2020/02/12

ネットを含む広告会社系の半期、四半期決算

ども、冒頭部分を書き忘れた波乗りペンギンです。
世界経済や日本経済が一部凹んでいる気がしている中、新型コロナウィルスの影響が怖い今日この頃。
おそらく、今後の業績は二極化が顕著になるだろう。ネットだから成長するなんて、誰も思ってないと思うが・・・。

■サイバーエージェント 2020年1Q決算発表 決算説明会資料 (PDF 3995KB)

資料はミドルページにリンクしているので、そこからリンクをたどってほしい。
好調ということで、売上高: 1,156億円 、営業利益: 77億円。
AbemaTVの赤字を50億も抱えての業績結果なので、恐ろしいものがある。
P6の販管費の推移、P7の社員数を見ると、社員を減らして人件費を下げている。
また、業績見通しも幅がある。

今年も先が見通せない不安定感はヒシヒシと感じる。
・コロナウィルスの流行
・5G日本でも開始へ
・オリンピック、パラリンピックの東京開催
・自然災害(大雨、強風、地震など)
・紛争(中東)
・貿易戦争(米国vs中国)
とか、直接か間接かの違いはあるけど、日本経済へのダメージはある。
5Gがダメージを与えるってのは、通信会社の設備投資が増えて、新サービスなどで市場拡大する前提で動くからだ。
投資した分の回収、市場の成長速度、通信料金や端末更新の利用者負担はマイナス要素だ。大容量、高速通信とかスペックは凄いけど、それを生かすコンテンツ提供側の開発費は高騰する。低遅延とかサーバ処理能力を物理的にも上げなきゃいけない。
そして、5G対応端末の普及速度は3G、4Gと比較しても遅くなる。
だって、0円端末とか規制によってなくなったので、利用者側の初期投資が必要になったからだ。

■オプトHD(デジタルHD)  2019年12月期第4四半期決算説明会資料

PDFは直リンクです。
なんと、商号変更とのこと。(P23)
ネット専業広告代理店から脱却を図る、ということらしい。そこまでは言ってないけど・・・。

今四半期は、売上高 273.8億円 経常利益 32.06億円
景気の影響を受けやすい広告業で、巨人である電通HDや単独二位の博報堂HDという壁がある以上、「シフト」しないと売上というか規模が出せなくなったのだろう。(P24)
個人情報保護からのクッキー規制など、アドネットワークや周辺市場がダメージを受けると観測されているのも、大きいだろう。

うーん、精度を上げたターゲティング広告で数字的には説明しやすくなっていたが、広告主はCTRやCVRの数値改善は、上限なしで(比例して)企業の利益になってないことに気が付いた節もある。
デジタルコンテンツ系なら、規模の拡大はサーバなど増設することでリアルに比べれば楽だけど、物が絡むリアルとか時間もコストも掛かるわけだから、集客だけ成功してもね・・・。

■セプテーニ・ホールディングス 2020年9月期 第1四半期決算説明会資料

PDF直リンク。
収益 43.62億円 営業利益 5.72億円
電通の資本を入れて、ひとまず安心といったところか。
ネット専業代理店の流れは変わらずとみた。なんか、昔のオプトを見ているような・・・。

収益の9割近くが広告(デジマとなっている)だが、電通グループ内での取扱領域(P53,54)が今一つ見えない。
デジタルマーケティングのビジネスモデル(P58)と、新規事業の取り組み(P30)が、なんか繋がらない。
見るべきところもあまりないかな。

■博報堂DYHD 2020年3月期 第3四半期決算説明会資料

PDF直リンク。
売上高:1兆682億円、前年同期比+1.3%
営業利益:376億円、前年同期比-23.5%
4マスの減じた分をネットが余裕でカバーした感じだが、伸びどまりだろう。
電通も下方修正を発表してたし。

数字しかないので、2020年3月期 上期 決算説明会資料(中期経営計画の進捗状況)<解説つき>を見る。

P5「次世代型デジタルエージェンシー」にアイレップが好調とのこと。
グループ全体のデジタル化は、グループ内横断組織を作ったり、いろいろ手を打っている印象がある。うまく行ったとみるべきだろう。
あとは、どう組織というか会社を統合していくか、うまく混ざるのか?
HDYデジタルとDACの経営統合は、業務内容も人もデジタル系だから大丈夫だけど、リアル系は厳しいと思われる。

カルタホールディングス 2019年12月期 通期決算説明資料

PDF直リンク。
売上高 261.58億円 営業利益 38.39億円
増収増益ということらしい。
どこも販管費、人件費が重くなっている。
良いことだ。

P13の事業概要を見ながら、P6セグメント業績を見る。
コンシューマ事業の利益が少ない。
レップ業が半分を占めているので、アドネットワークが減衰しても、枠販売に希望が残りそうだ。その場合は、コンシューマ事業は対メディアで足枷になるかも。

あとは、具体的に飛躍する事業ってなんだ?という部分。
誰も見えないから未来は楽しいけど、テレビやOOHって大手広告会社が利権を持っている世界だし、ナショナルクライアントが相手になるから、売上が伸びると考えているのかな。

■アドウェイズ 2020年3月期 第3四半期決算説明会

PDF直リンク。
売上高 91.25億円   営業利益 1.03億円
博報堂DYMPと資本提携した効果なのか、持ち直した。

気になったのは、P7「法令遵守に伴う広告出稿の厳格化により健康食品及び美容関連の案件が減少」。どんどん厳しくなると思うけど、HDYMPから良質な案件が増えれば、大丈夫のはず。
そんなクライアント向けにP23で広告手法を紹介している。
それを生かせるクリエイティブが作れるかどうか、目新しいだけだと続かないからね。(遠い目)

■電通グループ 決算説明資料

PDF直リンク。
バレンタインデーに決算説明会、資料は公開済み。
2019.01-12 売上高 5兆1,468.02億円 前年比 -3.9%
利益 -808.93億円
赤字です。
P5の地域別を見ると、アジア地域のマイナスが大きい。

P14以降は今後の話だが、DXに軸を置くようだ。
電通という規模と影響力を考えると、クライアントだけでなくメディアのDXも入るだろう。

P30のオペレーティングマージンだが、低下が止まらない。
ココだけ見ると、それしかわからないが、P39国内デジタル領域の構成比をみると、構成比が増えると利益が低下する傾向がありそうだ。
単純に、媒体利益率(手数料率)の違いもあるが、海外だとフィー(代理店報酬)制度だったりして、単純な話でもない。

■まとめ

と、最大手の電通が赤字。
米中貿易戦争の影響だけでも厳しかったのに、新型コロナウィルスで中国経済はズタズタだし、サプライチェーンでつながっている以上、日本もダメージを受けてしまう。
真っ先に削られるのは、広告費だしね。

具体的に思いつく懸念は
・製品不足によるメーカーのキャンペーン中止、長期化すると広告費どころではない。
・感染抑止による観光業の広告露出低下、インバウンド系は広告主がヤバい。
・交通や運輸も広告露出を見合わせたり、キャンペーン中止。
・イベントの中止、日本は五輪があるので大型イベントは延期しても会場確保不可。
・外出抑制による来店者の激減、飲食や小売りは死活問題。
・ネットのデマで市場が混乱。(効果のある食材とか、買い占めや転売)
あたりかな。

どうか、早く終息しますように。

以上

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