2016/07/07

D2Cによるインターネット広告市場規模推計調査はラスト?

2015年のスマートフォン広告の市場規模は? ~「インターネット広告市場規模推計調査」(D2C/CCI独自推計)より~

D2Cのオウンドメディア「D2Cスマイル」の調査担当者が記事を上げていたのでピックアップ。
電通「日本の広告費」がザックリなのを補足する調査として重宝していたのだが、

スマートフォン広告がインターネット広告媒体費の過半を占めるまでになり、今後更にインターネット広告全体の成長を牽引する原動力となっていくことは間違いないでしょう。こういった状況を踏まえると、デバイス別に集計しスマートフォンの成長を追う本調査も一定の役割を終えたのではないかと捉えています。
今後は、別の切り口でインターネット広告市場の動向をウォッチしていきたいと思います
最後の一文に何やら終了を匂わせている。悲しい。
確かにスマホ広告が大半を占めるようになっていると意義は薄れるのだが、統計調査は継続することにも意義があるはず。いや、それは国の役割か。私企業が続けるのは辛すぎるよね。

で、次の切り口はどうするんでしょうね。、運用型広告が過半数を超えているのでカテゴリーも意味ないよね。
ネイティブ広告、純広告、タイアップ(スポンサーシップ、記事広告)を調べるとか?

波乗りペンギン的には、広告費というよりデジタルマーケティングの市場推計調査にしてほしいかな。
マーケティングオートメーション、メール配信システム、DMP、CMS、アナリティクス、というツールの導入率とか活用状況は知りたいなぁ。現状は、惨憺たるものだと思うので、数年後を考えると統計的には、いま始めるのが美しいと思う。
あとは、サイトの運営は自社完結なのか委託しているのはどの部分か、どの部署がサイトを管理して予算を持っているのか、営業と連携しているのか、CIOとかCMOはいるのか、いろいろあるんだけど検討してよ。(笑)

ちなみに、波乗りペンギン的に聞いている話だと、大企業だからといってデジタル対応ができているとは限らないというより、業種によっては今後の対応という企業が多くて、マーケティングのデジタル化の夜明けは遠いと・・・。
ネット広告費だけ増えても、それってさ、媒体構成比が変わっただけのことでしょ。
もっと他にインパクトのある動きを追うべきじゃないのかな。

2016/06/16

電通がデジタル・ビジネス局を廃止

【人事】電通、デジタル・ビジネス局を再編 | AdverTimes(アドタイ)
http://www.advertimes.com/20160613/article227028/

やはり、電通デジタルを設立したからだと思ったのだが、違った。早合点
デジタル・ビジネス局を廃止し、同局の機能を新設する「デジタルアカウント室」と「デジタルプラットフォームセンター」に移管する。顧客対応をデジタルアカウント室、メディア業務はデジタルプラットフォームセンターがそれぞれ担う。
媒体と企画推進という古い言い方にしてもらったら分かったのだが、機能分化させたようだ。
カタカナと略称で組織名からわけわからん状態なのだが、組織図が公開されていないので聞きようもない。昔は親切だったなぁ。

さて、組織が変わっても広告会社の営業は変わらないので、テレビ(広告)を売ってもネット(広告)は売れない状況は同じはず。
ネット専業でもない限り。
だから、「顧客対応をデジタルアカウント室」が必要なわけだ。
おそらく、客先への同行とか対応は担当営業がブン投げちゃうんだろうね。

ネット広告費が一兆円越えだというのに、そんな馬鹿なことはないと思うでしょ。
大手は二兆円のテレビ広告費で稼いでるので、日本の広告費とは違うんだ。
それと、ネット広告の手離れの悪さ、PDCA回す終わりなき作業、人事ローテで広告主の担当が数年で変わるリセット、実権はシニアが握る日本の会社。頑固です。
物珍しかった二十年前と比べると、今の方がつらい気がする。

やはり、上手い事切り離すしかないんだろうなぁ・・・と思った次第。

2016/06/07

若者が新聞に振り向くの?

若者を、振り向かせろ
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/tokusyu/index.html

いつの時代も、若者は分からない存在である。大人たちは、若者が何を感じ、何を考え、どうしたら若者の興味や関心を引けるのか必死になっている。今回は、遊園地、プロ野球球団、中高生向け新聞をそれぞれ取り上げ、若者を振り向かせるための挑戦と格闘について聞く。
ということで、読売ADリポートから特集を取り上げる。
実に興味深い。

新聞は10代の新しいメディアになれるかもしれない|ojo 
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/tokusyu/201606/201606toku5.html

ほかにもあるのだが、もはや新聞媒体の課題は棚上げ。
記者しか言及していない有様。
残念である。
興味深さは半減どころかなくなってしまったよ。

気を取り直して、記者の最後の段落から引用。
彼らは新聞を「読まない」と拒否しているわけではなくて、そもそも新聞を「読んだことがない」。
そうです。もはや発行部数が示す通りで、紙媒体としての影響力がなくなってます。
しかし、掲示板やSNSでニュースのソースとなっているのは、もともとは新聞記事だっりするんですね。
なのに、新聞社は対策というか適応をしなかった。

キュレーションの前にポータルへの記事提供とか、個人サイトの記事引用とか、チャンスは過去にたくさんあったのですが、とっても簡単なことで新聞社は許可以外のリンクは認めないことにしてしまった上に、リンクは半年で切れて、収益に対するコストが重すぎるから、直リンクはダメ。

そこから先は現状の通り、発行部数は減り、ネットでの影響力もなくなる。
だったら、事実報道じゃなくて取材特集でスクープ取ればいいじゃんというのも無理で、そりゃ週刊誌だろみたいな。
うん、日本の新聞社はテレビやラジオの親会社的な余裕があるのよね。

でも、そもそも読まれない紙媒体は意味がないわけで、広告主も販売契約を削減して新聞を読まない方向にシフトし、新聞を読まなくても困らない世界が出来上がった。
受験や就活では必須だったんだけどね、子供の数も減ったし、絶対数が違うんだよね。

月々の新聞代も家計から考えると分かりやすく減らせる支出だし、テレビとスマホがあれば代替可能だし、困るのは小学校の授業で用意しろと言われた時くらいだ。
風呂やキャンプの焚き付けに使う機会もないし、便所紙に使ったり、兜を作ることもない。トイレットペーパーに交換する光景も見なくなった。

紙である必要がなくなったとして、どうするんだ新聞社。
という十年前の話を書いても今通じるとしたら、それはそれで怖い・・・。



2016/06/02

アドウィアジアが始まる

アジア初開催、「アドバタイジングウィークアジア」始まる #ブレーン | AdverTimes(アドタイ) http://www.advertimes.com/20160601/article226277/

だからなんだという話だろうか。
輸入イベントとしてはアドテックがあるという話はあるのだが、ここ数年の気になることが現実化してきた象徴なのでピックアップした。

一つはインターネット広告の伸長と共に、デジタル化を進めていこうという人と
デジタル化を取り込もうとする人がいるってことね。
前者と後者は似て非なるもので、アンチデジタルではなく広告を崩していくのか守っていくのかという根っこが違う。

アドテックのボードメンバーから電通が消え、参加者もコアな方が参加しなくなっているらしい。世代交代とか、適材適所という言葉もあるんだけど違和感あったんだよね。
そこで、「広告」をテーマにアドテクも含むというアドウィアジアが、電通に事務局を置き代表に電通出身者がなっていることで、納得がいったんだよね。

確かに、海外ではインターネット広告が主力となっているし、日本もそうなるのであろう。一方で、ネット広告が広告であり、広告は悪いものだというイメージが定着しつつある。これは、大手広告会社だけでなく広告主も媒体も都合が悪い。
焼畑的な購買にだけ絞れば効果効率を高めるネット広告は歓迎だが、広告を見なくなるだけでなく嫌悪感が強くなると、掲載するだけ一部のユーザからの突き上げを回避するためにインパクトのある尖った広告が打てなくなり、競合他社と表現的(メッセージの強さ)に差違化できなくなってくる。(カップヌードルの不倫元アイドル批判とか)
そして、リーチをローコストで獲得し新規顧客の誘引を図りたいのだが、それもできなくなる。では、事前にターゲティングしてやれば問題ないじゃんという話もあるのだが、それだと数が確保できないし事前のターゲット設定が間違っていなければ、という現実に直面する。
テストマーケや調査は精度が上がっているとはいえど、どの企業もできるものじゃない。
発売前の商品に数千万単位でお金を使うのだがら、開発費は高くなる。
日本は消費者の嗜好に合わせて商品開発サイクルが海外よりも短い。
規模の問題もあるしね。(日本は1.2億人なのよ、所詮)

そうすると、広告を長年作ってきた人からすると、アドテクとか言って広告をデジタル化したような言葉を使ってはいるものの、だれの為にもならなくなっているのを変えなきゃならんということだろう。
二十年掛かっているが、今さらでも遅くはない。
ただ、かなりダメージは深刻なので、イベントを通じた教育や発信は長い時間をかけて浸透させる必要があるし、もっと多くの人を関係者を巻き込まなくてはならない。
こっちに協力要請も来ていないところから見ると、不安だ。

2016/05/26

刷り物がなくなる日

E Ink、“フルカラー”電子ペーパー技術「ACeP」発表 まずはデジタル広告から - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/25/news138.html

ビットコインなど仮想通貨を規制する法改正案が成立 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/25/news139.html

顔写真1000万件から特定人物を8.31ミリ秒で発見―――東芝、ビッグデータの高速照合技術を開発 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/25/news157.html

かたやポスターを印刷しなくてよくなるし、仮想通貨は紙幣を印刷しなくてよくなる。指名手配犯のポスターも印刷しなくてよくなる。
そう考えると、デジタル化もリアルに感じられるようになる。

一方で、ビッグデータ解析なんて話は、アナログで済ましていたことがデジタル化されることで格段に容量が増えそうで、AIでなければデータの掘り起こしすらできない気がする。
デジタルサイネージでは効果検証のために、通行人の年齢や性別を自動取得するシステムもできている。これを指名手配犯探しに応用すれば行ける。
仮想通貨は匿名性がカギなんだけど、これが追跡できるようになると詐欺などの経済犯罪は検挙率アップは間違いない。
でも、どんだけのデータ量になるか・・・。

デジタルマーケでもデータがあるのかないのか、取得する必要があるのか、あっても使えるのか、取り扱いがむつかしい。
これを一意性を持たせた顧客番号に紐づけて分析するとなると、どんな処理が必要になるのか考えたくない。
クラウドで処理速度や記憶容量は確保できたとして、運用維持費はどのくらいになるのかな。外部のデータベースとも連携しないとダメだろう。

だったら、普通に広告出してリード獲得したらメール送って、購買者だけ会員化した方が人の処理範囲に収まってコントロールしやすいのではないだろうか。
少なくとも、大企業しかできない世界になりつつあると思うんだが。

スマホ動画広告市場は必ず来る!?

スマホ動画広告市場はいったん踊り場が来るが、その後スパークする。~その間でテレビがプログラマティック対応できないと主役は逆転する~
http://g-yokai.com/2016/05/post-381.php?platform=hootsuite

言わずと知れた業界人間ベムこと横山さんのエントリー。
もう、神です。

そて、波乗りペンギンは記事の指摘にある従量課金制の通信問題がWifiで解決されても、スマホ動画広告はゆるりとした拡大になると予測してます。
テレビがスマホに移らない(映らない)と、ドラマや映画だけでは隙間時間を埋められないからです。そう、モバイルは隙間を埋めるメディア端末です。

モバイルで勘違いするケースが多いのは、一番利用している場所を出先だと思っていることなんだ。調査によると自宅だよ。
その点では、従量課金やバッテリー問題は解決するんだけど、なぜ動画視聴が今後伸びるのかという部分があるよね。
もう、流行ってていいわけじゃない?
そう考えていくと、コンテンツの問題しか残らないんだよね。

追記 2016.9.6.

日本で投資拡大、ツイッター副社長が方針  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06889940V00C16A9X1D000/

米国ではツイッターをブランディング動画広告のメディアとして使っているそうだ。
日本の利用者は多いということで、専門チームを編成して頑張るって記事だ。
他の媒体に執筆している記事では、大人の事情でマイルドな書き方をさせてもらっているが、ネットでブランディングをしようとする広告主は多くないうえに、対象は若い層になるので広告主は絞られる。また、テレビの影響力が落ちているとはいえ、それでも半分以上にリーチするのがテレビだ。
あくまでも補完、としての利用からスタートになるはずなので、すそ野が広がるには中長期的な取り組みになろうかと。

いくつか調査結果を見ていると、動画視聴にはコアな層ができているので、定着はしているとみていいだろう。ただし、普及ポイントは超えていないと現時点で見ている。
いや、普及ポイントを超えられずに数年が経ってしまっているといった方が良いかもしれないね。

2016/05/19

テレビCMを止めてネットシフトのボンカレー

残念ながら、有料記事だったり登録利用者しか読めないコンテンツなので、読めない。


ボンカレーが広告宣伝費6割減なのに売り上げ微増、コンテンツ「熟読率」を測定して動画に誘導強化
http://business.nikkeibp.co.jp/atcldmg/15/132287/020900110/

マス広告からの転換で売上成長120%も達成!ボンカレーが進めるプロモーション施策 (1/2):MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/22554

仕方がないので、別ルートから読む。
だが、有料なので内容は書けないじゃん!!

記事には直接関係ないところで話を書かねばならない。
大丈夫、この手の話にはパターンがあってオチがある。

・認知率が高い社名や商品名を持つ会社が既存広告を減らしたり、予算削減をする。
・ターゲットが絞られ(母数が減るのが現実)て、広告の費用対効果(ROAS)は上がる。
・効率を追求し、売り上げも落ちないため、数年に渡り施策継続する。
・数年後、売上下降し商品単価が下落、会社の業績が悪化する。

以上かな。
ボンカレーは違うかもしれない。店舗への営業力が強い場合、競合他社の影響、によっては市場環境という前提が崩れるからだ。

エクスキューズはこれくらいにして、実際見たケースから話を書いておこう。
ネットに限らず商売は、「新規」「リピーター」によって構成されている。
 ※リピーターは細分化して分類するんだけど、ここでは問わない。
アドテクで効果効率を追求しているのは、実は広告のリピーターなのね。
だから、ネイティブアドと組み合わせるのは新規の流入増大が本当。
しかし、どっちにしてもターゲットが絞られれば絞られるほど、ROASは上がるんだけど、ターゲットでない人たちには広告は届かないので、状況によってはブランド力が弱くなる。
企業の言い分だと、顧客の囲い込みが出来て安定する様な言い方になるんだけど、顧客の年齢が持ち上がったり、趣味嗜好が一方向になっていたりして、変化が起こらない顧客層に対応する企業になってしまう。
こうなると、競合他社や異業種参入による市場環境の変化には弱い。
新規顧客の流入を少なくして数年経つと、知名度はあってもブランド力は相対的に弱くなる。価格が同じなら、他社へ逃げてしまうのだ。