2015/12/03

日本ではIMC適応組織の構築は無理

広告大量投下だけでは勝てない時代に重要な3つのテーマを、ドン・シュルツ教授の講義から考える
http://www.advertimes.com/20151124/article209957/


何とも悲しいお話を徳力さんが書いてます。
シュルツ教授に聞いて答えが戻ってきたのが凄いんだけど、まぁ、日本は日本の考え方を作れって事だと思う。
そもそもマーケティングは西洋経営学だから、日本は日本独自のものを作れって事なのかもしれない。

似たよなところで、CMOとか存在しないのでIMCが日本では浸透しなかった。
いや、CIOすら、だね。
でも日本の会社が全滅したかといえば、そんなことはない。
何とかなるのだと思う。(今回も思いたい・・・)

2015/11/19

こっそり、突っ込んでおくTIAAの件

杉山恒太郎さんに聞いてみた「日本のデジタル広告黎明期って、どんな様子だったんですか?」 #アドタイ
http://www.advertimes.com/20151119/article209313/

文中後半にTIAAのエピソードが出るんだけど、
あれね、猫の鈴に首付けるネズミが居なかったんで、
続ける結果になったという現場側の諦めもあって、
惰性で続いたような部分があったそうな。

だってさ、あの大クリエイター「杉山」さんだぞ。
だれも、「毎回大赤字だし、部門構成はガタガタで誰のプライズ分からなくなってきましたし、そろそろやめましょうよ。」なんて言えない。

結果的にTIAAはACCに戻って行ったようなものだが。
ネット広告の現実は、技術的創造が主力で、芸術的創造は従属しているに過ぎない。

2015/10/30

CAが過去最高の営業利益とな?

サイバーエージェント、営業益47.4%増で過去最高に スマホ関連が売上高の8割に迫る - ITmedia ビジネスオンライン
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/29/news132.html

記事を見て、へぇ~。
いやいや、それで感心してしまったらダメだ。

財務面はコメントできないので決算短信はスルー、決算説明資料を見る。
注目点はアメーバ事業だね。
あんだけリストラして黒字転換したのも束の間、減収に転じたら歯止めが掛からない。
セグメントの変更をして、儲かっている事業に埋め込んでの再投資。

それが悪いのか?
いや、良いんじゃない。良い時もあれば悪い時もある。
3つの事業があれば補完できるわけだし、景気に左右されやすい広告事業だけじゃないサイバーエージェントに転換したわけだし、ね。

問題は、一時期社名をアメーバにしたいということで中核事業とされていたのが、中核になりきれずに来た事かな。
メディアを作るって、コミュニケーションプラットフォームを作るのとはステージが違うからなぁ。
ドワンゴとか、その意味ではウマかったよ。

2015/10/19

広告は地域(文化)によって変わるし

Advertising Weekで見えてきた日米マーケティングの違い #アドタイhttp://www.advertimes.com/20151007/article205875/

CMOの普及活動がIMJの方向性と合致して、偉い勢いでフォーラムが出来てイベントがはじまった。このまま、日本で1%程度しかいない(大企業)とされるポジションが確立されるだろうか。

日本でCIOすら多くない状況でCMOが増えるというのは環境的には厳しい。
いまのCMO増やそうのアプローチは、デジタルが基盤の話だからだ。
もっと、アナログな部分も含めてマーケティングの重要性が認知され、企業の主軸たる活動にならないと、ヘッドが重くなるだけの話で一蹴されてしまう。
うん、過去はそんな感じで増えなかったんだよね。

日本組織構造の問題もあるし、商習慣とか、米国と比較して相違を認識するのは確かに大事なんだけど、その上で、日本にあったCMOは何なのか?
という話にならないと、難しいんじゃないかな。

一般に、日本の製品のモデルチェンジは海外のそれに比べて頻繁である。
社名と製品名が一致しないなんて話は普通だ。
嘘だと思うなら、山手線ゲームで「○○会社の製品」というので何個言えるかやってみると良いだろう。

2015/10/16

ステマにネイティブアドに・・・ザクザク問題発生中

インフォバーンとかメディアジーン、ベクトル社のステマ営業の具にされてブチ切れ
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2015/10/post-0fcf.html

切り込み隊長というハンドルネームがしっくり来るわけですが、やまもといちろう氏のブログをピックアップ。
最後の指摘が怖いんですが、法規制は避けられない気がしてきている。
広告って、広告そのものに法規制が日本ではないので、着地点によってはベンチャー総倒れの許可制もあるだろうなんて杞憂もある。

業界内部でもガイドライン策定や自主規制って話は過去にも沢山あるのだが、
・技術的に出来るけどコストが合わない
・やっているけどユーザには難解すぎる
ということで、難しいことをやり過ぎて、しっぺ返しな状況が10年近く続いている。
ふつうに広告枠を設定してバナー貼っとけよ・・・で済んだ昔が懐かしい・・・。

愚痴はさておき、現実的に自主規制が出来るのは団体の会員という対象だけで、法律と違って拘束力や義務なんてものが発生しない以上、各社の善意と誠意でしかない。
いやなら脱退すれば終わりである。
上場しているならば、たぶん、業界団体加盟者よりも利益を伸ばした方が株価も上がるし、会社としては儲けが優先になる。
いやいや、それはダメだろうという事でCSRとかあるんだけど、ぶっちゃけ上場狙いのベンチャーには綺麗ごとなんだよね。上場しても、すぐには変わらないし。(最近のネイティアド関係の記事を探すと良い。JIAAの加盟企業がガイドラインを発表したにもかかわらず、策定メンバーだったにもかかわらず、ルール違反を継続していた。)

では、アナログ時代はフェールセーフ機能があったのか?デジタルでは出来ないのか?という話は誰もしていない。
ま、話が出来る人が、デジタル側にはいないというオチなんだが。

2015/10/08

DNP、マーケティング情報サイト

DNP、マーケティング情報サイト「生活者潮流」オープン~独自データ分析し、最新の消費動向を発信:MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/23227

いわゆるオウンドメディアである。
DNPは印刷会社ではないという側面を強く打ち出している流れの一環か。
ま、波乗りペンギン世代は大日本印刷でしかない。

さて、他にも多様な企業が自社の調査データを公開しているが、これを引用して事業企画書に入れるのは良いんだけど、よく読んで理解してから使おう。
たとえば、主婦がスマホシフトしているという話。
主婦のコミュニケーションを広げる、スマホシフト
これだ、主婦向けにスマホサービスをヤルゾー、オー!
とかやんないでね。
ま、シード出資で(事業内容や商品自体が)切り口が面白ければ、誰も指摘はしないと思うが、この調査はどんな調査だろうね。

調査概要を調べてみよう。

DNPメディアバリュー研究「コミュニケーション接点に関する調査」
まず、オンライン調査ではない。「専門調査員による訪問留置法」とある。
今時珍しい・・・。
調査員の質とか回答に影響を与えないような配慮とか、大丈夫かしらとは思う。
調査時期は「毎年10月」なのだが、はて?今月調査したものがすでに集計分析されているのか?
まぁ、タブレットでペーパーレスでやりゃ何とかなるか。
次に「首都圏50km圏内在住の男女」が対象、サンプルの収集場所となっている。
東京駅から50キロ圏内なのか、都庁なのか基準は別にして関東の一部である。
関西でも福岡でもないので、拡大推計しないように。
対象年齢は「15~69歳」とかあるけどさ、年齢ごとの内訳はどうなっているんだろうね。
全国平均に合せてウェイトバックしているのかしら。

どうだろう、これが東京の会社が一都三県在住者を対象にした事業であれば、なんか使えそうな気がする。
でも、都市圏とか、全国となると難しいと思わないか?
そもそも、主婦って一括りに言っているけど、どんな人?
とか突っ込んだら崩壊しそうだけどな。

まぁ、あるモノは使って良いと思うが、ケースバスケースだよ。

結局のところゼネラリストが不在

ネット広告は、もはやシステムで管理しなければならない程、膨大なデータと向き合うようになって久しい。
市場が大きくなるにつれ、専門職が増えている。
インフォメーション・アーキーテクトとか何する人か知ってる?

そんな中でアナログでもデジタルでも「スペシャリスト」が増えてくると問題になることがある。
コミュニケーションの問題は一時的なモノだが、チームが大きくなれば会議で共有される情報も受け取り方や理解度が異なるワケで、少数精鋭でやっていた頃の様に「あ・うん」の呼吸で片付けようとすると破綻するわけで、効率を重視すると役割分担して機能的に動けるようにするしかない。
うん、仕事ってどれも同じだよね。

で、問題はココから先の話。

専門家集団になると言語が変わって思考も変わる。
やはり、営業は広告主に染まるし、メディアは担当する業界や媒体に染まる。
エンジニアは合理的だし、制作は感覚的だし、アナリストはロジカルになる。
それが求められた役割であったりすれば尚更。
問題は、それぞれに合せた説明をしないと、方向がバラバラになること。
これを避けるには、知識と経験のオーバーラップをさせて共通言語を持たせないといけない。でも、離職率が高い・・・中途採用ばっかりやってると、知識も経験もバラバラ。

そして、デジタルしか知らない、デジタルがわからない、マスメディアの経験がない、販促の経験がない、印刷の経験がない、そんな人が集まることになる。
幸い、広告主側も異動ローテがあって状況は同じなので、あまり問題視されていないけど、全体として筋の通ったマーケティングができるのか?
ということを考えていくと、各スペシャリストと話ができるゼネラリストが必要とされ、いずれ統合される方向に流れが変わると思うのだ。
マーケターがゼネラリストにはならないかもしれない。

広告の過去を見ると、クリエイターから生まれるはずだ。温故知新。(意味わかんないと思うけど、アカウントプランナーって立場があるのよ、でもネットで検索すると説明が足りてない。まぁ、本が一冊書けることなので仕方ないし、欧米のスタープレーヤーに密着しない限りは知りえないことだったので、書籍も少ない。すまん、俺の知識というか情報源は書籍からじゃないんだ・・・。当時、一般的に公開されていた書籍は一冊だけ覚えている。青山学院の小林先生が執筆した本だ。)
もう、数人が活躍しているから、そう遠くない未来だと思う。
みんな、大手の総合広告会社出身というか職歴にある人たちだったりするんだが。
こればっかりは、ある程度の期間で網羅的に経験できる環境が整わないからなんだけど、仕方ないよね。それは昔も今も変わらない。
年間予算1億円と100億円じゃできることも全く違うし・・・。

もし、転職できる能力がある人は、なるだけ大規模な企業にいって経験してほしいと思う。
そして、過労で死なないように。