2013/08/12

広告産業は厳しいまま

上半期+1だが帝国データバンクのレポート

特別企画 : 広告関連業者の倒産動向調査「広告代理業」の倒産は過去最悪に迫るペース~ 小規模倒産の増加傾向が強まる ~


がリリースされた。

数字的には負債総額は減少し、小口倒産が増加。
つまり、中小が潰れている。
数字には出てこない、零細や個人事業は廃業や就職などの道へ追いやられている事だろう。


一方で、広告制作系は円安で商流が変化する。
黒字化した輸出産業の広告主を持つ場合は、今後は出稿の復活による案件増加が望める。リニアには増えないだろうが、これ以上の削減は無いだろう。
もちろん、大企業になるんだけど。
そこと取引のある広告会社や制作なんかは一息入れられるはずだ。
ただ、単価が増えないので忙しくなっても給与は増えないけどね。
広告会社もコスト削減というか利益額確保のために内製化を進めていたり、グループや出資先に集約することで内部で回す方にシフトしているよね。
これは制作会社もある程度の規模を持つと同じ方向なんだけど、アナログとデジタルを一括製作できる所は少ない分、O2Oとかキャンペーンが増えていくと片方だけしか対応できない場合は辛い時代だろう。

2013/07/31

ネット選挙はこれからなのでした【追記あり】

早速、いろんな調査や分析が上がっているが、
恣意的過ぎてこまったちゃん。

初のネット選挙運動は「空振り」? 「Webは情報収集手段としてはほとんど活用されず」──Google調査

参院選:ネット選挙、政治に一石 毎日新聞・立命館大、共同研究

約6割がネット選挙運動解禁に肯定的評価【電通PR共同調査】

【ネット選挙】主婦の5人に1人、情報収集にネット活用……Shufoo!調べ

解禁ネット選挙「投票の参考」わずか3% ねじれ解消「良かった」7割

とりあえず、現状でこんな感じ。


で、この段階ではネットは役に立ってないという方向で収束しているが、
これってバナー広告が登場した当時とおんなじ反応なんだよね。
つまり、もともと影響力のあったメディアに対して、
ネットメディアは食い込んでいるという事実を歪めている。
前回の選挙の時は使えなかったんだぜ。
影響力ゼロだったのが計測可能な一桁パーセントになったんだ。
いったい何万人が影響受けたんだよって話。

そもそも、誤解を恐れず書いちゃうけど、
テレビ対ネットの影響力は少なく見積もって3:1はある。
圧倒的にテレビの方が影響力がある。
VRでもニールセンでも、メディアの影響力調査はあったはずだから、
会社でデータ買っている人は分かっているはず。

芸能人が当選しちゃうのは、仕方ないかなぁ~と諦めたくもなるほどだ。

それはさておき、今回は投票の参考するまでもなく支持政党に投票したわけで、
投票率の低さを考えれば、ネット選挙では支持者の維持が肝だった気がする。
この点は誰も指摘していないが、もし、大勝した自民党の担当議員さんに話を聞けたら、面白い話が聞けるかもしれない。

あ、波乗りペンギンは何も知りませんからね。念のため。


【追記】2013.9.5.

たまたま自民党のネット選挙担当の方の講演を聴けたので追加。
やっぱ、聞かないと分かんないよね。
で、やっている側としては「リアルでの活動量がネットに影響する」という見解だそうだ。つまり、ネットだけで何をホザイタところで、街頭演説や支持者への講演など実体のない活動には結果が結びつかないと・・・。うはー、企業の広告宣伝担当の方にも聞いて欲しいぐらいの内容だった。
なんで、反原発俳優が当選したのは「テレビの露出」が問題じゃなくて、「反原発運動という行動」に裏打ちされたリアルがネットでの好影響に繋がり、当選に導かれたと解釈できるんだって。

2013/07/12

×広告とコンテンツ、○広告と記事

オジサンたちには分かり難いんだから、ネットの人はダメなんだよ。
ただ、この手の考察記事や考え方を書いたものが沢山出てくるのは、業界の発展のために非常に大事だと思う。
もちろん、こういう話が出来るのも書けるのも、貴重な存在であるし、ついてこれるネット系の連中がいないってのが問題なんだよね。

さて、お題の記事はこちら。
広告とコンテンツを一体化する方法
LINEの谷口氏である。
面識はないはず・・・だが、まぁ関係ないか。

とりあえず、読んでみて欲しい。

彼の考察や意見をどーうこう言うつもりは何もない。
なにしろ、あの飛ぶ鳥も落とす勢いの「LINE」を率いている人である。
きっと、感覚的に何かを掴んでいるんだ。

さて、今後のメディアと広告については、何度となく書いてきたし、
幾つかのモデルなんかも提案したが、誰の共感も得られずいる。
この時点で、波乗りペンギンの話などクズだね。

ヒマで酔狂な人以外は、無駄な時間を使うことになるので、
読み進まないことをお勧めしておく。

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○広告枠は無くなるのか?

このブログとは別に、advertrial.comというサイトを十数年前に作ったが、
このサイト名が基本的に答え。
もちろん、広告枠が無くなるか?と訊かれれば、無くならんと答える。
広告主だって媒体だって千差万別、事情があるのだ。

○画面の大きさなよってコンテンツは細切れになるのか?

ハード的な問題と人間側のUI事情で、最適化されていくだけの話だ。
そして、ケータイもスマホも圧倒的に自宅での利用が多いという事実を忘れてしまうという、悲しい現実もある。
今後、ハードウェアがデバイスが、データのやり取りに垣根がなくなった(クラウド化ともいうな)時、スマホに最適化したコンテンツしかなければ自滅するだよ。
もう時効だが、某メディアには「マルチソース・ワンユース」という消費者が出現することで、メディア側の「マルチプラットフォーム」は必然的に必要となるし、メディア側からデバイスに応じてコンテンツ配信を「選別加工」することで消費者に受け取って貰いやすく必要があると言ったんだけどね。ま、だれも意味わかんなかったみたい。
極端なたとえだけど、緊急速報!という記事を60分動画でスマホに送ったら、まぁ、馬鹿でしょ。そういうこと。

○記事広告にすれば見て貰える?

えぇ、そんな事だったら、もうやってるって。
米国では十年前にはやった言葉だが「ジェネレーションY」という1マイル先から企業の広告を嗅ぎ付けて拒絶するという若者がいるんだ。
彼らは企業の事情も広告会社の意図も見抜いてしまう。
記事広告にしたぐらいじゃ、彼らはなびいてもくれない。

ブランデット・コンテンツとか、インバウンドマーケティングとか、何で生まれてきたのか知っておいた方が良いだろうね。

○マスメディアだから成立した広告枠?

これは深い話だが、すまん、生活者に受け入れてもらうための工夫はしているが、メディアが広告収入で生きるための仕様だ。
それはネット時代の現在にあっても然り。
この議論の本質は別のところだと思うが、例えば免許制のテレビは有限枠だけど、ネットは日本に限らず世界中で増える無限枠という発想なんじゃないか?
媒体あっての広告であることは同意見なのでスルーしようと思ったけど、メディアもコンテンツも人に見られてナンボでしかない。

次回に期待かな~

2013/05/08

スマホの動向調査が無料登録でDL出来るので

モバイル広告に対するスマホユーザーの反応は?--ドコモ・ドットコム利用・意識調査  cnet_japan
http://japan.cnet.com/sp/docomoreport2013/35031590/

FBで指摘するだけしてスルーしたが、たぶん、トンチンカンダッタと思う。
多少、こっちで突っ込んでおくことにする。

ドコモ・ドットコムのサイトに行くと無料登録で資料がダウンロードできるので、興味があって個人情報を曝して構わない奴は手に入れてチョ。
波乗りペンギンは片手ほどある立場から無難な一つを選んだ。
まー、ドコモ・ドットコムに俺を知る奴は、もういないはずだし・・・。
念のため会社概要を確認してみようかな・・・あ、いた・・・。
前言撤回。

では、内容を詳細に書いちゃうと業務妨害で著作権侵害だし、ココは穏便に逝こう。
仕方ないので記事からの引用
今回の調査では、スマートフォン上のモバイル広告において、属性によって利用や意識に違いがあることが見受けられた。スマートフォンで利用するサービスが属性によって違うのと同様に、利用される広告も属性によって異なると言える。
えっとね、ここで「おいおい」が確定したのね。
その前から各所に「その前提が問題」という結果が出ている。
そもそも調査結果って、調査設計書を見ない限り、実は、当てにならないんだ。
いや、調査設計すらされていないケースが多いから、調査自体が役に立たないケースが殆どだ。俺も知ったのはマーケセクションに配属されて苦悶したアラフォーデビューの時。
まぁ、その話はココではどうでもいい。

で、ココからは資料をダウンロードした人向けね。
軽く逝かせてもらうけど
・そもそもアプリをダウンロードしたかしないか調べてねぇ。
・複数の異なる調査を組み合わせちまっている。
ということだ。

公開されていない情報だったらまずいので正確には書かないが、
スマホを購入した人のうちアプリをダウンロードしない人って、
かなりの数に上るのだ。
その意味をよく噛み締めて資料を見直してみよう。
さぁ、頭の体操だぁ。といっても、準備運動だな。

で、調査主体が異なるデータが並ぶと
そもそもサンプルが違う、時期が違う、となるわけで、それを並べて一つの方向性を見出しちゃうのはおかしい。

もちろん、一つの結論なり方向性は書いてないけど、行間から意図は感じられる。
蛇の道は蛇って奴。

個々の調査を切り離してみるべきだが、一つのレポートになると、流れで見てしまうのが心理。ま、狙ってんだけどね。
ということで、気を付けて資料を見直してみよう。

他にも似たような部分が沢山あるのだが、別にあげつらうのが目的でないし、上手く使えばメリットは少なからずある調査なんだ。

2013/05/01

ヤフーの二桁成長、次はスマホ広告の伸びに掛かっている。

ヤフー、広告再編を起爆剤にさらなる成長狙う   cnet_japan
http://japan.cnet.com/marketers/news/35031491/

何度目の再編か忘れたが、度々やっている。
十年以上もネット広告媒体ではトップを走っているだけのことはあって、手堅い内容だろう。

広告商品の使われ方にミスマッチがあるという認識のようだが、
企画開発した媒体側の想定とズレることは当然でしかない。
購買を決めるのは広告主だし、見るのはユーザーである。
問題は、それを媒体側の意図に沿った形に矯正することかもしれない。

一方で、ユーザに配慮した広告露出は好感が持てる。
そう、それを忘れたら広告の意味も価値もなくなってしまう。
スマホユーザにとって、アプリ広告は厄介である。
間違って押そうもんならブラウザが立ち上がってリダイレクトされた挙句、AppStoreに強制着陸されることがある。

まぁ、最近は確認メッセージが表示されるので、腹が立つことも少なくなったが、ターゲティングによる最適化よりも、掲載方法の最適化を考えるべきなのは、火を見るよりも明らかである。
でも、手を付けないんだよね。
媒体開発する発想がないのか、アドテクノロジーにズッポリなのか、情けないったらありゃしない。
ただバナーを張り付ければ良いってものじゃないはずだろう?
タップされれば何でも良いって訳じゃないだろう?

十年前は、こういう話が普通に出来る媒体やレップや広告会社のメディア担当がわんさか居たんだが・・・。
偉くなりすぎだよ、みんな。(哀)

2013/04/19

サムソンのやらせ、マーケティング放棄の時

「しょっちゅう故障する」「GALAXYのほうがいい」 Samsung「やらせ」でライバル中傷が発覚 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1304/19/news057.html

ネットでは困ったことによく起きる事件だ。
どうして人は学ばないのか、ググれカス。

ただ、大なり小なり程度の違いはあれど、実は似たような方法を取ることがある。
競合他社への誹謗中傷は明らかにルール違反だが、常識的(あくまでも波乗りペンギン基準なので関係者はイキリ立たないでね)に使わないデータを引っ張り出してまでの比較は日本の某モバイルキャリアが広告でやっているよね。

問題は、なんでそんなことをする状況になっちゃったのかという事。

株主に配当を増やすための売り上げ確保だったり、成果(結果)主義による人事の弊害だったり、そもそも社会性を無視した企業文化だったり、土壌があるはずだ。
そして、ブランドが単なる広告のイメージであると考えてしまえば、誹謗中傷を使っての直接攻撃も背に腹は代えられなくなるのだと思う。

普通、何年何十年も掛け育んだブランドを傷付けるような真似はしない。
そのためにブランドプロミスだの社員教育に組み込んだりして、全てのステークスホルダーから「そう思ってほしい姿」に見られるように多額の費用と時間をつぎ込んだはずだ。
広告だって、作るところから含めてブランドに相応しいものに仕立て上げてきたはずだ。
そう、はずだ。

たぶん、何か歯車が狂ったんだ。
一度かみ合わせが悪くなると、不思議と軋みが次の歯車を摩耗する。
そして、トップの座から引き摺り下ろされるんだ。

だって、顧客に対して「あっちの水は苦い」という理由で購買させるという事は、ニーズを満たしてもいないしウォンツに応えてもいないし、メリットも提供していないだろう?
そんな商品、買わないさ。

2013/03/18

アップルの虚しい叫び

Appleのシラー氏、「断片化したAndroid」やSamsungを“口撃” 新GALAXY発表前日に - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/15/news079.html
Apple、“なぜiPhoneか”キャンペーン開始 「GALAXY S 4」発表2日後に - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/18/news040.html

気持ちは分かる。
だが、PC市場でも同様なことが起き、そして、アップルは市場から消えたのだ。
残念ながら、このままでは同じことになるだろうと予想している人は少なくない。

日本の市場統計データから予測するに、
・契約台数は4割がスマホ、内2割がiPhone。
・サイトのアクセス比率は、3割がスマホで内2割がiPhone。
という感じだろうか。

ただ、統計データに誤差や但し書きが多いので
業種や自社の出しているサービスによって
何が基準となるかは判断できないはずだろう。

何せ、アプリでの接触に関してはデータがない。
タブレットなど、誤差の範囲にあるデータも誤差のままなのかどうか確認できない。

とはいえ、ネット市場全体がデバイスに関して言えば断片化してしまっている以上、
もはやスマホの断片化など無視できる誤差でしかない事態だ。
正直な気もちだよ。

携帯ゲーム機もカーナビもデバイスという意味では数千万台の普及になっている。
他に台数が少ない数十万から数百万台のデバイスは、固定ゲーム機(PS3、wii、Xbox)もあるし、
ネット接続可能なテレビもある。間もなく、スマートテレビが出てくるけどね。

消費行動を正確に知ろうとすると、情報認知経路はカバーしきれない。
マスメディアに屋外、店頭、チラシ、etc.
我々が目にているリアルな情報はほとんど補足不可能だ。

そこでOSだけ揺るぎない統治をしても、実は影響が小さいんだ。
という元も子もない状況に立ち返ってみる。