Watch である。目の付け所が良い。
スマホやタブレットが、どんだけ普及しても、それを使ってマーケティング活動をする人材不足が数年来継続している。
それは、予算があっても企業には使われないだけでなく、衰退したフィーチャーフォン市場の制作や広告の会社がつぶれて行って、モバイル広告・制作市場自体がシュリンクするって事だ。

え、スマホを使った事例は沢山出てきているって!?
いやいや、予算と人材を確保できる大企業が中心で、中小企業は無理なのよ。
単発チャレンジは可能でも、継続することができない。

なんで、スマホ広告・制作市場は基礎数字が伸びない。
ガラケーを上回るスピードで成長して良いハズなんだけど、メディアで賑わっているのは「ゲーム」とLINEなどのSNSだけだよね。
これから、まとめニュース系アプリとか伸びるかもしれないけど、広告主側からして自在対応が出来ないって事は、結末は変わらない。

どうして、こうなった・・・。
という話もチラホラ出ているんだけど、要因は沢山あると思う。

まず、スペシャリストが必要な深化、ゼネラリストが必要な水平化、が同時に起こっていることがある。
・マルチデバイス環境でのサイト制作、ログ解析、プラン作成。
・リアル連携の模索では、O2Oやオムニチャネル、マス広告も連動したキャンペーン。
・デジタルもリアルも面倒みられるクリエイティブディレクター、マーケターの不足。
まだあると思うが、思いつく大きな理由はこのくらいだろう。

一つのサイトを作るのに多くの専門家の協力が必要で、それを取りまとめられるディレクターは殆どいない。広告主側も、広告会社側も同様だろう。
そもそも、PCサイトですら一定のレベルで制作・運用できる会社は多くないはずだ。
在ったらあったで大企業広告主や広告会社が確保しているしね。

さらに、リアル(広告ではマスメディア、販促)との絡みになってくると、デジタル系の人は経験も知識もない人が多いよね。
まして、リアルも含めるとログ解析だけじゃなくてPOSやリアルメディア、扱うデータは当にビッグデータとなる。
PDCAを回すなんて可能なのか?という話にしかならない。
一つのサイトを作って運用するんだって、それなりの知識と技術がいるのにさ、それ以外にあれもこれもなんて無理。
学びながらやるという手段もあるが、そんな機会に恵まれる人こそ、最も数少なすはずだ。(ここは理解のある会社にチャンスを沢山作って欲しい。)

ということで、その機会が作れる大企業が本腰を入れてくれない限り、人材供給は目途が立たない。目途が立ったとしても、人材育成には5年、10年単位の月日が必要だろう。
マーケ、媒体(波と紙に屋外)、制作(映像、平面)、SP、PRと大まかに分けても5年は掛かる。名刺だけとはいえ、波乗りペンギンが全部署を網羅したのに15年掛かっている。
後半の経験は古くなって使えないほどだけど・・・。
加わえて、現在のデジタルも数年じゃ経験できないほど領域が広がり、最新技術と手法が毎年出てくるので必死に追いかけないと浦島太郎にされてしまう。

あ~、ネガティブだけになってしまった・・・。
いかん、それは本意ではない。

個人的には相談される限りは答えているが、
「ローテーション人事」によるリアル経験は可能な会社には勧めている。
それは親会社だったり、提携会社がリアル系の実務を持っている場合は・・・だ。
それが、マーケだろうが媒体だろうが、とにかく一つでも経験しておくと一皮むける。
そして、逆も然り。
相互に人事交流でかき混ぜて、一人で全部を吸収できないし手が届かない所は、人脈でカバーするという訳だ。
一部で効果が出るころだが、一つ欠点があって、育つといなくなっちゃったりするんだよね~。あはは。

2014/05/21

非言語に広告の未来がある!?

 「意識の95%は非言語」に広告の未来があるかも by 京井良彦 @kyoi_y #アドタイ
http://www.advertimes.com/20140521/article157087/

こういう、アプローチって嫌いじゃないからスルーできないんだな。
「心脳マーケティング」を持ち出してくるかぁ・・・と思ったわけで、赤い表紙の厚めの本だったと思うが、なんか流行らなかったよね。

で、LINEスタンプの広告について触れてたところが、波乗りペンギン的には「ツボ」だった。が、なんつーかスタンプ(イラストまたは画像とテキストのセット)を非言語というのは如何なものかと思うワケよ。
言語化されていないという意味合いとか雰囲気は理解するけど、ココでいうところの言語化されていないというのは、「言葉=テキスト」になっていない事じゃないでしょ。

なんか、かなり端折って書いているようなんで、重箱の隅突いてもしょうがないけどさ、「インサイト」とか「パーセプション」とか、ホットショップが何をやっていたかぐらいの資料は電通にたくさん眠っているので、読むと分からないことも見えてくると思う。

2014/05/07

売上から見るネットの影響

広告出稿量は売上に本当に影響しているのか? シャンプー&ペットボトル茶のデータ分析実践例 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/05/07/1742

広告は売り上げに影響するのか?という永遠の課題に対する挑戦の一つ。
だが、足りない!
  • テレビ世帯視聴率(関東、関西、名古屋)
  • テレビ露出情報
  • 新聞/雑誌広告
  • Web広告
  • 2ch/ブログ/Twitterトレンド
  • インターネット検索数(Yahoo! JAPAN)
  • POSデータ
今回使用されたデータという事で記事から抜粋したが、これだけでも滅多にオープンでは見られない情報である。スゲーよ。
ま、マス広告とネットの関係については十余年前に、Yahoo!さんやらLycosさんやらに取材掛けて調べてはいる(すまん、すべては公開してない)が、その後も、リアルなお仕事で分析する機会に立ち会ったりして、幾つかの結論は持っている。

たぶん、ネット系の人達だと十分以上の分析結果だと思う。
だが、この情報を提供してくれた広告主(?)は社内で詳細な情報を元に別の結果を得ているだろうと予測する。
もちろん、波乗りペンギンの邪推という事でお願いな。

キャンペーン分析、結果報告という部分でも普段は見たことないんだけど、実は必要なデータがある。
広告会社でも、そこまで踏み込んだマーケ担当は多くはないようだ。
もっとも、ある特定の広告主を担当した場合は、必須というか死ぬほどやんなきゃならんらしいという伝説(!?)を聴いている程度だ。本気にしないでよ。

それって売り上げデータのPOSって話は、今回のデータに入っているから無しだよ。
精度の問題はあるので、POSデータと言っても出所が問題(複数あるのだよ)だが、今回は割愛しよう。

欲しいのは、店頭キャンペーンと棚割りの情報ね。
チラシとかPOPとか、ちょいと目立つことをしただけでも売り上げは伸びるし、ゴンドラ出されたりレジ周りに置かれるだけで、ググッと売り上がったりするのよ。
店舗には他意はないんだけどね。
この辺は、メーカー側と店舗側のシナジーという解釈をすれば目出度いことだが、キャンペーンの効果に含めて良いかどうかは難しい。

未だに「CMガンガン打ちますから、棚を多めに下さい!」という営業が成り立っているわけで、カテゴリーマーケティングとはいっても、キャンペーンの最適化は適用範囲外だ。
広告を打つことが営業的に成功するのであれば、マーケティング的には間違いではないし、広告の効果として評価可能である。
しかし、純粋な広告露出効果という観点からは大いなる疑問で、消費者行動に対する効果検証とするならば排除したい要素となる。

結局、広告主のどの部署が主導であるとか、そんなところも分析結果は影響されるのである。

蛇足ついでに、競合ブランドの売上調査。
これも厄介である。
圧倒的なトップブランドなのか、僅差の寡占市場なのかという状況によっても、広告キャンペーンの影響の顕れ方は異なる。
同時期に広告キャンペーンが行われた場合、行われなかった場合、幾つかのパターンも見ないとダメだしね。

影響しそうな要素って、探し出すとキリないんだけど、世の中のすべての事象がシミュレーションできない限り、正解は無いんだろうと思うワケだ。

2014/04/28

Facebookはモバイルが伸ばした!?

モバイルオンリー時代のFacebookとは  techcrunch
http://jp.techcrunch.com/2014/04/28/20140427the-age-of-mobile-only/

まず、記事を読んで欲しい。
そうだ・・・と思う内容だよね。
そんでもって、これを信じた奴らが大金持ってコケル訳だ。
目出度し目出度し。

モバイル端末だけのアクセスって話は一旦脇に置いておこう。

この手のデータを読み間違う奴は、情弱でしかない。
オイラは仕事だったので、そんな解釈はしない。いや、最近は知らんよ。現場離れて十年近くになるし。

では、少しだけ解説。

グローバル展開の場合は、世界の通信事情に関する知識が必要だ。
およそ先進国と言われるごく一握りの国しか「有線インフラ」と「パソコン端末」は揃わない。大体さ、内戦ドンパチやったり豊かでない国が投資して敷設したり、国民所得が低くて食べる物すら満足にない国が高価なパソコンなんて買える訳がない。
つまり、先進国ベースで事業拡大するならば、パソコンの比率が高くて当然なのよ。
もちろん、時代背景もあって、今は無線通信帯域も伝送速度も高効率になっているからね、その辺りの知識も仕入れてね。

そして、先進国から発展途上国へ拡大していくと、無線インフラ、安価なモバイル端末、は前提になる。
線を引くより、電波塔建てる方が早いよね。国民所得を考えればパソコンよりモバイル端末(アンドロイド端末)の方が圧倒的に安い。電力インフラも貧弱で停電も当たり前だから、充電式の方が良いというのもある。アフリカなんて、発電機で充電して使うなんて当たり前だし。

そんなわけで、モバイル端末だけでアクセスする人が多くなるのは当然なんだ。

より加速的になったという側面はある。
これは、さっき言った無線での帯域拡大や伝送速度の向上、iPhoneのヒットによるスマホシフト、PCインターネットのビジネスモデルがモバイルにも流入、といった事情が先進国で起きたことが大きい。
日本は、ちょっと違うんだけど、まぁ大筋は同じだ。

ということで、パソコンのみ、モバイルのみ、よりも併用者がメジャーである点を忘れてはいけない。ここに、今生き残っている・・・または、これから成長していく企業のコア・コンピタンスがあるのだ。

2014/04/24

モバイルの市場規模推計、台数のな

2014年度末にはスマホが過半数に、MM総研が予測 - ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20140423_645793.html

ということで、キャリアが四半期に一度の発表になるので、この手の推計数字の精度が落ちるんだけど、まぁ、大勢に影響はないはず。

年度内にスマホが契約数ベースで過半数になると予測されるそうだ。
が、フィーチャーフォンがしぶとく残っているわけで、プランニングする場合は要注意だ。もちろん、スマホゲームが商品であれば考慮しなくていいがな。

自分の首も締まるので何だが、フィーチャーフォンはやや年齢層が高くリテラシーは低めなので、積極的に告知や課金の対象になるかと言えば難しいと思う。
そういう、企業にとって、というか、広告主にとって美味しい対象はスマホに機種変してしまっている。
普通にテレビとかマスメディアを使った方が効率が良いかも知れない。
大手の広告会社はシミュレーションするデータとシステムを持っているのだが、ネット系は辛いよね。俺も最近は使える立場ではないので、残念なところだ。

さて、スマホで盛り上がっている業界だが、一部だけ突出して儲かっているだけの現象は継続中。だから、広告主も偏るし不安定なんだよね。
まだ、PCネット広告の方が業種が多いし層が厚い。
モバイル(スマホ)広告は、広告主の開拓をもっとしないとダメなんだけどね。
そんな余力のある広告会社(人材がいない、人を割けない、いろいろだが)もないし、 積極的に媒体社もあるが動かしている対象が違ってたり(ばっちり合っていたら、ヤバいことになるしな)して、なかなか上手く行かないんだな。

2014/04/21

やる気あんのかヘッドハンター

思い出したように、たまーに、電話が掛かってくる。
最近は、日本語が拙い方から・・・です。
第一声から、昼間なのに夜みたいな錯覚、東南アジアのどこぞの繁華街を連想する。
相槌を打っていると、ネット広告関係のお偉いさんにならないかという事らしいです。

テクノロジー系のようだが、この説明では悪戯としか思えない。
え、英語で説明して良いかって?
ダメです。ニホンゴシカワカリマセン。

君子危うきに近寄らず、ということでお断りして電話を切ろうとしたら、
「どなたか紹介ください」って、
いやいや、素性の分からん奴に紹介しないよ。
リサーチャーは何やってんだ!?

やはり外資は日本人をヘッドハントするのは無理だと思う。
おもてなしの心が無い。

いつも思う事だが、
1.電話だけで済まそうとするな。
2.プロフぐらいググって調べろ。
3.オファーの概要くらい分かるように説明しろ。
という簡単なこともしない。

今はFBやらLinked-inで、かなり調べやすくなっている。
にもかかわらず、こういう手合いが減らんのは、スペックだけで選別する時代なのからだろうか。
最近の外資系企業のトップは、人柄的に?みたいな人が就任することが多いとかなんとか・・・。あ、結構大きな会社だから読者にいるかもしれないね。
ご愁傷さま。

エンゲージメントって今更だけど

絶妙な距離感でつきあう方法:エンゲージメント #アドタイ http://www.advertimes.com/20140421/article153441/

ニューバランス ジャパン マーケティング部長の鈴木健氏の解説であるが、少し背景知識が足りないように思う。インターネット時代の今の説明だとしても、生活者との関わりという視点で考えると、新しい概念でも何でもない。
オムニチャネルとかO2Oとか、クロスメディア、メディアニュートラルとか、オンオフ関係なくデジタルとアナログは繋がっていることを再認識する方向に、世の中の風は吹いているのだ。
あ・・・、クリックアンドモルタルを知らないと、繰り返しだという認識は持てないか。
それに米国雑誌協会がエンゲージメントを持ち出したなんて話も知らないだろう。
 なら、その辺りは高広氏が過去に書いているのでこちらを読まれた方が良いだろう。

メディアの「エンゲージメント」を活かすという視点 by 高広伯彦 @sukedachi_jp #アドタイ
http://www.advertimes.com/20110111/article4678/

なお、こういう話を知らない上司や同僚に囲まれているからと言って安心してはいけない。所詮それまでの人でしかなくなってしまうからね。
たかが広告、されど広告。