2005/06/13

本質を見極める難しさ

この十年間、インターネット広告業界で誰も問わない問題がある。
それは、「バナー広告のCTRが5年の内に100分の一以下になったのは何故か」という問題である。
これを解明、論理的な説明が行えれば、大きな進歩である。
学術会では評価されないだろうが、実務者にとっては次なる飛躍への大きな一歩になろう。

もちろん、この問題を言葉どおりに解釈し、解明しようとしても無駄である。
前提自体が、間違っている可能性があるからだ。

もし、私が宝くじにでも当選したら、全額を懸賞金として公募したいと思っている。
冗談だと思っているでしょ?
別に、宝くじに当たらなくても、方法はあるわけでして・・・。

ということで、興味のある方は研究しておいて下さい。
広告関係の本やサイトをチェックしておいて頂ければ、幸いです。
活動が地味なんで、気が付かないでしょうけど。

2005/05/22

環境を整備する

批判や批評だけでは何も進まない。
起きた事を振り返っても、将来への展望は出てこない。

ならば、誰かが何処かであるべき姿と未来を提示する必要がある。
それが、個人で行われている間は、共感する個人が集うだけだろう。
しかし、一人が二人になり、百人集まれば何かが起こせるはず。

最近話題の「バズ」「バイラル」なるマーケティング手法は、
心強い後押しである。
ひとつ、そこの心ある広告業界関係者の方。

広告とは何か?
金のためとはいえ、最後の一線はないのか?
身近な人と、ちょっとだけ話してみて下さい。
それだけで良いんです。それだけで。

2005/03/03

広告論までの道のり

出発は、一応、クリエイターとしての「自己表現」から始まって、20年経ってマーケティングまで辿り着いた。
しかし、その先に見えたのは果て無き世界。
関わり続けたネット広告とモバイル広告であるが、こいつを既存メディアと統合する最新版IMCを捻り出そうというプロジェクトはあちこちで進行中である。
結果的に傍観とは行かずに、巻き込まれたんだけど、グズグズになっとります・・・。

その原因はイキナリ知識もないのに広告論を作ろうというところである。
誰にも理解してもらえなくて腐っているのであるが、広告は小さな部分である。
学問的には、「哲学」>「社会学」>「経済学」>「経営学」>「マーケティング学」>「広告学」という感じなんだけど、やはりシンクタンク系広告人にしか通用しない。
また、「経営」>「マーケティング」>「コミュニケーション」>「プロモーション」>「アドバタイジング」なら通じるかというと、これまた難しいらしい。
「ネット広告中心主義」のようで、体質的に受け付けないらしい。(爆)
だから当然、「編集」と「広告」、「宣伝」と「広報」、「認知」と「理解」、「意向」と「決定」、「媒体」と「視聴者」「読者」、「放送」と「通信」、「真実」と「事実」、「クリエイティブ」と「マーケティング」、「メディア」と「ツール」などと対決させようものなら、ネット系のメンバーは誰も喋りませんて・・・。
もう、年寄りの独壇場。

やはり、掲示板で三行未満の書き込みは出来ても、概念的な議論で一分以上話すコンテンツは持ち合わせないようだ。
モバイルが爆発的に普及した背景を考えると笑えないのだが、現実は厳しい。
メールで長文、詳細かつ執拗なツッコミはしても、面と向かうと純朴で無口な人が多い。
それで、議論にもならず会議は重ねられていくと。

で、どーするのかって!?
そりゃぁ、然るべき方々に、然るべき根回しをして、然るべき行動を起こす。あぁ、小泉総理的・・・。

もぅ、準備には取り掛かってますよ。
ただ、サイトみたいにチャチャッと作れませんから・・・、残念。
鶴は千年、亀は万年斬り。

2005/02/04

広告価値は幻想なのか

最近のニュースで「電通系CCI、ネット広告に競売制??料金、比較しやすく。(2005/01/31)」というのがあった。
言ってしまうとオークションである。ここにメディアストラテジーの不在を宣言してしまったインターネットがある。数値化された評価指標は、前提が正しければ効率的なメディアバイイングを実現するだろう。しかし、定義も根拠もない状態で実施すれば、何をかいわんやである。
テレビ広告のスポット価格・・・視聴率ベースの評価だって、崩壊してしまったじゃないか。
対案として協会が打ち出したのは「番組の質」を、定性的な評価指標として採用する方向になったが、進捗は見えない。
何も学んでいないようだ。

広告業界で、昨今流行のブランディングをネットやモバイルで叫ぶ輩がいるけど、何を持ってブランディングに貢献できるメディアだと言うのだろうか。
そこにクリエイティブはあるのか!?
ビジョンは?ストラテジーは?
バナーを見た消費者が「何を変える」というのか。
全面広告でのクレーム、クリック率の低下、掲載基準不在による広告の信頼低下・・・。

もちろん、業界関係者には「寝言言ってる」みたいな、他人事のような反応しかないのは認めよう。
しかし、 もはや安定も安泰もない社会だ。
寝言が寝言のままとは限らない。

2004/12/10

広告主と会社会社と媒体社の広告効果

マーケティング的に広告のポジションは
4Pのプロモーションで一つの役割に過ぎない。

しかし、その効果を巡って意識の溝は深まるばかりである。

広告主側の代表として、こんな記事がある。
ポイントは「媒体効果の横並び評価」である。

広告会社とメディアの代表としては、こんな記事がある。
ポイントは、「説明責任は分かるが、できるとは言えない」である。

それぞれ、文章全体としては同じ方向性であるが、
平行線である。
マーケティング的な話は出てくるが、
コミュニケーションに逃げてみたり、商品の市場価値はない。
話題の商品が売れている商品ではないし、
売れない商品が広告で売れるとは限らない。
どこか、「定義」「基準」が欠落してしまっている。

百年経っても実は変わっていないが、
この不毛な論議に終止符を打つ、
新しいアプローチをもう一つ創出することぐらい
始めてみても罪にはならないだろう。

現代、生活者は偏在する掴み所のないイメージである。
これを「リーチ」させようとか「フリークエンシー」を稼ごうとか、
無限の資金があっても不可能になっている。
エントロピーの法則しかり、減衰し散逸するのが時間軸の必然。
だからこそ、過去の生活者データによる推測となる効果指標は無意味だ。
多元的な調査軸を無限に組み合わせるだけのデータマイニングである。

それで、個人としては、「アノニマスマーケティング」を概念だけ提唱している。
(今そこにいる顧客を情報で囲むことが大事だという考えだけだけど・・・。)
アノニマスである生活者を特定し、
1対1の関係性を結ばなければ、
企業は利潤を得られない。
利潤は、継続性による顧客評価であり、対価である。
アノニマスマーケティングは、リアルとネットを境目なく、
顧客化する考え方なんだけど、未だ思案中。

2004/11/30

インタラクティブ広告用語集

実は3年前に原型が生まれたが、
用語定義に甘さがあるのは私にも責任の一端がある。
インターネット広告推進協議会(JIAA)
小冊子が作られているので興味がある方はどうぞ。
広告主協会のweb広告研究会との用語統一プロジェクトとも連携。
今のところ、最も多くの賛同が得られている。

他に企業サイトで用語集が公開されているが、
申し訳ないが参考に出来ない。
やはり、定義は広く認められたものでなければ・・・。

さて、マーケティング用語は皆無に等しい。
実際は、技術用語を並べてwebマーケティングになっている。
「マーケティングを舐めてんのか!」
と思われるだろうが、どうかご容赦願いたい。
夜な夜な業務で追われている人たちが作ったので、
至らない点はアドバイスを寄せていただければ幸いである。

2004/11/29

調査はたくさんあれど意味はなし

ネットを使った、いわゆるDTRデータは数多くある。
ポータルサイト系では
Yahoo!リサーチ
gooリサーチ
infoseekリサーチ
ベンチャー系では
インフォプラント
マクロミル
などたくさんある。
公開されているデータも豊富で、それっぽい企画書に使うのに不都合はない。

さて、それがどうしたと思われる方も多いはず。
基軸のない調査結果を云々して、正しいも間違いもないだろう。
そうそう、パネルの問題を語る上で、
もっと基本的な問題を定義する必要がある。

1.インターネット人口とは
2.インターネットの利用者とは
それと国勢調査による人口、プロファイルとの差異。
リアルとバーチャルの回答傾向や分布の問題もある。
この件については、既存の調査会社とネットの調査会社で、
なじり合いが続いている。(私見だが)
正直、付き合いきれないので、某メーリングリストも解除して久しい。

こんな状態でも、広告会社の提案現場ではネットリサーチは利用されている。
広告手法はインターネットが出てくる前の広告論を使っていたりする。
別に不都合はない。いや、なかった。
これからも、同じであろうか?