2007/05/22

盆と正月が一緒に来る

悪いことではないんだけど、作業に埋もれると思考停止になるのが問題。 質は低くなるし、ミスも多くなる。業績好調だと、人が疲弊しないってことはない。 殊に広告はサービス業なので、皆が忙しくて作業に追われると、必ずトラブルが起きる。 するとリカバリーに手間暇を取られて、さらにトラブルを呼び込む。 といって、人員を増やせば解決できるかというと、気が付いたときは後手後手になっていることが多い。しかも、ネットやモバイルは、アナログメディアと違ってハッキリ業務に現れる。 

 なぜか? 一つは、「層の厚さ」だと思う。 アナログメディアは50年以上の積み重ねで、職種に依らず広告業務を知っている人が多い。つまり、異動で調整できることが少なくない。 しかし、ネットやモバイルは特定の部署にいる人以外は、広告業務を知っている人が少ない。 ネット専業は致命的だ。同業他社からの中途採用以外に手はないのだ。 新人や異業種からの中途採用の場合、研修やOJTによって、現場がより疲弊するケースが後を立たない。現場がパタパタと倒れていく中、人員増強をしても事態は悪化しただけという経験を持っている人も多いはずだ。 

 もう一つは、「知識の深さ」だと思う。 いつも忙しいと、振り返って物事を整理したり、体系的に考える余裕がない。 情報を加工してストーリー化できなければ、物語は生まれない。 物語がなければ、語り伝えることがないわけで、業務マニュアルを渡すだけのことだ。 ならば、業務マニュアルを読めばいいのかというと、そうは問屋が卸さない。 書かれていることは結果であって、原因ではない。 操作手順であって、業務における意味はない。 なぜ確認を二人の人間が別々にするのか、部署を跨いで承認するのか、この作業がある意味を理解しなければ、マニュアルもゴミ同然だ。 アナログメディアは教育係として、ミッチリと教えてくれるだけの知識経験を持った年長者がいる。 ネットやモバイルにはいない。 5年もすれば管理職となり、現場を見ることは愚か、自分の首や会社の存続の為に時間を取られるからだ。

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