2017/09/15

モバイルファーストって何?

ピックアップした記事は以下のもので、スマホ対応サイトの作り方みたいな話。
計測タグを入れるのが面倒な気がするアダプティブデザイン。

これからのスマホ対応。アダプティブデザイン、レスポンシブWebデザイン、動的配信 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/09/07/26299

LPとなる広告主サイトの出来不出来によって、広告からの集客数が変わらなくても、コンバージョン数は上下しちゃうけど、落とし穴があるんじゃないかと思う。
サイト上のスマホ最適化は、ビジネスで考えると表面的な問題でしかないんじゃないかと・・・。

スマホでのサイト利用が多くなってしまった今、パソコンの前にいるという前提が残っていると、コンテンツの書き方というか切り口が全く違うと思う。
料理レシピサイトが人気なのは、企業サイト側もレシピサイトがあるんだけど、モバイルサイトは表示最適化だけでパソコンと同じだからじゃないかな。
商品を売るって意味では、商材の紹介を前面に出すのは企業側にとって当たり前のことだけど、ユーザーは作り方を求めているのであって調味料とかメーカーを問うてはいない。
マーケティングでは有名な、ドリルの穴、の話と全く同じ。

パソコンだと「調べる」(検索する)が機能的にも、ユーザーのモチベーション的にも外れていないと思える反応だったけど、モバイルってパソコン向けのサイトを最適化しているとモバイルだからって部分は意外と見えない。
ビジネス的にモバイルファーストになっているサイトが最近人気な理由って、この辺りなんじゃないかな。
メルカリとか。




2017/09/05

動画広告も量的価値になるのか?

動画広告が来たって感じより、スマホ広告が来ている、そんな体感です。
いえ、グーグルが大半を持っていっているリスティング広告は、揺るぎないというネット広告市場。

さて、古くて新しい問題が、最近クローズアップされている。
その中で、フラッシュによる動画広告が始まったころ、広告の効果測定指標が上手くなかった。
しかし、HTML5ではフラッシュ(プレーヤー)なくても動画が見せられるようになって、技術的な制約も少なくなっているので、再チャレンジする時が来ている。

既に米国ではIABがガイドラインをたくさん出しまくっている動画広告規格VASTに、たぶん日本も引っ張られるのだろうが、ちゃんと販売と媒体価値の適正化を図らんとダメだろう。

■番組制作費

クリック課金とか再生回数課金で、制作費を充当できればいいのだが、現段階では無理だ。
結局、ユーザ投稿動画、テレビ番組流用が主軸。
コンテンツ課金系のサイトでオリジナル番組もチャレンジしているが、知っている番組あるかな。(アマゾン、ドコモはTV広告で告知しているので、記憶している人も多いはず)

テレビ同じように、冒頭や途中に動画広告を入れ込んでくる(インフィード)で露出しているけど、料金はテレビじゃなくてネット広告なのよ。

こうなると、制作費をペイできるようにネット品質にするか、十分なコストを回収できる販売モデルを作るしかない。
そして、フェイクニュースの台頭で「ネット品質」は選択できなくなりつつあり、事実確認やパクリなどの著作権確認をするプロセスとコストの追加は、必至である。
これに、効果効率の話もある。

■番組の使いまわし

テレビだと再放送とDVD化(パッケージ販売)だけど、ネットは違法動画という別の枠で拡散するので、局側が使いまわせなかったりする
何が問題かというと、著作権やら出演で利益を享受しようとする人たちが、お金を貰えない。そもそも、一発勝負の売り切りだった大昔の契約だったら、プロデュース側は楽だった。しかし、もはや確立された権利はガッチリ守られている
違法拡散されては、干上がる人も出てくる。
作る側の生計が成り立たないという事は、コンテンツが生まれてこない事になる。
今までのエコシステムでは太刀打ちできない根源的な問題だろう。

■ソーシャル拡散ありきへ

メディア関係者と十年以上前に話していたことが、いまだに課題として残っている。
ネットでメディアビジネスが成立する方法、である。
変な話ではあるが、権利保護を優先するとコンテンツは萎えるか、海賊版で荒れる。悪貨が良貨を駆逐する。
画質が良くなくても、ユーザには問題がない。
下手に制限かけて課金するよりも、ちゃんと見てもらった方が海賊版対策にもなる。

問題は、マネタイズが広告しかないという部分だ。
関連商品の物販(いわゆる公式グッズ)もあるが、ヒット作でなければ作るだけ負債になるので、ビジネス的には無理だ。
広告といっても、ネットの単価は大ヒット作で数千万人単位が見たとしても、クリック単価に換算したら制作費がペイできるケースはないだろう。

テレビの番組提供スポンサーとネットの連動については、十数年前は無理だったが、ブランドセーフティが話題になりつつある今、チャンスだと思う。
セット料金を設定して、販売してみたらどうだろうか。
もし、ネットはいらないという広告主がいたら、競合社がネット動画の番組スポンサーになっても文句言わないという契約をしたらいいと思うんだ。番組制作費は、按分すればいい。

ネット動画チャンネルを作る方向もあると思うが、連携させるなら企画から販売に至るまでテレビ局側が変えないと難しい。
やはり、スマホの画面は小さいのだ。
カットや演出も相応のものが必要になるし、工夫のしどころを見つけないとコストが掛かる。労働生産性を上げる必要があるってことね。(一粒で二度おいしいを実現しないと)

もしかしたら、編集しないで流した方が受けるかもしれない。
スポーツのネット配信は、多数のカメラを配置してユーザが選択できるようになっているよね。この手法を使わない手はない。ライブではスイッチャーはいらなくなる。
5Gなら応答性も上がっているので、たぶん、できるはず。
ドラマやドキュメンタリーは、流して終わりにならないので、データの保存と読み出しはコスト増加になるだろう。ここは、工夫すればいいんじゃないかな。
マスターデータは高画質でテープバックアップに入れておいて、低画質配信を見られるようにしておけばいい。高画質で見たいなら課金で良いんだ。(大体は必要ないから)

テレビ、衛星、パッケージ、ネット配信と全体を最適化することを考えるべきなんだと思う。何が何でも、同じである必要はないはずだと思う。
同じ作品でも「ドラマ」「映画」「文庫」「演劇」とかあるでしょ。
その辺りから、量的価値にならないマネタイズ手法を考えたら良いと思うんだよね。

2017/07/28

サイバーエージェントの3Qも好調



金額は伸び続けているので、売上が増えてお金が回れば事業は拡大する。
もはや、細かく見ても意味はないと思いつつ、運用型広告の拡大に伴うネット広告業界の軋み、シワ寄せを感じていたので、何か分からないかと決算資料をみてみる。

■サイバーエージェント 2017年9月期第3四半期決算説明会資料

資料6P、7P 人件費が伸びているのは社員数が増えているからだが、「その他」って何なの。
資料3P ネット広告は利益率8%。運用型広告が主軸になっているからか。2013年まで遡ってみたが、7%台後半の時期もあった。金額的に増え続けているので、利益率まで見てなかったな。
こうしてみると、人員をネット広告事業に振り向けて量をこなして売上と利益の金額を伸ばしている、という当たり前のことなんだけど、人員の増加を考えると利益率を改善するほど業務の効率化はされていないんじゃないかと思う。

■オプト

発表は8月10日。
過去の資料を見ると広告の利益率は3%-4%程度か。サイバーエージェントは公開しているが事業ごとの人員増減がないため、何とも言えない。
もし、2Qで利益率が大幅に改善しているとしたら、興味深いことが類推できる。

■セプテーニ

発表は8月1日。
こちらも過去の資料を見ると、広告の利益率は6%程度。
こちらは、最後に事業ごとの従業員数が記載されているが、1000人以上もいる。
取扱高の伸びと人員の増加は一致していないが、増加傾向にある。

■アイレップ

こっちはDACと統合してしまったので、不明。
間違いを承知でメディアサービス事業だけで利益率を計算すると9%台。
アイレップの過去資料を見ても事業別はないので、全体の9%台とみればいいのかな。

以上、ザックリだが事業区分が異なるはずなので、横並びで比較できているとは思わないで欲しい。各社の事業区分が同じであれば、利益率の推移と社員の増減、サービスごとに比較することで「アドテクは人で回す」という事が言えたかもしれない。
残念ながら、何も言えないという結果でした。



2017/07/12

デジタルシフトとか一部広告主に過ぎないが

書籍のPR記事なのだが、Q&Aがいい線なのでピックアップ。

デジタルシフト相談室~「広告主の皆さんのお悩みに答えます」編 | AdverTimes(アドタイ)
https://www.advertimes.com/20170710/article254505/

一部、同意しかねるところはあるも、そこはともかく、多くの中小企業はホームページを作って終わっているはずだ。
なんか、リスティング広告とかやってみたけど、金ばかり出ていくんだよね~
という人が多いだろう。

うん、分からないものに手を出すのは、お勧めしない。

デジタルシフトとか、ECサイトとかやろうとか、中採用者の経歴にネット広告会社で勤務した人がいなければ、「デジタルシフト」という言葉自体が出てくるなんて社長の思い付きじゃないかな。

とりあえず、社長命令とあれば逃げるわけにもいかないし、業者呼んでやっとくかという感じかな。

まず、業者から話を聞いても意味が分からないならば、「手っ取り早く広告で売り上げる」系の書籍やセミナーは関わらない方が良い。
混乱するだけ。
それこそ、業者のPR書籍や営業セミナーで、散財すること請け合いだ。

このことは何度もコラムやセミナーで話しているにもかかわらず、まったく浸透していないのは申し訳ない限りだが、ホームページ作って終わっている段階で事業として停止してしまっている。
散在しながら学習できる企業体力があれば、OJTだと思って授業料と割り切れば、身体を使って最短で会得できるだろうけど。

では、そんな余力も時間もない人はどうすればいいのか。

残念ながら、勉強するしかないのです。
行政主催の無料または格安のマーケティングセミナー、商工会議所でもいいでしょう。
少なくとも片手ほどの回数は参加する。
これで、マーケティングは広告と違うことを把握できればOKです。
概念把握って大事で、森(マーケティング)を見ないと木(ネット広告)し見えない。
ネット広告って手段だから。
デジタルシフトって、ネット広告をすることじゃないから。
ということ。

2017/06/29

ユーザが見ている実際の大きさ、ファーストインプレッション

広告関係者でも専門のマーケター視点を持った、かつ、先々を見据えている人しか気にしない問題。
ええ、ちゃんと広告は見られているのかという疑問。

いろいろデータはあるんだろうけど、実表示画面のデータ取得は可能だとしても、それ切り分けどーすんのよ、というメンドクサイ話は誰かしてるかな。不安。

ちょうど、良い記事が出てきたので、こちらを一読してね。

ファーストビューは何pxまで? ブラウザの表示領域サイズ5年間の変化を大公開 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/06/07/10408

読んでの通り、サイト制作するときに基準となる画面の大きさについて、自社サイトデータから紐解いて見せている。
グーグルアナリティクスではデフォルト設定で取得できないそうだ。
記事にあったサイトカタリスト以外だと、アドビマーケティングクラウドも可能なようだ。

で、広告が見られていなくてもクリック課金とか成果報酬型なら問題ないんじゃないか、だって見られていなくたって請求されないじゃん、という理屈があるのは認める。
だから、広告なんてサイトの深い階層、ページ端っこに配置されているのだ。同一ページに幾つも広告タグが埋め込まれているのもある。
それなのに、広告の表示回数は効果指標にされているのはおかしいよね。

表示されるのが前提で枠で購買されているなら、ファーストビューは確保されているのが当然だ。クリックされようが購買しようが関係ない。そこにあることに価値があるわけだし。
なんて書いてたら、電通デジタルが傷口を広げるリリースを投げ込んできた。

電通デジタルが広告効果測定の新たな指標「ビュースルー行動転換率」開発・提供開始 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/n/2017/06/28/26190

まぁ、電通デジタルはネット広告だけやっていればいいってことなんだろう。
そもそも、ビュー数ってさ・・・。わかってるよね。

分かっていないとこうなる。

海外ではネット広告に対する不信が広告主に懲罰を食らった形。

世界の2大広告主、P&Gとユニリーバがデジタル広告費を削減
https://shar.es/1BJts4

記事によると
ニューヨークの広告調査会社メディアレーダー(MediaRadar)の推計によると、前年比でP&Gが41%、ユニリーバが59%のデジタル広告費を削減している。
グローバル企業は、連動するからね。
日本だけ特別ってのは、長く続かない。

■追記

HDYMPの定期コラムに良記事。
ユーザーの側からもネット媒体を信じない方向が強くなっていて、もう八割近くだから確定なんだけど、二割って何千万人になるか計算すると怖い。

溢れる情報の中、確かな情報を求める生活者~メディア定点調査2017時系列分析から~ | AdverTimes(アドタイ) - Part 2 https://www.advertimes.com/20170629/article253313/2/


2017/06/02

広告業界の働き方改革って・・・

個々の会社は、新卒採用もあるので会社説明会でワークライフバランスの訴求に努めている。で、業界団体はどうなっているのかと、調べてみた。

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会
働き方改善へ向けたアドバタイザーの行動指針を発表

広告主様の業界団体が後押ししてくれるのは有難いと思ったのだが・・・

一般社団法人 日本広告業協会
日本アドバタイザーズ協会リリース
「働き方改善へ向けたアドバタイザーの行動指針」 
「働き方改善へ向けたアドバタイザーの取組み」について」

一般社団法人 日本アド・コンテンツ制作協会
働き方改革へ向けた JAC の基本方針」※PDF

あれ・・・、2団体だけのようだ。
広告主と広告会社と制作会社、という部分では最低限の枠組みはできている。
でも、制作業務は媒体とも進行作業で影響があるし、この話の源泉は制作ではなかったような気がするのは、気のせいだったのだろうか。
ということで、JAAリリースを読み直してみると「広告会社・制作会社とアドバタイザーの理解を深めるための取り組み」と書かれてあった。
まったく、見当違いだったようだ。

■追記

たぶん、認識できているかという話でしかない、と思ったことがあったので追記。
各企業では、世間や行政の圧力もあって残業規制が始まっている。

だが、残業が少なくなったのに、早く帰ったり遊んだりしているかというと、実はしていないようだ。
まず、サービス残業化している可能性がある。
つぎに、残業が減るということは収入が減るわけで、金のかかる遊びはできにくくなっている。(個人消費があまり伸びていない2017年)
それから、残業の上限いっぱいまで、詰め込んで働かされているので、精神的な余裕がないというメンタルに来ている気がする。

でも、余裕のある人たちはそう考えない。
残業なくなって暇になったんだから、勉強できるチャンスじゃない・・・と。
幸せだよ、君たちは。

■追記

一般的なアンケートだが、時短ハラスメントなる言葉が生まれたようだ。

「残業するな」「いいから帰れ」 会社員の4割が“ジタハラ”に悩み 高橋書店の調査 - ITmedia NEWS
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1711/22/news147.html

次に、広告業界はどうなのかというと、

広告業界の労働環境が悪化してしまう原因は、「競合他社への代替」の起きやすさ? #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)
https://www.advertimes.com/20170901/article256974/

数字を鵜呑みにはできない。記事中にも
一方で、「残業時間を減少させるよう指示されたが、業務量は減らず人員も増えない」といった声もあがってきた。
という記載がある。
こっちが、現実である。これを回避する方法は業種や職種によって異なるが、外部委託にするのが中心で、他の問題を経営側も現場側も抱えることになったようだ。
特に制作現場は辛い・・・そうです。

■追記

業界4団体でガイドラインの発表があった。

広告関係4団体「新しい働き方」円卓会議
広告制作取引「受発注」ガイドラインを策定

問題となる制作工程について、「広告制作ビジネスプロセスハンドブック」なるものが、後日発表されるそうだ。
実効性の問題はあるが、各協会の加盟社だけでも準拠してもらえれば、その広告費予算からいって影響は大きくなるはず。

■追記

どのくらい楽に働けるようになったのか分からない。身体だけは大事にしてもらいたい。

電通の働き方改革は、どこまで進んでいる? — 社員のバイタリティを高めるオフィスの取り組みに迫る | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
https://www.advertimes.com/20181106/article279836/

波乗りペンギンからすると、効率化で人も時間も削ったわけで、余裕を生むリソースがないよね~。あと、給料もか・・・。
十年前くらいだと思うが、二連続の二割カットで泣いてた人いた。
生き字引的な人もカットされちゃったのはさらに数年前だった。
生活者の目線を一部無くしたんだと思う。

ウザがられる広告の排除、クロームに実装へ

GoogleのChrome組み込み広告ブロッカーは、品質保証フィルターに近くなりそうだ  |  TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2017/06/02/20170601googles-built-in-chrome-ad-blocker-said-to-be-more-of-a-quality-filter/

どんな広告をブロックするのかは「 Coalition for Better Ads 」という団体が英文を読まなくても分かる説明ページを用意している。
日本からも「公益社団法人日本アドバタイザーズ協会」が関係している。
リストはこちら

ざっと見たところで、ユニリーバという広告主が入っているところ、IABと各支部が入っているが、日本は表記されていない(最近、日本支部はJIAAになったので、いずれ反映されるのかもしれない)。

パソコン向けもスマホ向けもブラウザーはグーグルのクロームが多数派だし、効果は大きいだろう。
業界団体が入っているので、ここにない企業も間接的に参加しているのだろうが、前に出ていないことが将来を懸念させる。
あまり、大きな意義を見出していないと思われる。
広告の掲載方法、いわゆるUI部分であるが、ここだけ考えてブロックすることで止まってほしくはない。