2016/03/24

広告に夢がない

何を言っているんだという反応が目に見えるのだが、ネット社会で広告といえばPDCA回して効果効率を上げることになっているから仕方ないのだろう。
だから、こんな記事を読んで聞かされても、意味が分からないと思う。
広告人は、社会を動かす「フィクサー」になろう | AdverTimes(アドタイ) http://www.advertimes.com/20160322/article220211/
ま、コメントすると広告の近代史みたいな話になるから、ここで切っておこう。

ここ数年、広告を主語にして就職の理由を述べる学生も減ったように思う。
会社が大きくなって事業が多角化し海外進出し、もはや何の会社かなんてわかんなくなっているからだろうか。(経営側は狙いだと言っているが)
核を失った会社は脆いものなんだけどなぁ。(愚痴)


2016/03/11

インターネット広告業界へ就職したい、就活している人

売り手市場と言われている昨今、3月1日から会社説明会も解禁され、数十社もエントリーしているだろうと思います。お疲れ様です。
統計学やプログラムが書ける理系の人は有利でうらやましいですね。
文系の人と比べれば内定を取り易いです。
あ、大手の総合広告代理店はコネと運が必要なので、一流大学を出ただけでは内定来ませんから。書類選考を通過するだけでも無理ゲーです。はい。

では、上場しているインターネット広告系ベンチャーを狙えば行けるかというと、そんなに甘くないようです。入社した後の競争を勝ち抜けるかが本番になります。
覚悟のある人はチャレンジすることを勧めます。

次に、大手の総合広告会社や上場ベンチャーの子会社が狙い目なんでしょうが、グループ採用という事で応募できないケースも多いですね。残念です。
探せばありますが、こちらの倍率も相当に高い。
アイドルのオーディション状態です。

では、他に何処があるんだとお悩みの方。
リストはこちらです。
広告および媒体系 http://www.jiaa.org/about/memberlist.html
広告および制作系 https://jwa-org.jp/about/member/corporate.php
業界団体の会員社は「年会費を払えるだけの経営安定度があり、団体の主催する新人研修に参加できる」などのメリットがあります。
ここから、各社の採用案内を見ていくと掘り出し物があるかもね。

本当ならいくつかピックアップしたいのですが、偏見になるし公平じゃないし、リストの提示だけにしておきます。有効活用して下さい。
ちなみに、波乗りペンギンの籍がある会社は採用枠を増やしていますが、倍率は三ケタから四ケタの間みたいなので、ラッキーにも入社できた人は社内新卒研修でお会いしましょう。 担当はマーケティングです。(来ちゃだめよ、いまヤバい。2022年〜)

なお、マスメディア系というかアナログな広告が主体の広告会社をご希望の方は、
こちらのリスト http://www.jaaa.ne.jp/about/about8/
を参考にすると良いでしょう。
☆どのリストも重複がありますので注意!

●電通とか博報堂HDYとかADKの大手狙い

冒頭で、「コネと運が必要」と書いたが、それくらい持って生まれた自分だけの努力でどうにもならない力がなければ通り抜けられないほどナノレベルの隙間なのよ~。
たぶん、これを読んでいる時点でコネは無いですね。残念。
子会社とか系列でも良い!といっても、状況はあまり変わりませんな。
まぁ、この目で見てますから。(笑)

実は、新卒で入るのは大変ですが、中途採用で入る方が楽です。
仕事で実績があって、能力が必要とされ、気にいられれば入れます。
銀行とか媒体社とかコンサルとか、いろんな業種から来た人がいます。
個人的な感想に過ぎないんだけど、道を究めれば転職で狙う方が楽かもしれない。

●中堅広告会社

中堅といっても、新聞社系列、電鉄系列、小売店系列といろいろある。
華やかさが欠けると思うかもしれないが、大丈夫。電通とかでも作業の地味さは同じで、新卒で入って派手な仕事ができると思ったら大間違い。
最初の二、三年は単なる下っ端。
考え方一つだが、出来る奴はどこの会社に入っても抜き出る。
気楽に行こーや。

なお、コネが使える人は使おう。
親の会社で取引があったり、親戚が勤めていたら、ダメもとだ。
タイミングと相性が合えば、道は拓ける。

●中小零細広告会社

小さいと言っても、専門代理店(業種に特化したり、媒体に特化する)だと、その業界で有名だったりする。
専門化しているだけに、大手顔負けの活躍をしている会社も多いので、これも一つの道だと思う。
総合広告会社は機能別に分かれて分業が発達しているため、担当する範囲が狭くなりがちだが、一人で多くの領域を担当しなくてはならない小規模だと、全体の流れを見られるのがメリット。デメリットって扱い高による規模なんだけどね。
まぁ、規模の大小で仕事の仕方がガラッと変わってしまうので、同列に論じられないが。

●ネット系広告会社

最近人気だよね。
大量採用しているので入り易いかといえば、そうでもない。
新卒で社長に抜擢するとか、昇進が早いとか、ちょっとワクワクするような話も多い。
上場していたりすると新人研修や社内研修もバッチリあって、福利厚生も完備している。
一方で、報道沙汰や炎上して問題行動が多い会社もあるので、事前チェックは欠かさないように。

ネット専門広告会社、大手系列のネット広告会社、IT系広告会社といろいろあるんで、一括りにエントリーすると面接が大変かも。
グループ採用で、全く違う事業に配属になるケースもあるので、そこも覚悟した方が良い。

●コネは悪いのか?

後ろめたさを感じるなら使わなきゃいいだけのこと。

でも、コネといってもコネで入ろうとする人は沢山いるので、そこでの競争もある。
コネで入ったと公言する人の中にも、とんでもない優秀な人もいて、コネって・・・と思ったことが多い。(経験談)
生きている世界が違うんだなーと思える。
そんなハルマゲドン的な競争を抜けて入っているので、一般で入社した人と遜色なくなっちゃうんだ。
まぁ、本当に使えないコネ入社は目立つから話題になるんだけど、な。

広告ブロック問題の本質

Operaブラウザの開発者版にネイティブな広告ブロック機能追加 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/11/news070.html

広告ブロックについては、媒体社の収益を奪う行為として忌避する向きもあるが、ちょっと待て。
そもそも、広告って何のためにあるのだ?

媒体の視聴読者(ユーザ)に売り込みたいからだろう?
嫌われる広告を使ってどうするのだ。
今日の売上のために、明日の売上を犠牲にして、ユーザを追い詰めてどうする。
平手打ちか、ひじ打ちを喰らうだけだ。

だから、一定の距離感を持って、広告させて頂くのだ。
コンテンツを見たいなら、同じ分だけの広告を見ろと言うのは、媒体社のスタンスとしてもおかしい。
広告で収益を上げるためにコンテンツを作っているのか?
それなら、広告主のメディア(アーンドメディア、コンテンツマーケティング)となんら変わらないね。

広告を出し過ぎた結果、アナフィラキシーショックがユーザに出たら、打つ手が無くなるぞ。
行政規制ならまだいいが、ユーザから拒絶されたら、これは回避不能だ。
心理拒絶は、アドブロックツールよりもきつい。
マスメディアの広告露出制限は何故あるのかな。

広告ばかりのページが増えていて、コンテンツの半分は広告バナー(標準、レクタングルなどの画像系)とテキストアド、広告企画、ネイティブアドになっている。
広告を抜いたら見るべき部分は無くなってしまう媒体など、ユーザは課金してまで見ることはない。(だから、媒体の課金モデルが成立しない。)
まとめサイトやキュレーションアプリで流し読みすれば十分になってしまっている。

切り口も何もない情報の垂れ流し、追いかけてくる広告、コントロールされた検索結果、日本にもジェネレーションYが商業的情報ルートを回避し始めている。

【追記】

こういう勘違いした記事のなかでも、ピュブリシス傘下のアドテクCEOがいた。
悪しきユーザー体験の元凶はどこにある?:アドブロックという名の大いなる偽善
困ったもんである。
お前らのアドテク野郎は効果効率しか見てないから、人が見えなくなるんだ。

一方、分かっている人もいる。
スマートニュース川崎氏が語る「アドブロック問題の本質」--アドテック東京
やはり、藤村さんがいる会社だけに議論されたのだろう。

2016/02/24

2015年 日本の広告費、微増というか誤差的なレベル

2015年 日本の広告費
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0223-008678.html

「2015年 日本の広告費」解説―インターネット広告費がリードし4年連続でプラス成長を達成
http://dentsu-ho.com/articles/3708

ポジティブな見解は電通のリリースと解説をご覧あれ。
波乗りペンギンは、ネガティブ側だ。(本音とか事実ではない。ネガティブなのだ。)

媒体別「日本の広告費」(2012~15年)
※出典:電通報

過去三年を見ると、数字的には2014年が良すぎたという部分はある。
2015年の数字を前年対比だけで語るのも意味が無さそうだ。
全体のパイは変わらず、メディア配分が変わっているのが読み取れる。
4マスが減って、販促も減って、その減った金額をネット広告は受け取ったような数字になっている。
ホントにそうか?
広告ではないカテゴリーに企業のお金が使われているんじゃなかろうか。

「日本の広告費」推定範囲
※出典:電通報

電通報の記事でも後半はその点に触れている。
が、ネットに釣られて広告の定義を拡大して推計拡大すると、別の市場推計になりかねない。もう、広告捨てちゃおうって話になる。
広告主のオウンドメディアは推計に入らないと思うが、その記事がネイティブ広告として掲載されるという流れだと、制作費は「広告」で計上されてなかったりするだろう。按分するのか?
メディア別だと見えないけど、元原稿はデジタルデータなので、アナログ時代に比べると制作部分のローコスト化は激しい。純粋に媒体費が減っているだけじゃなく、周辺の収入もメディアは減っているはずだ。

インターネット広告費の「制作費」だが、
インターネット広告費の内訳※出典:電通報

順調に数字が伸びている。
一体何が伸びているのかが気になる。
サイト制作のページ単価は上がってはいない。(体感)
運用型広告費が伸びているので、LP制作費だろうか。SEO対策のサイト改修費だろうか。
それとも、昨年後半からジワッと来ている動画広告制作だろうか。スマホ対応にリニューアルした広告主が多かったのだろうか。発表に加えて欲しいなぁ。

ということで、次の集計を改定する時は、広告会社のだだっ広くなった業務の市場推計ではなく、積み上げ式に推計される個別市場の動向が追えるように舵を切って貰いたい。
でないと、最後の調整で盛ったりしてるんじゃないのかという違和感が残ってしまう。
会社の売上が若干伸びても、給料は下がるだけだしなぁ・・・。はぁ。

○参考

ネット広告制作費が伸びている中に、キャンペーンとかじゃないのにオウンドメディアのコンテンツ制作費が含まれてんじゃないかと思うのよ。
ま、アンケートによる市場推計なので、数字がゴチャゴチャになるんだよね。コンテンツマーケティングってネット広告制作費に入っているのが、普通(何をもって普通なのか分からん)なのかな。

「コンテンツマーケティング1,000人実態調査」 他社の予算は? 人員は? 外注は? | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/yahooads/2016/02/24/22140

○蛇足

電通報 - 複雑な統計をシンプルに読み解こう!「日本の広告費」編
http://dentsu-ho.com/articles/3720

なんか、一部で不評だけど、らしくない業界風テイストが不味かったか。
笑ってあげてチョ。

2016/02/16

広告代理店は要らない

将来も残り続ける「広告代理店の価値」はどこにある? | AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160216/article217497/

テーマとしては目新しいものではなく、波乗りペンギンも若いころは会議や飲みの場で議論したものだった。(遠い目)
今は、そんなこと若い人たちはしているのかな。

さて、広告代理店の存在価値=不要論に終息するかどうか?
波乗りペンギンの結論は「広告代理店は要らない」だった。
そして、大手の広告代理店は自らを「広告会社」と分類し、「代理」からの脱却を模索したのが20年前だ。
広告は無くならないが、価値創造をしていくので「代理店」の看板を外して「広告会社」と言い始めたんだ。

欧米では3大広告グループに統合され、機能ごとに特化された会社群に組織形態が変わった。これは、一業種一社制という日本にはない商慣習があっての事。
日本では一社一強、同業種取扱いが普通なので、同列に論じられないんだ。

で、広告会社の存在価値をどこに求めるのかは多種多様が現実の現在進行形。
確かにクリエイティブ(CR)は比重が高い気がするんだけど、単なる表現物の制作じゃないデザイン(社会の中での有り様をデザインする)を志向するようになっていると思う。
ただし、難度が高いんだよね。ある種の哲学が必要な領域だから・・・。

2016/02/15

アドテック東京が初心者向けになる?

数年前からアドバイザリーボードに業界の重鎮が消えて行き、半分は知らない方たちになって待った。
微妙な布陣なんですけど・・・。
あれ、御大のYさんいない。Eさんは復帰しても良いはずじゃないのか。あれ、大手広告会社が担当ドンピシャのセクションじゃないし、業務ラインが違ってないか?(部者や役職ではなく、「人」なのがアドバイザリーボードのはずだっけ。)
なんか、このイベントは何処に行きたいのか分からない人選になりつつあるような気がするのは、現場はずれて久しい波乗りペンギンの受け止め方ががオカシイのだろう。

初期からすると出展社も数倍になっているので、イベントとしてターゲットが広くなったはずだ。
当然、プログラムを見ると、初心者向けのトラック「Beginners」が出来ている。
・・・?
アドテックの「テック」って「テクノロジー」じゃなかったっけ。
テクノロジーのトラックはないのか・・・。

これは、
1.アドテクは普及してテーマとしては適さなくなった。
2.アドテクのテクを押しすぎて、「アド」がどっか逝った反動。
3.成り行き。
のどれだろうか。

そもそも初心者は、「広告」なのか「テクノロジー」なのか不明だな。
最初のセミナー「デジタルマーケティング」がタイトルに入っているので、「デジタル・マーケティング」の初心者か・・・。
そのあと、ビッグデータとかCRMとか、いや、体系的に意味わかんないです。
スポンサー枠なら納得できるけど。

ということで、商業的な成功は素晴らしいと思う。

2016/02/08

イナモト氏新会社にDG出資

ゼロtoワンのクリエイティブ レイ・イナモト氏新会社方針 #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160208/article217046/

世界的に有名なイナモト氏が新会社を作って、デジタル・ガレージが出資したというから、何か新しい試みが行われるはずだと記事を見る。

「デザイン・テクノロジー・データの3つを融合させて、新たなビジネスを生み出す企業にしたい」――と、レイ・イナモト氏は話す。
電通ブルーとかHDYのSIXと何が違うんだろうかと。

データから見つけた問題に、デザインとテクノロジーで、これまでになかった答えを出す。“新たな答えを出すもの”として、「これからデザインやテクノロジーの力がさらに増すのは間違いない」とイナモト氏は話す
伊藤穣一さんに聞いたら、どんな解釈が戻ってくるのか、聞いてみたい。
ここで言われている「デザイン」が構図という狭義の意味合いではないだろう。
言葉一つとっても、文字のままに読むのはキケン。

メディアや広告ビジネスの前提となっているのは、広告枠を売り、その枠に収まるアイデアを作るということだ。数十秒のCM枠や白いページ、広告看板に当てはまるモノを作るのがクリエイティビティだと唱えられてきた。
4マスの広告制作であれば確かに。
メディアニュートラルという志向もデジタル時代に出てきたんだが、これに対しての揶揄は含んでいるんだろうか。ニュートラルではあるものの、メディアを使うという意味では大差ないからね。

これからの本当のクリエイティビティはゼロから始まる必要があると思う。いずれにしても、クリエイティブであることが、生き残る術だ。クリエイティビティこそが、最後まで人間が人工知能に優る点だと思う
人工知能・・・やはり危惧はしているのね。
その、AIでは代替できない創造力は0から1であって、1から2ではないと。
0であるなら、前提はない。
うん、広告である必要もない。

広告である必要があったクリエーティブ・ブティックやホットショップとは立ち位置と成り立つ要素が異なるのだろうか。
だか、広告枠の販売を超えるという方向性は10年前から、欧米では20年前から動いていたように思う。それは、戦略とかブランドとか別のキーワードで括られているけど。
(アカウントプランナー、ブランドコンサル・・・とか、色々あったよ~)

さて、データから問題を見つけるという事でデータ・アナリスト(Webの場合はWebアナリスト)の解析一つで出発点が変わってしまう恐れがあって、優秀な分析者(データの読み方、マイニングが天才的な人)の有無で成否が分かれそうだと思う。
課題の発見と解決のビッグアイデアが必要という点では、過去と何も変わっていない。

永遠に解決しないテーマでもある。