2018/04/05

日本の広告費2017からインターネット広告費だけ分析

不思議なリリースなので、直リンク行きます。

2017年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析~D2C/CCI/電通が共同で
インターネット広告媒体費の詳細分析を実施~
http://www.d2c.co.jp/news/2018/03/28/2686/

なんと、電通が推計している「日本の広告費」だが、インターネット広告費のところだけ詳細分析したという、ありがたい発表だ。
これで、運用型広告が77%とかスマホ向け広告が約七割とか、グラフ付きで使える。

さて、何が不思議かってお話だけど、

2017年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0328-009505.html

リリースは共同発表の場合、各社が自社を筆頭表記にするはずなのに、電通のリリースを見るとD2Cのままである。
これは、cciのリリース(PDF版を見てね)でも同じだ。
まぁ、気にする人の方が少ないか・・・。すまん。

注意点としては、調査概要を見ておくこと。
追加ヒアリング調査が行われているので、日本の広告費の生データを単純に集計しなおしているわけではない。
これはこれで単体活用すべきだろう。

また、予測もあるので助かる。

あとは媒体カテゴリー別の推計があると楽しいのだが、あんまり細かくするとミスリードも増えるから、一般に発表するのは考えものか・・・。

2018/03/28

仮想通貨の広告掲載禁止が広がる

不正アクセスによる巨額資金流出、不適切なセキュリティ対策などで揺れている仮想通貨だが、検索、SNS大手が掲載を禁止する。

Facebook、ビットコインなど仮想通貨の広告を禁止 Instagramでも
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1801/31/news049.html

Google、仮想通貨の広告を禁止 6月から
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/14/news124.html

TwitterもICOの広告禁止
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/28/news059.html

仮想通貨広告禁止の流れ--検索大手ヤフーやFinTech企業の声は
https://japan.cnet.com/article/35116736/

といった感じで、法規制がない中での自主規制だ。
ツイッターはFAQの中に仮想通貨に関しては金融庁の許可が必要としているので、広告掲載は事前に問い合わせて確認する必要がある。
グーグルは、金融サービス: 制限付き金融商品に関する新しいポリシー(2018 年 6 月)を掲載しているので、こちらを参照。
facebookは、29. 禁止されている金融商品や金融サービス新しい広告ポリシー: 金融商品・サービス関連広告の健全性と安全のための取組として掲載している。

それぞれ、プログラムで検知して排除するには限界があるようだ。
確かに、人が審査しても間隙をついてくる悪徳業者は絶対出てくる。
各社で対応が基本ではあるが、何某かの情報共有(ブラックリスト)する連絡網は必要だろう。消費者庁の管轄になるのかしら。


2018/03/07

ネット広告が嫌われている原因、それは販促?

嫌われてるのは、広告ではなく販促だ!そこにネット広告成長の鍵がある | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
https://www.advertimes.com/20180305/article266773/

このコラムを読んで、広告は何なのかという部分が肝ではないかと思った次第だが、そこを書き始めると本が数冊かけてしまうので、「広告とは何か」に対して概念を持っている/共感できる人には納得の話だと思う。

JIAA植村常務理事の現状整理を引用して説明されている。
うん、この方は面識ある。
そうじゃなくて、広告媒体としてインターネット広告予算が、どういった方向から流れて、出ていくのかという部分で分かりやすい整理の仕方だと思う。
JIAAでスライドを公開してもいいんじゃないだろうか。勿体ない。

しかし、並べて考えた方がいいと思うことがあって、生活者の動向である。
これが無視できない。
一応、1996年から関わっている身としては、テレビ広告を参考にすべきだと思っている。
もちろん、参考にするのは普及や視聴に関するデータであって、テレビ広告のエコシステムではない。(広告表現や規制に関しては、先達の苦労を知るべきだと思うが・・・)

戦後、テレビが白黒からカラーになって一家一台から一部屋一台になる。
リビングから自室での視聴、ビデオの普及によるタイムシフト、など変化があったと思う。
そして、テレビにだってブランド認知やイメージアップのCMがあって、テレビ通販やセール告知のような販促もある。
いや、ネット広告だけじゃなくてマス広告も、販促を目的にした広告なんて沢山あったはずなんだ。

ブラック市場の広告って何なのかと思うが、要は法律違反だろう。
薬機法、健康増進法、出資法、金融商品取引法、建築基準法、不正競争防止法、著作権法、景表法など広告審査が必要なものだ。
今見た広告も、サプリ系なんだが、広告の文面と内容と特商法の記載内容がバラバラだったりするし、波乗りペンギンが審査担当だったら間違いなく掲載不可にする案件だ。(某ニュースアプリ、しっかりしろよ)
当初から個人的には問題視して掲載ガイドラインとか出しているが、ネット広告に関しては広告会社も媒体社も審査体制のない場合がある。あっても知識が足りなかったり、稼ぐために手段を選ばないケースが後を絶たない。
アドネットワークになると媒体すらも違法コンテンツ(著作権だけでなく薬機法などに違反した記事)で釣っているサイトもある。
という部分は、JIAA植村常務理事が整理しているので、見直してほしい。

さて、肝心の生活者の方だが、
テレビ→受信料の支払いがある。
新聞、雑誌→購読料の支払いがある。
ラジオ→専用受信機を買う必要がある。
ということで、ケータイ→スマホで情報を集約したのではないだろうか。
かつて、テレビが他の媒体から視聴読者を奪ったように・・・。
主要耐久消費財の調査が終わっているので、過去の普及率をみればテレビとかビデオはあるので、グラフ化してみるといいだろう。データはここにある。( 主要耐久消費財等の普及率(平成16年(2004年)3月で調査終了した品目)(Excel形式:73KB))
また、生活者の動向については、NHK 国民生活時間調査を見るといいだろう。
どっちもタダで使えるから。

後は、意識の変化とかもはや研究論文ができる世界になってしまうので、手に負えないんだけど、結果的に情報はパソコン→ケータイ→スマホで十分になっていく。
ただし、マス媒体は電波は免許制、新聞や出版は資本や設備が必要なため参入が容易ではなかったり、雑誌だと第三種郵便とか取得が困難な事業場の特約があったりして、サクッとグレーゾーンでやり逃げするのがコスト的に合わなかった。
結果的に生活者は保護されていた(参入障壁が高かったことが幸いした)んだが、ネットになると世界が天地が入れ替わる。
お小遣い程度でサイトを作れるのだ。(技術は学ばねばならないが、規制はない。)
生活者はインターネット媒体を、過去のそれと同じように使ってしまった。
いや、タダならいいじゃん!といって使いまくったといった方がいいかな。
これによって、市場が爆発的に成長することで、さらに多くの人が巻き込まれた。

そもそも、ネット広告媒体がブラックなものを多く含んでいる(グーグル)のが悪いのもあるんだが、生活者側がタダなら何でも良いという方向に流れてしまった事が、事態をより深刻にしていると思う。

■追記

で、広告をユーザーに最適化したら嫌われる可能性が低くなるという話があるみたい。
いやいや、そもそも広告であるという時点で嫌われていることが根本的な課題であって、広告露出の手法や表現の工夫というステップの話ではない。
CTRが0.02%が0.04%に改善されたとしても、CVRが改善されたとしても、その前段階で広告がネガティブであるならユーザの「ヘイト値」を高めているだけでしかない。
どうも、この部分を意図的に抜かしたリサーチしかないけど、広告主は指摘するべきだよね。

また、バックグラウンドアド、インタースティシャルとか、広告だらけとか、おすすめコンテンツが広告だったりとか、問題なのは一定の割合でユーザに嫌われているのである。

■追記

こういう広告記事がある。

「ネット広告=嫌われもの」は解決できる “買いたい”を刺激するマーケティング戦略を実現する方法(PR)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/01/news008.html

アドテクでターゲットにあった広告をすれば、ユーザに嫌われない広告として成果も上がると・・・?

20代、広告表記が「あれば読まない」は3割。「意識したことがない」が4割超【テスティー調べ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/n/2018/03/13/28664

確かに、広告を意識していなかったり、興味があれば広告をクリックする人たちがいる調査結果だが、三割は広告であればスルーという部分を見逃してはいけない。
つまり、ターゲットの三割は広告を掲載した時点で外れてしまっているのである。
スルーしてくれるだけならともかく、掲載方法や場所を間違うとヘイト値を溜めることになり、ことによると「興味があれば広告でも関係ない」と思ってた三割の人にも、ヘイト値がたまるのである。
このヘイト値の溜まった生活者についてリサーチされていないが、広告ブロックソフトを入れたり課金ユーザに広告を出すな(広告も情報であるという立場からすると、なんとも切ない)運動が定着した背景でもある。

アドテクを使った、今は運用型広告が市場も大きくなり主流だが、そもそも掲載する場所や手法に問題があるため、結果しか必要のない広告主ですら、ボットが見ているのか、掲載がされているのか、データは正しいのか、カオスである。
しかも、ブランドイメージを大切にする広告主の場合は、プロセスにこそ配慮すべきだと気が付いたはずだ。
イメージ管理は、CVRでは測れないしね。

■追記

IMJの宣伝記事なんだけど、クライアント企業の発言は読んでおくとためになる。

第2部「デジタルをブランディングにどう生かせるか?」ダイキン工業 広告宣伝グループ長 片山義丈氏
https://webtan.impress.co.jp/e/2018/05/08/29019

ちゃんと判断していただけるクライアントに出会えた人は幸運である。
ABテストで勝ち抜いたバナーに広告として意味があるのか、スパッと答えている。
購買対象に絞り込んだつもりが、取りこぼしだらけになる。
そもそも、市場で自社製品に対する購入意向を高めないと、販促で刈り取れるものも限られる。
広告と販促は両輪で、対等で、不可分なのだ。メディアが違えど・・・。

2018/02/27

インターネットメディア協会(JIMA)設立準備会

広告媒体ではなく、媒体としての協会設立へ向けた第一歩。
藤村さんも発起人に入っている。

ネットメディアの信頼性向上を目指して「インターネットメディア協会」の設立準備会が発足
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/27/news051.html

スピード優先だったのか、動きやすそうなところから集まったのか、この手の団体だと発起人は量と質が足りてない気がする。
これから巻き込むにしても、事前調整が大変なんだろうと推察する。

こういう団体には、グーグルとかフェイスブックとか、極東の動き程度にしか相手してもらえないから、国内の有力企業で固めるしかないんだよね。
記事を読む限り、ザックリとガイドライン作って周知していきますよって感じだけど、いやいや、ガイドライン作るの大変だから。
ネット広告とかモバイル広告とか、制作とかのガイドライン作ったけど、死ねる・・・。

それはさておき。

インターネットメディアの対象となるメディアって何かという部分が?なので、このあたりから明確にしてほしいと期待している。
藤村さんは「コンテンツを作る側だけでなく、情報を流通する側も合わせてネットメディア」としている様に、作る側も流通する側も多様すぎると思うんですよ。
ある程度の縛りというか境界線は必要かなと。

下手な媒体社より、個人の方が発信力や影響力があるのでね。

2018/02/26

日本の広告費2017、二極化する広告主

恒例の電通推計、日本の広告費2017がリリースされた。

2017年 日本の広告費
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html

6兆3,907億円、前年比101.6%全体でわずかに伸びているが、増加業種(6業種)と危うい状況には変わりない。
また、北原氏による解説も行われている。

「2017年 日本の広告費」解説―止まらないインターネット広告費の伸長で6年連続のプラス成長
https://dentsu-ho.com/articles/5843/

■デジタルトランスフォーメーション・・・なのか?

数字的にはマスメディアが数字を落とし、ネット広告が伸びている。
これは、企業がデジタル化を進めた結果かもしれないが、データにはない広告主の動きが隠されているんじゃないだろうか。
一つは、ネット広告とマス広告を使う広告主が増えたのは確かだけど、ネット系の広告主がネット広告からマス広告へ広告予算を投下している。たとえば、スマホゲーム。
もうひとつは、マス広告の予算はないがネット広告ならできる中小・零細広告主が増えていること。運用型広告。
地方局や地方紙の出稿金額って、ネット広告と予算規模的に変わらなかったりするしね。

花王、パナ、資生堂などの広告費予算もすごい企業は、デジタル対応も進んでいるのはイベントのセミナーを聞いていてもわかるが、それ以外の広告主はどうしているのだろうか。

そもそも、サイト制作や広告運用だけでも人材は確保できないはずだし、社内のデジタルリテラシーは思ったより進んでいないはずだ。
それでデジタルトランスフォーメーションが起きているから、というのは早い気がするのだ。
社内にある情報資産のデータ化、共有化はネット広告並みに安く手軽にはできない。
(そう考えると、グーグルはスゲー。無料提供したツールは革命的だったのだ。)

■今のうちに人材育成を

ウェブ解析のレポート作成ができるとか、広告運用の操作ができるとか、実は育成すべき人材はそこじゃないと思う。
結果、某社が起こしたように「不正請求」や「過労死」は避けられない。
そもそも、それ以前の話でしかない。

運用型広告の場合は、管理画面を広告主と確認すれば済むことだ。
分析レポートも、そんなに項目やデータが必要なのか考えるべきだろう。
広告主によっては、KPIも異なるし一律にやる必要はないはずだし、そんなに詳しく見て検証すべき部分なのかという疑問が残る。別なところに労力を割いた方がメリットがあるんじゃないかと・・・。

これは、広告主側に指摘できる人材の確保が望まれるんだと思う。いわゆる、Webアナリストがいれば済む話なんだけど。
概念把握さえできていれば、数字の確認は管理画面で説明されれば分かるはずだし、不要な項目を減らせば効率も上がる。打ち合わせの時間も削減できる
マーケティング全体の最適化をしないと、デジタルトランスフォーメーションもあったもんじゃない。

■追記

電通デジタル、企業のデジタルトランスフォーメーションに関する実態調査を発表 | 共同通信PRワイヤー
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201712209316/

電通デジタルで調査してたのね。
このリリースを読むと、デジタルトランスフォーメーションは、12%しかやっていない。
有力広告主が母数であるならば、広告費の押上げは可能だが、「調査対象者数    :354名」であって社数ではないしスクリーニングされているかもしれないので、鵜呑みは危険だ。これが、500社の経営層であるなら素晴らしかったのだが。

2018/02/22

メディアをまたいで効果検証できるのか

メディアニュートラルというワードが出てこないのは、いかがなものかと思いつつピックアップ。

広告主はネットと放送の進捗をクロスチャネルで追跡できる時代に:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/379554/020100028/

だから?
という話になるんだと思う。
現実、Web分析が無料でできるのに活用されていない。
おそらく、広告主でも一割以下じゃないかな、データを使っているのって。
下手するとコミュニケーション戦略の策定とかマーケティング課題を、外部のコンサルに丸っと投げてしまうこともあるだろう。(オリエンシートが誰が作ったのか、広告会社にはわからないにしても)
まぁ、意思決定がなされていれば問題はないと思う。
脱線した。

そもそも、顧客データがあるのに、それに向き合えないところを変えないと意味がない。
Webサイト分析、広告効果測定、とか部分最適化をつなげても全体最適にはならないはず。CRMとか、どこ行ったんでしょうか。
収益はリピーターから出ているはずです。

数十年前から、顧客の製品アンケートデータを持っているメーカーは、それだけでビッグデータなのに、まったくCRMに生かされてなかった。
一部の大手家電メーカーは対策を取り始めたが、オンライン登録できるようにしただけだ。ログイン認証も個別でSNS連携とかやってないし、もったいないよね。

これで集客側となる広告媒体の効果測定をしても、
・根本的に無駄打ちは排除できない。(購買者の特定ができない、やっていない)
・顧客に対するフォローができない。(再購買、ブランドスイッチ防止)
とか、かなりクリティカルな部分の課題がスッパリ抜けているので、
いわゆる部分最適となる広告プロモーションの効果効率だけに終わる。
いやいや、マーケティングは企業活動の全体を対象としているわけで、リソースを割く順序が違うと思うんだよ。ね。

まず、社内に死蔵してるか分断しているデータ(だいたい、情報システムと揉める。個人情報保護的に手続きの面倒さからくる拒否感から、責任部署が抵抗する。)をまとめて、顧客を見た方がいいと思うんだ。
一人の顧客として、某家電メーカーにたいして思っていることなんだけどね。
AVとか連携機能があるため同一ブランドで揃えたりするじゃない。
でも、肝心のテレビが故障が多くて幻滅したユーザが次にとる行動は、ブランドスイッチだよ。テレビ、ホームシアター、ブルーレイ、ビデオカメラからデジカメとか総額で受けるダメージって測っていないでしょ。
修理依頼の履歴とか、AI使ってデータを活用すれば、製品開発のPDCAにも貢献するはず。

そのうえで、メディア間の効果測定をしないと、先がないと思うんだよね。(ワザと?)

■追記

ブランディング目的のデジタル広告費、2018年も増加傾向に--VRIらが調査
https://japan.cnet.com/article/35115039/

こうなるよね~


2017/11/17

アドフラウド、ビューアビリティ、ブランドセーフティ

初稿を送信して、ひと段落ついた。
2017年を振り返って、記事の数に関係なくトピックを挙げたところ、キーワードはタイトルの通り。

〇国家単位の規制では塞げない穴

広告業界的には、公正であれば市場として健全でいられるという良い話。
でも、広告を悪用する、されてしまう隙を塞ぐって事も対応しなきゃいけない。
日本だけで対策しても海外はルール無用だと、経済的に潰されてしまう。
法的な対応を求める声も多いが、結果としては最悪の選択になるだろう。

今回は、IABのイベントでP&Gの偉い人が、「アドフラウド」けしからん!といったこともあって、助かった一年である。
昨年から、米国では大統領選に絡んで「フェイクニュース」問題と「人種差別ターゲティング」可能な広告設定が出ていた。
これに、そんな問題あるサイトを広告媒体として経済活動を成立させているSNSに、広告掲載はしないというグローバル企業がたくさん名乗りを上げて、日本側も「アドベリフィケーション」機能を広告配信プラットフォームに追加する動きが加速した感がある。
IAB日本支部となったJIAAの活動も実を結んだ。

やっぱり、広告主の影響力が頼り。

〇アドベリフィケーション!?

まだ用語として定着していないようだが、広告がちゃんと掲載されていることを検証できる機能らしい。これによって、透明性が確保できるということ。
どんな場所に掲載されたのか、まずいのは排除するための機能だ。

最初から安心できる媒体だけに絞ったのがPMP(プライベート・マーケット・プレイス)だから、身も蓋もない言い方をすると、最初からちゃんとしとけよ!ってことになる。

まぁ、結果だけしか必要ないよね~というプロセス軽視が、インターネット広告の流れであったわけで、二十年以上も業界を見ていると「ようやく、ここまで来たか」という感慨深いものがある。

一方で、急激に成長したネット広告業界では、十分な教育や勉強の機会はなかったわけで、特に倫理観に関しては欠如していると思ってもいいだろう。
もちろん、倫理重視だと「隙間をついた」ネットビジネスは出来なくなるので、「やっちゃえ!」という展開になるし、そこに資金と人が集まるという投資側の倫理問題も大きい。(キャピタルゲインを得るために、圧力をかけるという話もよく聞く)

〇ユーザーとして素直に考えよう

二十年近く、広告の掲載に関しては「制限を設ける」ことを発信している。
別の公的な場所でガイドライン化した原案でもある。
どれも、理由があっての項目なのだが、この背景にある倫理観を共有していないと、文字面だけでは伝わっていかないのを実感している。

最近、米国IABもガイドラインを発表した。

ネット広告業界団体IAB、“容認できる広告”の指針「L.E.A.N. Ads」プログラム立ち上げ - ITmedia NEWS
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1510/16/news054.html

一人のユーザーとして、こんな広告の見せ方されたらウザいな、ということはやらないことだ。
「できることと、やっていいことは、別。」

結果的に、広告の掲載単価は下がり、掲載することで一定の反感を買い、本来得られたはずの成果を逃がしてしまっている。
大層なお金を使って・・・。
みんな薄々わかっていたはずだが、大きな問題になるまでスルーしていたわけだ。

成果だけということは、プロセスを見ないわけだから、掲載されようと見られまいと関係なくなってしまった事も要因だと思う。
しかし、ここで「よりよい掲載方法を考えよう」ではなくて、全部のサイトとページに掲載して量を拡大すればいいや、という方向になったのは知っての通りだ。
どんなにAIを使ってターゲティング精度を高めても、ウザい限りは誤差の範囲でしか数値も変わらないだろう。(1990年代後半は、バナー広告でも平均10%のCTAが得られていた。今は、0.02%とか・・・。)

〇コンテンツにあった広告、人を絞り込むだけ無駄

一人のユーザとして不愉快なんだが、四方をバナー広告が囲んでの間にテキスト広告というメディアサイトが多すぎる。
しかも、某企業の不祥事に絡んでサイト訪問したら、ずっと広告が着いてくるのだ。
ケンカ売られているとしか思えない。
絶対買わない。

違法コンテンツにナショナルブランドの動画広告が出ていた。
あまりに残念で、その飲料食品は家にあったのだが、廃棄してブランドスイッチした。
自分も加担しているような気になったからだ。

そう考えると掲載する媒体を合法的なものにして、広告をばらまいて、リターゲティングしたところで、ユーザーとの良い関係からしかブランドは構築できない
コンテクストがないからだ。
企業のマーケティング(カスタマージャーニーマップ)ではなくて、ユーザー側(インサイト)のね。

今でも笑えない話だが、
・車を買った後でも、車の広告が出てくる。
・ニュースで女性向けの商品を見た後、男性なのに広告が付いてくる。
てなことは続いている。
googleでは広告の右上にあるインフォメーションマークをクリックすると、「興味ない」「買ったよ」というレスができるのだが、そこまで面倒なことは続けられない。
広告を見るためにサイトを訪問したわけじゃないし、その労力をユーザーに強いるのはおかしい。

コンテンツただで見ているんだから、広告ぐらいで文句言うなよ、という広告業界関係者もいる。
でもね、広告の方が多いって、本末転倒だと思うんだけど・・・。