2021/06/11

アフィリエイト広告等に関する検討会の開催

 どうやら、アフィリエイトは提携販売ではなく、「成果報酬型の広告」としてfixされて規制対象になったようだ。

第1回 アフィリエイト広告等に関する検討会(2021年6月10日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/review_meeting_003/024308.html

いわゆる法令違反のデパートともいえるアフィリエイト広告は、検討会の資料にも事例が上がっているような状態だ。
管理できない広告主にも、開き直っているアフィリエイターにも、相応の法的な処分が及ぶ方向

この先に、炎上動画で稼ぐユーチューバーとかタレントも、規制対象になるのだろうか。
ん?広告関係してないから飛躍してるって?

いやいや、広告収入はガッポリ入ってますやん。BANされない限り。

2021/06/07

YouTubeプレミアムのCMで広告はユーザに不都合な存在と訴求

 インターネットにおける広告はどうあるべきなのか?
環境が変わりつつある事象の一つです。
徳力さんが記事にしてます。

議論を呼ぶYouTubeプレミアムのテレビCMから考える、動画広告の未来

これをテレビでやると、広告会社とスポンサーが激おこ、になるのだが、ネット広告ではならない。もう、この時点で世界は変わっているということだ。
昔、トイレはCM中に、と発言したタレントとテレビ局が謝罪したなんて話もあった。

一方で、解決できない課題もクローズアップされてきた。
・「アドフラウド」「ビューアビリティ」「ブランドセーフティ」のアドベリフィケーション
・ユーザによる広告ブロック、嫌悪感の増大
・ネット広告によるウィルス感染(マルウェア)、犯罪への間接関与(資金供給)

いやいや、ネット広告じゃなくても課題だよって分かってらっしゃかる先達たちは、もう少なくなってしまったかな。

たとえると、課金したら広告がなくなるというのは、書店で販売されている雑誌や新聞だと広告がなくなるということだ。
テレビだと、国営は受信料、民法はCMが収入になっている。そして、ネットに通じる部分としては、受信料を徴収している(課金している)国営は広告は流さない。(過剰なほど、企業の宣伝になるところは消してましたが、現在は緩い気がする。有名なのは、山口百恵のプレイバックパート2の歌詞。)

で、購読料を取っていながら広告も載せている紙媒体ですが、どういう理屈で広告を掲載しているのか気になって調べた人はいるのかな。
今まで見たことないなぁ。(※波乗りペンギンは口頭で教えて貰ったことはあるが、その根拠となる文章とか記録は入手できなかった。)

ということで、購読料/視聴料/課金と広告の関係は媒体社の収入の問題でもあるが、編集/記事/編成と広告といった主権だったり、広報と広告といった分類だったり、曖昧としていたものの明確な境界線が求められていることでもあると思う。
たぶん、この議論ができる人は多くないんじゃないかな。
もっとも、生活者から見た場合は、「騙すな、嘘つくな、馬鹿にすんな」ということで片付けられることだろう。

2021/06/02

一般社団法人 デジタル広告品質認証機構

 時間を要した3団体によるJICDAQ設立。

サイトはこちら

広告主側のイベント記事なんかもある。

ネット広告の不正問題から身を守るには? デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の設立の背景と狙い
https://webtan.impress.co.jp/e/2021/05/11/39623

問題は、アナログ媒体と違って目視確認できないインターネット広告の特性にあるのだが、根本的な解決策はない。

■自己申告でOK

媒体や配信会社は、第三者の検証が必要なレベルと自己申告の二階層になっている。(※細かくは海外認証があるので三階層)
広告主については、賛同を表明するだけである。

参照 https://www.jicdaq.or.jp/information.html

まぁ、やらないよりは、やった方が良いといった感じがする。

■厳しくすると、悪貨が良貨を駆逐する

実際問題、第三者が検証したものをホワイトリスト形式で管理し、広告主にも発注制限をかけるとなると、この枠組みに入ると共倒れになってしまうのだ。
そのため、確信犯的に登録しない事業者(ネットは海外との境がない)との競争で、負けないようにしておく必要がある。

プラットフォームをGAFAに取られてしまったので、これ以上の打ち手はないともいえる。

また、某国のようにネット回線を遮断できる政府であれば、法律で規制して強制的に海外との制限も可能なのだが、これができない。
下手に国内の規制をすると、海外から好き勝手されるだけになる。(あ、今と変わらないか・・・)

むむっ。

2021/05/31

2021年1-3期の広告会社四半期または2020年度決算

 ○博報堂DYHD 2021年3月期 決算説明会資料

昨年よりマシになったけど、ネット広告でプラスにならなかったのは残念なところだ。
ただ、資料は通期で第4四半期の数字がP19の補足資料までページ送りで面倒だ。

日本4Q 売上高 3,650.07億円
日本4Q 営業利益 825.44億円 

日本売上高 通期 11,431.03億円 対前年-158,287 、-12.2%
日本売上総利益 通期 2,465.39億円 対前年-14,332 、-5.5%

インターネットメディア
日本売上高 通期 2,470.68億円 対前年同期比 -7,497 、-2.9%
日本4Q 売上高 749.84億円 +7.0%

ネット系広告会社は二桁の成長になっていることを考えると、総合広告会社系は構造的に動けなかったところがありそうだ。 

P23以降に業種別の回復がグラフで見られるので、市場には追従していると思える。
ただ、コロナ禍によって各業種業態が変革をし始めているところもあり、また、変革ができずに低迷しているところもある。
三度目の緊急事態宣言からの延長、オリンピックで盛り上がらないとすると、今年も厳しい状況になりそう。

○電通グループ IR財務資料ページ

湿った雑巾なら、搾れるもんなんですよ。

日本4Q 売上高 4,487億円(前年同期4,976億円)
日本4Q 利上げ総利益1,073億円(前年同期1,037億円)

環境はHDYHDと変わらないのだが、ここは金融機関系も手掛けるISIDがあったりして、ちょっと有利かもしれない。
まだ、広告に多額の投資をするタイミングじゃない。また、基幹システムもクラウドなど低額なものにシフトしている様子。

○サイバーエージェント 第二四半期決算資料

なんでしょうね。コロナが追い風になっているという業績。

売上高: 1,634億円 YonY 26.6%増
営業利益: 258億円 YonY 2.1倍

大きな勝因は「スマホゲーム」で、ウマ娘。万馬券だったね。
広告事業も復調って、それも二桁かよ。(P19)
メディア事業の-34億もダメージにすらなっていない。(P35)
俺Tueeeeee、無双状態である。
しかし、「中長期で応援してもらえる企業を目指す」としているので、これも過程に過ぎないと・・・。
AbemaTVが黒字化したら、次は何を仕掛けるんでしょうね。
エイベックスの次ね。

○デジタルホールディングス 第一四半期決算資料

利益がイレギュラー。

売上高 35,785 +52.9%
営業利益 10,571 +2,133.7%

広告事業だけだと、
売上高 21,809 +1.8%
営業利益 1,209 +27.4%
と、利益が二桁伸び。
あの事件が響いたのだろうか・・・。
デジタルシフトに社名まで変えて挑んでいるので、広告事業はプライオリティが下がっているのかどうか不明だ。

金融投資で保有株を売却したそうで、
売上高 12,054 +8,312.3%
営業利益 10,107
これが、異常値の原因だね。

課題は、デジタルシフト事業が軌道に乗るのかどうか。
地道に社内から変えて、社外へと・・・という感じらしい。(個人の感想です)

○カルタホールディングス 第1四半期決算資料

統合は大変だよね。(P5)

売上高  6,483 +9.1%
営業利益 1,675 +32.6%

「ブランド広告もコロナ影響から回復し、大幅な増収増益」(P8)とあるが、これは一時的なものなのか継続的なものなのか、どっちだろうか。

あと、大化けしそうな事業があるんだろうか。
ネット広告業界で一定のシェアを維持するのであれば、二桁成長し続ける同業他社の開発投資に負けないようにしなければならないから。

○セプテーニHD 第2四半期決算説明会資料

電通から流入も増えてなにより。(P17)

収益 5,367  +20.8%
営業利益 1,039 +122.5%

やはり、広告事業が中心。(P7)
メディアプラットフォーム事業は赤字でも、カバーされてしまうのは幸いだったか。
新たな事業が望まれる。

2021/04/25

ハウスエージェンシーが増えるのか、広告業を定款に入れるのか

 普通、そんなことは妄想しない。
そんな妄想を毎日している波乗りペンギンです。

さて、引っかかったニュースが

【独自】三井住友FGと電通が広告新会社設立へ…銀行アプリに広告表示
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210420-OYT1T50082/

独自ってなんだよ・・・という突っ込みはさておき、広告会社というより媒体社なんじゃないかと、おじさんは思った次第。

銀行のハウスエージェンシー出身としては、今更、銀行が広告子会社を持っても目新しいことはない。
しかし、都市銀行が合併を繰り返していくなかで、グループ内利益の環流だったり天下り先の確保だったりという意味合いで、ハウスAgがデジタル対応できるかと言ったら、困難であったのかもしれない。

とすると、銀行に限らずデジタル化が進みDXとなっていくと、収益機会を増やすという意味でアプリやサイトに広告を出すというのも、手掛けやすい事業だと言える。
(※コカ・コーラパーク、サントリーのアド缶など似たアイデアは過去事例がある)

ただし、本業で収益が出なくなったという理由だけで、収入の多角化を図るというのは宜しくないと思う。
顧客側のメリットがないよね。
今回の銀行アプリに広告が出たり、広告メールが来るとしよう。
セキュリティ的に大丈夫なのか、ただでさえ偽メールでログイン無効とか釣りが多い中で、危険が増すと思われる。
金利も十分につかないし、いろいろ支払いを集中しても、多少ATM手数料が安くなるだけだ。取引がないと、口座維持費用も取られるようになる。
なんていうか、ゲームの課金ユーザみたいな扱いだよね。

それと、トラッキングができなくなる未来が近々やってくるので、本体でファーストパーティクッキーを使うことを考えたら、別会社にしない方が良いかもしれない。
許諾や管理含めて、収益に見合うのか・・・と疑問もある。
ATMに広告出すというのも、コロナ禍で滞在時間を減らさなきゃならないので、難しいはずだ。うん、店頭に来てもらっても困るしね。(店内のディスプレイ広告とか、手続きの待ち時間に見てもらうものは、視聴数も稼げない。)

2021/04/19

広告は必要か、常に心に留めておくべき問題

 コロナ禍で、すっかり事業環境が変化してしまったこの頃。
在宅勤務だと通勤がないのと業務パソコンがあるので、ついつい、忘れていたことを思い出したら仕事をしてしまえる。波乗りペンギンだけじゃないみたいだ。

さて、今回は良いコラムを見つけたのでピックアップ。

広告は必要か?ニュースが教えてくれた答え
https://www.advertimes.com/20210419/article347153/

ニュースを届けられるのは広告のおかげ、では終わらなかったところにある。

とはいえ、企業とユーザの良好な関係を築くプラットフォームは、難しいチャレンジだよね。
なかなか、成功しない。バランスをとれずに炎上したり崩壊したりだ。

どうしてなのかという話は書籍にも書いたんだけど、ユーザは受け手じゃなくなってしまったからだ。送り手でもあるのね。
だから、媒体側の送り手視点でモノを言っても、受け取ってもらえなくなってしまったし、下手すると反発されて炎上しちゃうんだよね。

広告会社の人なら媒体特性の分析とか、一覧表にして提案書の資料として使ってたと思うけど、「双方向性」という文言の深みを考えたことがある人は少ないよね。

2021/02/26

電通 日本の広告費2020年、コロナ禍でインターネット広告だけ成長+ネット広告詳細分析

コロナ禍で災害級の落ち込みを見せた広告業界が数字になった。
もっと下がっている気がしたんだが。

電通ニュースリリース 2020年 日本の広告費

全体は6兆1,594億円(前年比88.8%)と、インターネット広告の2兆2,290億円(前年比105.9%)がなければ、過去最悪だったと言える。

グラフもある電通報の解説はこちら。

「2020年 日本の広告費」解説──コロナ禍で9年ぶりのマイナス成長。下期は底堅く回復基調に

後半は復調しているという記載もあるが、2021年は年初から緊急事態宣言パート2が発出されているため、ちょい厳しい予測が頭を過るが、一年後の推計が出る時まで考えないようにする。

インターネット広告以外が一割以上落ち込んでいるが、理由は書かなくても分かるレベル。

一方で、ジワジワとネット化で追い詰められた媒体は、コロナ禍で一気に追い詰められた格好になった。生き残っていくには決断を遅らせれば、会社が無くなってしまうだろう。
ネット広告でも、格差はあるし海外勢に大半を持っていかれている(グーグルやフェースブックの市場占有率はないよね~)ので、広告会社も媒体社も辛い。

問題は、この後どうするかだ。

打ち手としては、コストカットに繋がる効率化なんだけど、パソコンとインターネットで置き換えるだけではカバーできない。10%とかじゃ焼け石に水なので、半分の人員で2倍の業務を処理するレベルが要求されるはず。
たぶん、新しく会社を作った方が早いと思える。

コンテンツを作る、コンテンツを売る、コンテンツを配信する、機能別に会社を作って集約するしかないかも。
現状のままではペイしないから、構造や流通を変える必要があるだろう。

■追記 2021.03.12

恒例のネット広告詳細分析が発表。

2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

動画広告が前年比121.3%(3,862億円)と伸びたが、運用広告が広がっている点も大きい。
また、SNSへの出稿も拡大しているので、コロナ禍で動画SNSをしていたんだというユーザ動向も大きいだろう。

今後もこの傾向は続くものと思われる。
ただし、動画広告は強制視聴(コンテンツの前、途中)タイプと広告スペースには配信されて流れるだけのものがあって、効果/評価が難しい。
あと、媒体の売上構成比率とか欲しいよね。Youtube一択なんだろうが。

最後に、2021年の予測があって、

1兆8,912億円(前年比107.7%)

うむ、DXが促進されたら2兆円に行ける感じの予測。