2017/07/28

サイバーエージェントの3Qも好調



金額は伸び続けているので、売上が増えてお金が回れば事業は拡大する。
もはや、細かく見ても意味はないと思いつつ、運用型広告の拡大に伴うネット広告業界の軋み、シワ寄せを感じていたので、何か分からないかと決算資料をみてみる。

■サイバーエージェント 2017年9月期第3四半期決算説明会資料

資料6P、7P 人件費が伸びているのは社員数が増えているからだが、「その他」って何なの。
資料3P ネット広告は利益率8%。運用型広告が主軸になっているからか。2013年まで遡ってみたが、7%台後半の時期もあった。金額的に増え続けているので、利益率まで見てなかったな。
こうしてみると、人員をネット広告事業に振り向けて量をこなして売上と利益の金額を伸ばしている、という当たり前のことなんだけど、人員の増加を考えると利益率を改善するほど業務の効率化はされていないんじゃないかと思う。

■オプト

発表は8月10日。
過去の資料を見ると広告の利益率は3%-4%程度か。サイバーエージェントは公開しているが事業ごとの人員増減がないため、何とも言えない。
もし、2Qで利益率が大幅に改善しているとしたら、興味深いことが類推できる。

■セプテーニ

発表は8月1日。
こちらも過去の資料を見ると、広告の利益率は6%程度。
こちらは、最後に事業ごとの従業員数が記載されているが、1000人以上もいる。
取扱高の伸びと人員の増加は一致していないが、増加傾向にある。

■アイレップ

こっちはDACと統合してしまったので、不明。
間違いを承知でメディアサービス事業だけで利益率を計算すると9%台。
アイレップの過去資料を見ても事業別はないので、全体の9%台とみればいいのかな。

以上、ザックリだが事業区分が異なるはずなので、横並びで比較できているとは思わないで欲しい。各社の事業区分が同じであれば、利益率の推移と社員の増減、サービスごとに比較することで「アドテクは人で回す」という事が言えたかもしれない。
残念ながら、何も言えないという結果でした。



2017/07/12

デジタルシフトとか一部広告主に過ぎないが

書籍のPR記事なのだが、Q&Aがいい線なのでピックアップ。

デジタルシフト相談室~「広告主の皆さんのお悩みに答えます」編 | AdverTimes(アドタイ)
https://www.advertimes.com/20170710/article254505/

一部、同意しかねるところはあるも、そこはともかく、多くの中小企業はホームページを作って終わっているはずだ。
なんか、リスティング広告とかやってみたけど、金ばかり出ていくんだよね~
という人が多いだろう。

うん、分からないものに手を出すのは、お勧めしない。

デジタルシフトとか、ECサイトとかやろうとか、中採用者の経歴にネット広告会社で勤務した人がいなければ、「デジタルシフト」という言葉自体が出てくるなんて社長の思い付きじゃないかな。

とりあえず、社長命令とあれば逃げるわけにもいかないし、業者呼んでやっとくかという感じかな。

まず、業者から話を聞いても意味が分からないならば、「手っ取り早く広告で売り上げる」系の書籍やセミナーは関わらない方が良い。
混乱するだけ。
それこそ、業者のPR書籍や営業セミナーで、散財すること請け合いだ。

このことは何度もコラムやセミナーで話しているにもかかわらず、まったく浸透していないのは申し訳ない限りだが、ホームページ作って終わっている段階で事業として停止してしまっている。
散在しながら学習できる企業体力があれば、OJTだと思って授業料と割り切れば、身体を使って最短で会得できるだろうけど。

では、そんな余力も時間もない人はどうすればいいのか。

残念ながら、勉強するしかないのです。
行政主催の無料または格安のマーケティングセミナー、商工会議所でもいいでしょう。
少なくとも片手ほどの回数は参加する。
これで、マーケティングは広告と違うことを把握できればOKです。
概念把握って大事で、森(マーケティング)を見ないと木(ネット広告)し見えない。
ネット広告って手段だから。
デジタルシフトって、ネット広告をすることじゃないから。
ということ。

2017/06/29

ユーザが見ている実際の大きさ、ファーストインプレッション

広告関係者でも専門のマーケター視点を持った、かつ、先々を見据えている人しか気にしない問題。
ええ、ちゃんと広告は見られているのかという疑問。

いろいろデータはあるんだろうけど、実表示画面のデータ取得は可能だとしても、それ切り分けどーすんのよ、というメンドクサイ話は誰かしてるかな。不安。

ちょうど、良い記事が出てきたので、こちらを一読してね。

ファーストビューは何pxまで? ブラウザの表示領域サイズ5年間の変化を大公開 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/06/07/10408

読んでの通り、サイト制作するときに基準となる画面の大きさについて、自社サイトデータから紐解いて見せている。
グーグルアナリティクスではデフォルト設定で取得できないそうだ。
記事にあったサイトカタリスト以外だと、アドビマーケティングクラウドも可能なようだ。

で、広告が見られていなくてもクリック課金とか成果報酬型なら問題ないんじゃないか、だって見られていなくたって請求されないじゃん、という理屈があるのは認める。
だから、広告なんてサイトの深い階層、ページ端っこに配置されているのだ。同一ページに幾つも広告タグが埋め込まれているのもある。
それなのに、広告の表示回数は効果指標にされているのはおかしいよね。

表示されるのが前提で枠で購買されているなら、ファーストビューは確保されているのが当然だ。クリックされようが購買しようが関係ない。そこにあることに価値があるわけだし。
なんて書いてたら、電通デジタルが傷口を広げるリリースを投げ込んできた。

電通デジタルが広告効果測定の新たな指標「ビュースルー行動転換率」開発・提供開始 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/n/2017/06/28/26190

まぁ、電通デジタルはネット広告だけやっていればいいってことなんだろう。
そもそも、ビュー数ってさ・・・。わかってるよね。

分かっていないとこうなる。

海外ではネット広告に対する不信が広告主に懲罰を食らった形。

世界の2大広告主、P&Gとユニリーバがデジタル広告費を削減
https://shar.es/1BJts4

記事によると
ニューヨークの広告調査会社メディアレーダー(MediaRadar)の推計によると、前年比でP&Gが41%、ユニリーバが59%のデジタル広告費を削減している。
グローバル企業は、連動するからね。
日本だけ特別ってのは、長く続かない。

■追記

HDYMPの定期コラムに良記事。
ユーザーの側からもネット媒体を信じない方向が強くなっていて、もう八割近くだから確定なんだけど、二割って何千万人になるか計算すると怖い。

溢れる情報の中、確かな情報を求める生活者~メディア定点調査2017時系列分析から~ | AdverTimes(アドタイ) - Part 2 https://www.advertimes.com/20170629/article253313/2/


2017/06/02

広告業界の働き方改革って・・・

個々の会社は、新卒採用もあるので会社説明会でワークライフバランスの訴求に努めている。で、業界団体はどうなっているのかと、調べてみた。

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会
働き方改善へ向けたアドバタイザーの行動指針を発表

広告主様の業界団体が後押ししてくれるのは有難いと思ったのだが・・・

一般社団法人 日本広告業協会
日本アドバタイザーズ協会リリース
「働き方改善へ向けたアドバタイザーの行動指針」 
「働き方改善へ向けたアドバタイザーの取組み」について」

一般社団法人 日本アド・コンテンツ制作協会
働き方改革へ向けた JAC の基本方針」※PDF

あれ・・・、2団体だけのようだ。
広告主と広告会社と制作会社、という部分では最低限の枠組みはできている。
でも、制作業務は媒体とも進行作業で影響があるし、この話の源泉は制作ではなかったような気がするのは、気のせいだったのだろうか。
ということで、JAAリリースを読み直してみると「広告会社・制作会社とアドバタイザーの理解を深めるための取り組み」と書かれてあった。
まったく、見当違いだったようだ。

■追記

たぶん、認識できているかという話でしかない、と思ったことがあったので追記。
各企業では、世間や行政の圧力もあって残業規制が始まっている。

だが、残業が少なくなったのに、早く帰ったり遊んだりしているかというと、実はしていないようだ。
まず、サービス残業化している可能性がある。
つぎに、残業が減るということは収入が減るわけで、金のかかる遊びはできにくくなっている。(個人消費があまり伸びていない2017年)
それから、残業の上限いっぱいまで、詰め込んで働かされているので、精神的な余裕がないというメンタルに来ている気がする。

でも、余裕のある人たちはそう考えない。
残業なくなって暇になったんだから、勉強できるチャンスじゃない・・・と。
幸せだよ、君たちは。

■追記

一般的なアンケートだが、時短ハラスメントなる言葉が生まれたようだ。

「残業するな」「いいから帰れ」 会社員の4割が“ジタハラ”に悩み 高橋書店の調査 - ITmedia NEWS
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1711/22/news147.html

次に、広告業界はどうなのかというと、

広告業界の労働環境が悪化してしまう原因は、「競合他社への代替」の起きやすさ? #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)
https://www.advertimes.com/20170901/article256974/

数字を鵜呑みにはできない。記事中にも
一方で、「残業時間を減少させるよう指示されたが、業務量は減らず人員も増えない」といった声もあがってきた。
という記載がある。
こっちが、現実である。これを回避する方法は業種や職種によって異なるが、外部委託にするのが中心で、他の問題を経営側も現場側も抱えることになったようだ。
特に制作現場は辛い・・・そうです。

■追記

業界4団体でガイドラインの発表があった。

広告関係4団体「新しい働き方」円卓会議
広告制作取引「受発注」ガイドラインを策定

問題となる制作工程について、「広告制作ビジネスプロセスハンドブック」なるものが、後日発表されるそうだ。
実効性の問題はあるが、各協会の加盟社だけでも準拠してもらえれば、その広告費予算からいって影響は大きくなるはず。

■追記

どのくらい楽に働けるようになったのか分からない。身体だけは大事にしてもらいたい。

電通の働き方改革は、どこまで進んでいる? — 社員のバイタリティを高めるオフィスの取り組みに迫る | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
https://www.advertimes.com/20181106/article279836/

波乗りペンギンからすると、効率化で人も時間も削ったわけで、余裕を生むリソースがないよね~。あと、給料もか・・・。
十年前くらいだと思うが、二連続の二割カットで泣いてた人いた。
生き字引的な人もカットされちゃったのはさらに数年前だった。
生活者の目線を一部無くしたんだと思う。

ウザがられる広告の排除、クロームに実装へ

GoogleのChrome組み込み広告ブロッカーは、品質保証フィルターに近くなりそうだ  |  TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2017/06/02/20170601googles-built-in-chrome-ad-blocker-said-to-be-more-of-a-quality-filter/

どんな広告をブロックするのかは「 Coalition for Better Ads 」という団体が英文を読まなくても分かる説明ページを用意している。
日本からも「公益社団法人日本アドバタイザーズ協会」が関係している。
リストはこちら

ざっと見たところで、ユニリーバという広告主が入っているところ、IABと各支部が入っているが、日本は表記されていない(最近、日本支部はJIAAになったので、いずれ反映されるのかもしれない)。

パソコン向けもスマホ向けもブラウザーはグーグルのクロームが多数派だし、効果は大きいだろう。
業界団体が入っているので、ここにない企業も間接的に参加しているのだろうが、前に出ていないことが将来を懸念させる。
あまり、大きな意義を見出していないと思われる。
広告の掲載方法、いわゆるUI部分であるが、ここだけ考えてブロックすることで止まってほしくはない。

2017/04/27

半分はスマホ広告、日米の2016広告推計

いま改めての

モバイル広告が初めて全デジタル広告支出の過半に達す…今や‘モバイルオンリー’がマーケティングのトレンド  |  TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2017/04/27/20170426internet-adverising-revenue-report-2016/

IABによる米国ネット広告費の推計ね。
で、日本は・・・

電通 2016年 日本の広告費|インターネット
http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2016/media3.html

あれ、モバイル広告の数字がなかったね。すまぬ。

2016年インターネット広告市場規模推計調査~D2C/CCIが独自推計~
http://www.d2c.co.jp/news/2017/04/17/1763/

引用すると「2016年のインターネット広告媒体費は1兆378億円(株式会社電通「2016年 日本の広告費」より)、その内、スマートフォン広告費は6,476億円(62%)、PC広告費は3,902億円(38%)となり、スマートフォン広告費が初めて6割を超えた
ということで、米国と状況は同じだという事。

日本の最大のネット広告媒体社でもあるヤフーの発表を参考に見ると、
まだまだであった。

2016年度通期および第4四半期決算発表
https://about.yahoo.co.jp/ir/jp/archives/present/2016q4/index.html

おそらく、グーグルさんとフェイスブックさんに持ってかれている金額がデカいんだろう。日本のネット広告担当(会社)は、彼らのために働いているようなものかもしれない。
おい、トランプさんよ、日本をいじめないでよ。
スマホ端末はアップルにグーグル、ECはアマゾン。かなり、ネット系は米国の経済に貢献しているじゃあないか。

ね。

2017/04/26

テレビの影響力は落ちていない

いや、若い世代はテレビ見てないでしょ!
それは、テレビの前でリアルタイム視聴していない・・・という意味では正しいのだと思う。

生活者は本当に「テレビ」を見なくなった? | AdverTimes(アドタイ)
https://www.advertimes.com/20170425/article249387/

記事に指摘されている「録画視聴(HDDレコーダーね)」「見逃し視聴(放送局の動画サイト)」もあるんだが、キュレーションサービスやネットニュースのエンタメ系でも「テレビ放送ネタ」がある。
芸能人がテレビでキレたとか、まぁ、そんな記事を読んだ人も多いはずだ。

そう、視聴率とか以前にテレビのコンテンツは、キュレーションサイトやSNSで拡散され、ニュースアプリでまとめられる。
テレビはテレビ受像機の前で見られなくなったかもしれないが、スマホの画面からコンテンツはあふれ出ている。
テレビは動画プラットフォームで配信されても、テレビ(コンテンツ)はテレビ(コンテンツ)だと思えば、いまだに最強のコンテンツ(の素)なのだ。