2019/07/30

Yahoo!JAPAN広告商品アイデアアワード

気持ちはわかる。
応募サイトに書いてある
マイナスをゼロにする「嫌われない」発想ではなく、ゼロをプラスにする「好かれる広告」の世界を目指して国内外のクリエイター、そしてプランナーの皆さんと、広告の新しいフォーマットを考えていける、そんなアワードを企画・実施したいと思います。
という意気や良し。
で、これを広告会社や広告制作会社にアイデアだけ出して貰うなら、悪くはない。
媒体社としてヤフーがちゃんと責任持って判断するなら、アレコレ投げてみるのも一興だろう。

一方で、応募期間が伸ばされているので、いろいろ集めているんだなぁ・・・と、運営側の心中を察したりする。
まぁ、課題が課題なら、応募要項に結構つらい縛りがある。
企画書内の要素として、広告フォーマットコンセプト・広告フォーマット形態・具体的なイメージを記載。
これ、経験ある人がどのくらいいるかな?
マス媒体は誰も残っていないし、ネットでも広告フォーマットについては、波乗りペンギンの知る限り現場にはいない。
逆に、しがらみのない人たちがハッピーなビッグアイデアを思いつくかもしれない。
広告はトップに一つだけしか掲載しないとか・・・ね。

2019/07/29

物販系ECプラットフォーム広告費2018

突然な感じだが、推計が発表された。
日本初・・・日本初?

■リリース
電通グループ3社、日本初「物販系ECプラットフォーム広告費」を推計
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0729-009857.html

■電通報の解説
「2018年 物販系ECプラットフォーム広告費の推計調査」解説―急拡大する物販系ECプラットフォームの広告市場規模は1123億円
https://dentsu-ho.com/articles/6754

かなり限定した推計なのだが、元が「日本の広告」で広告媒体を中心とした調査なので、追加調査も簡単じゃないといけないという事らしい。
以下、引用しておくと、
今回の調査では、B to C-EC市場において最も規模が大きい物販系分野のECプラットフォーム広告費に特化し、そのプラットフォーム上で取引される広告の年間取引額を推計しました。特化の理由としては、物販系分野では広告出稿が飛躍的に伸びており、調査対象が多岐にわたるサービス系分野よりも精度のある推計が行いやすいと判断したためです。
独自推計にあたっては、ECプラットフォーマーをはじめ、従来は広告市場推計の範疇には入らなかった出版系・流通系等の事業社に、アンケートや追加のヒアリング調査でご協力いただいております。
で、物販とかプラットフォーマーとかキーワードが並ぶと、疑問が沸くわけだ。沸騰するぐらいに。
アマゾンは極東の日本市場の数字を公表していないが調査に協力してくれたのか、楽天とヤフーは広告費の集計に入っているはずだが、どういったところが対象なのかピンとこない。
リリースには注意点もあり、
※1 生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物販系(物品販売系)ECプラットフォームにおける広告費が本調査推計の対象。旅行サービス、金融サービス、チケット販売、飲食サービス、理美容サービス、オンラインゲーム、電子出版、有料動画・音楽配信などのECプラットフォームにおける広告費は対象外。
とある。

今回は予備調査みたいなもので、来年の日本の広告費に、EC系媒体も含んでいくのだろう。




2019/06/13

「世界の広告費成長率予測」(2019年6月改定)

電通の発表ですが、デジタル広告・・・モバイル広告が成長やまない感じ。

「世界の広告費成長率予測」(2019年6月改定)を発表
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0613-009834.html

米国と中国の貿易戦争もあって、世界経済の低迷がマイナス修正になったということだろう。(まぁ、それでなくとも減速していたという話はあるが)

2019年の世界の広告費成長率は3.6%(2019年1月の前回予測は3.8%)、また世界的な経済成長を背景に、2020年も4.1%(前回予測は4.3%)
で、腐っても世界第三位の経済大国の日本ですが、成長率は低い・・・。
ヤバい。
米国のように世界的なプラットフォーマー企業もないし、中国のように人口もいない。
さらに、人口構成が変わっても国策方針は変わり映えしないので、規制緩和とか言って破壊したのは日本経済だったという状況。

ともかく、デジタル広告の構成比率が高まる傾向なのは確実だと思われ、コンテンツ産業が潰れないエコシステムを作って、成果があれば生活者に嫌われても良い広告が掲載され続けてしまう状況に歯止めが掛かれば、日本の広告市場も世界並みに成長してくれるんじゃないかと。

2019/05/13

ネット広告系の四半期報告2019年1-3月

令和になったけど、広告業界的に「令和特需」は無かったような・・・。
オリンピック前で景気も盛り上がるというストーリーは、無かったんだっけ。

■オプト・ホールディングス

資料はコチラ。2019年12月期第1四半期決算説明会資料
株式会社リレイド(旧スキルアップ・ビデオテクノロジーズ株式会社)の分割譲渡でマイナスになっているのだが、前四半期より地方中小取扱高が減少していて、減速感が資料から感じる。(主観)
デジタルシフトについては、社員の教育がデジタルに特化しているという表記しか読んでない(他の資料を見て調べていない)が、アナログというか非デジタル経験がない中で「デジタルシフト」をサポートするのは無理があると思っている。
マニュアル運転の自動車しか乗ったことがない人に、マニュアル運転をした事がない教官がオートマの運転を教える、という違和感に似たものがある。
他、AIとか今後に期待できる素材はあるが、問題は料理の仕方(商品化)になりそう。

■セプテーニ・ホールディングス

資料はコチラ。2019年9月期 第2四半期決算
電通の資本参加で運用型広告の業務も流れてきて、持ち直した模様。
運用型広告って・・・、どこまで美味しい案件なのかな。
立ち位置的には、以前のオプトと同じ匂いを感じる。
オプトもアジアは不調で事業売却やその予定が説明会資料に記載されてあったが、セプテーニも同様だった。

■サイバーエージェント

資料はコチラ。2019年9月期第2四半期 決算説明会資料
コスト管理による好転、良すぎる・・・。
投資事業であるAbemaTVが、広告媒体として成長するには、ネット動画の新しい視聴率に相当するものが欲しいところだ。
そうとないと、コンテンツにコストがかかっているので厳しくなるはず。
いや、その程度のことは藤田社長が何とかしちゃうと思ってるけど。(笑)

■カルタ・ホールディングス

資料はコチラ。2019年12月期 第2四半期決算説明資料
業績は統合直後なので、統合前と比較しても仕方ないので割愛。
統合で事業整理するのは後のようで、子会社の設立がCCIで行われているので、まずは事業の切り出しによる別会社化で明確な線を引いているのではと想像。
見るべきところは中期経営計画だが、同時期に電通の子会社になったセプテーニも入っており、何とも言えない発展イメージに見える。
景気が後退しつつある現在、総広告費の減少も危惧されるので、デジタルトランスフォーメーションが減少を上回る市場成長しないと厳しいかな。

とりま、ここまで。



5Gで動画広告が伸びるだけではない

通信速度が速くなって大容量化すると、動画広告市場が拡大する。
分かり易い話のようですが、3Gや4Gの時も似たような期待感があったっけ。

結果的には、広告表現はリッチになった。
一方で、肥大化するサイトコンテンツはユーザーの不満も溜めていったのだ。
初期のころはページが表示される限界値として「8秒ルール」があったのだが、「3秒ルール」へと短くなっている。ググったところ、いまや「2秒ルール」である。
端末がPCからスマホへ変わったので、短縮化には拍車がかかったと推測する。
とすれば、5G化でも同様の減少が続くわけだ。

さて問題。
動画広告市場は、どこまで拡大できるのか?
ユーザに許容される限界までだろうが、その限界値って思ったより低いんじゃないかという気がする。

動画コンテンツに動画広告を入れるのは問題ないとしても、ページが表示される秒数が短くなるという事は、広告のデータ量や画面占有率、閲覧時間にも影響がある。
媒体社の調査では、無料視聴の動画サイトなら5秒くらいなら大丈夫の様だ。
ユーザ側の許容度が拡大しているし、広告主側もCTRのみの評価から先に進もうとしているので、需給関係が変化すれば掲載数(配信数)が伸びて市場拡大の傾向は期待できる。

ならば、5分に1本の動画広告が掲載できるのかというと、コンテンツによりけりという気がする。長時間ドラマでやられたら、ユーザはストレスだろう。
このあたりのバランス次第だろう。(テレビの自主規制を採用するとは思えないが。)
ネットなのでJIAAで自主規制することになるのか不明だが、ある程度の拘束力を持たせるのであれば、ネット動画メディアで集まって欲しいところだ。
海外のプラットフォーマーがスルーするって?なら、立法化するしかないよね。
公正取引委員会の調査は国内も含めて行うようなので、もう数年先の話だと思う。

アドフラウドが日本では認知され、ナショナルクライアントも気にし始めているが、だったらコンテンツが法律に触れない内容なのかも気にした方がいいと思う。
何度も書くけど、お金使って広告してるのにヘイト稼いでブランド毀損してるって、アホだよ!?
ロイヤリティを失った顧客を引き戻すのに、アナログ時代は7倍のコストが掛かる(らしい)で済んでたけど、ネット時代は費用算出が可能だとしても計算できないヘイト拡散はイタイ。

■5Gだからできること

高速大容量で低遅延という部分だけで、動画広告という話になっているが、ちょっと待て。
テキスト→画像/音声→動画という流れだけを追っても、広告配信事業者の話でしかない。
もう少し違う切り口が欲しいところだ。

例えば、ち密な表現が可能にならないだろうか?
古くは「シズル感」「透明感」といった雰囲気が、端末ディスプレイの高画質化と高速大容量通信によって、スマホでも伝えられるかもしれない。
一方で、広告の通信費はユーザ負担であることを、もう一度真剣に考えるべきだろう。
通信費は定額制を見込まれているが、費用負担という意味ではなくて、ユーザの時間を奪っているのだ。
「広告ブロック」という結果になる前に、忌避されないように「今度こそ」手を打ってほしい。


2019/04/05

コインハイブ事件を教訓に

サイトに広告を掲載しているのは、コンテンツの対価として収益が必要だからという話ですが、構造的には同じだったので、取り上げてみた次第。

「負けられない裁判だった」モロさん、Coinhive訴訟を振り返る 裁判所からは「涙が出るほど嬉しい言葉」も
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1904/04/news087.html

この記事はSNSでもツイートされていて、広告と同じじゃ!と指摘する方もいて、そうなるよね~という展開。

問題は、コンテンツ作成にコストがかかるというのは誰も否定しないわけで、その対価だからといって何をしても良いわけじゃないという点。
知らないうちにマイニングをさせられてしまったわけで、「不正指令電磁的記録に関する罪」で訴えられてしまった原因だろう。
これは、画像やテキストの広告は大丈夫だとしても、インタラクティブな仕掛けをした広告になると、同様に「不正指令電磁的記録に関する罪」で訴えられる可能性がある。
ユーザの意図しない動作はダメ、絶対

ポップアップやポップアンダーなどの別ウィンドウが展開する表示方法がダメだよって話は、ユーザの意図とは関係なしに新規ページ表示されるわけで、広告のためだけにリソースが消費された(CPU、メモリー、画面の表示領域などなど)と認識できる事象だからだ。
そもそも、コンテンツの対価であるなら「主はコンテンツ」「従が広告」なんだから、広告だけが独立して表示されるという扱いは、コンテンツとの関係性が切れてしまう

さらに、ユーザに嫌悪されてしまうのは、何度も書くが、広告主は金払ってヘイトためてるわけだ。それ、誰のメリットにもならないよね・・・。

2019/03/25

騙されないで、SEO対策やサイト制作の詐欺まがい

心を痛めているのだが、会社対会社の契約を行ったものについては、消費者団体(個人が対象)や業界団体も介入できない(会員でも強制力は持たない)。
そんなわけで、具体的な相談は「弁護士」さんに。
契約書と経緯をまとめた時系列メモは必要。

〇××万円を前金一括出払えばOK

これはビジネスとしてあり得ない。
前金は信用(与信枠)がない場合、成果物が納品されての一括支払い、なので、支払いにこの組み合わせは変です。
インターネットだから、広告だから、制作だから、という理由があっても信じてはいけない。
法務がない零細企業や個人事業主のIT音痴を狙ってるのだ。

〇メールのみ対応

これも危険ワード。
電話対応や顔合わせ、打合せがないのは、布石なのだ。
売込みや契約時に気をつけろと言っても、みんなスルーするしかない(セールストークが出来ている)ようなので、注意点として書いておく。

〇今契約すればお得

契約を急ぐのは、いろいろ調べられたら不味いから。
なので、契約しないのが正解。
もし、それでもいいという場合でも、契約書を預かって弁護士に見てもらおう。
圧倒的に不利な契約内容(相手にとって都合がいい)になっているからだ。

〇こんなに実績がある

からくりがあるので信用しない。
ダミーだったり、無料の代わりに実績として掲載していたり、取引社数だって自己申告なのだ。
もし、お金があれば帝国データや東商工リサーチで調べればいいんだけど、ベンチャーは調査されていないことが多いし大体は取材拒否なので、「会社名」と「詐欺」で検索するといい。

〇うまい話は特殊詐欺と同じ

ホームページを作ったり、リンクを増やしたり、売り上げが倍増するなどという話は嘘だ。
そんなに簡単にいけば、誰も苦労しないし、倒産も早期退職もない世の中になる。
成功しているところは、
・事業主側が自分で勉強して
・自分で失敗を積み重ねて
・発注先と互角に戦いながら
掴みとっているのだ。
インターネットのことが分かりませんとか、SEOとかウェブ解析とか専門用語は分かりませんとか、そんな人は契約したらダメです。

〇事前に周りへ相談を

分からないのに大金を支払う契約をする必要はないので、
・所属組織への相談(商工会、商店会、経済団体)
・知り合いの詳しい人、先生や講師に聞く
・地元の団体にいるITコーディネーター、中小企業診断士に相談
を是非してほしいと思う。
菓子折か薄謝を用意すればいいから。

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結果までは追いかけてないけど、訴訟までした人は多くない気がする。
納期、検収、瑕疵など重要事項が、受注した方に有利な内容で書かれているから・・・。