2015/02/13

古いけど、地域別スマホ利用動向

ヤフー調査「テレビを見ながらスマホを利用する64.2%」地域別のスマホ利用動向を8つの項目で分析 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/yahooads/2015/02/13/19314

はい、のっけからなんだが、このレポート見ても役に立たないじゃないかぁ~。
いえいえ、分かります。全部出すとモッタイナイし、いろいろ読み方が難しくなるので、ヤフーは厚意でサマライズしたんだろう。

いわゆるデモグラ分析なわけで、昨今のトレンドとは違ってコンサバ調査なのである。
ここから何らかの知見を得ようとすればローデータが無いとダメね。
調査設計書が無い気がするので、目的と設問、結果と集計方法、切り口がバラバラになったんだろう。

「利用傾向や意識を把握」することが目的という文言はあるんだが、母集団が人口分布に合せて設定されていながらも、回答にサンプルのライフステージが影響するものがあるため、「ながら見」が多いよね~という結論だけにフォーカスされてしまっている。
もったいないぞ。

たぶん、調査仮説で、地域別に見ると「ながら見」も偏りがあって地域特性が出るはず、というものがあったわけだろう。
で、地域っていうとエリア別(北海道、東北、関東とか)になっているわけだが、なんで県別にしなかったかというのがポイント。
たぶん、面倒だったんだろう。(いや、広告の販売と紐付いているはず)

じゃ、どうすりゃ良かったのさ・・・という話なんだが、収入と情報消費には一定の相関関係があり、環境と利用にも一定の相関関係がある、という仮説を持って切り分けるとよかったと思うのだよ。
つまり、エリア別に分けるのだったら、5大都市(東京、大阪、名古屋、福岡、仙台)と周辺地域との比較とか。
あと、ながら見もメディア接触(テレビ、パソコン)と行為(料理、家事、飲食とか)は分けるべきだろう。
~ながら、という言葉だけで括っては意味が無い。
それこそ、「用を足しながら」が何故ないという話になってしまう。

そこまでいうのは、携帯端末(モバイル)は特殊な情報機器だからだ。
一人一台(二台持ちも珍しくない)で、何かしながら使える端末なのである。
(ノートパソコンでも可能だが、すまんが特技に近いものなので省かせて貰う。昔、歩きながらやったことはあるが、当時は重くて数分しかできんかった・・・)

例えば、公共交通機関の発達した都市部と、廃線されてバイクや車で通勤する地方とは、使われ方が全く違う。(これこれ、車の運転をしながら、二輪に乗りながらは違法行為
子供がいるといなとでも違う。不審者情報や学校連絡網がモバイルメールになって久しい。
個々に追っていくと皆目わからなくなるが、だからってエリア別にしてしまっても混乱するだけである。

ちなみに、そういう調査は過去に見たことが無いし、今もないんだけどねぇ。

2015/02/10

マスとデジタルの垣根、マーケティングは変わったのか?

マスマーケティングの常識は通じない?デジタルがマーケティングを変えていく #アドタイ
http://www.advertimes.com/20150210/article181218/

ニューバランスの鈴木さんコラムをピックアップ。
前提をひっくり返してなんだけど、マスマーケティングは「マスメディアを使う広告のマーケティング」だし、デジタルマーケティングは「インターネットを使うマーケティング」だとすれば、比較対象にはならないし同じステージに上げて論じる物じゃないんよね。

まぁ、そんなことに目くじら立てているわけではない。
マーケティングは、「広告を主体としたマーケティング」で語られる(狭義または曲解)時と、「企業活動の根幹となるマーケティング」で語られる(広義または経営)時と、どうも、ゴッチャになっちゃうんだ。
何故か?
ごめん、それはリアル波乗りペンギンの新人研修用のコンテンツなので、非公開。でも、数百人に話したよ。

で、切り口は相変わらず素晴らしいので、このままリンク先のコラムを読まれることをお勧めする。

閑話休題。

従来のマスマーケティングのターゲット設定というのは、繰り返し改善して運用するモデルではなく、もっとも数が多いと思われる市場を的の中心に狙うという考えなので、実際はそのターゲットのデモグラフィックが正しくなくても機能していました。
痛烈な批判でもあり、たぶん事実。前後の文脈もあるので、引用抜粋部分だけで呑み込まないように。しかし、裏返せばメリットもあったのが「広告の無駄な半分」と言わせしめたのでもある。
デジタルマーケティングにおいてはむしろ、マスマーケティング時代のようにあらかじめ設定された仮説の正しさを「検証する」のではなく、その商品コンセプトやメッセージの潜在的な「可能性を発見する」ために使う方が適切のように思います。
素晴らしい・・・。そう、ターゲットを絞って追い駆けまわして焼き尽くす(焼野原をイメージするようで惨憺たる心持となる)ために、インターネットは使ってほしくないという個人的な願望も込みで感動する指摘だ。

ただ、この結論を表層のみ理解すると、マーケティングにおけるターゲットの設定が意味が無くなるというか、プロセスが違った方向で変わってしまう懸念が出る。
とりあえず商品やサービスを作って、ネットに投入して「マーケット」を発見できれば良し。発見できなければ開発中止・・・てな、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる方式?
あれ、ネットの商品開発事例みたいだよね。
結果的にヒットしても短命で、爆発的だけど、それで終わりというソシャゲみたいな感じかなぁ。

2015/02/09

DeNA、グリー、ミクシィの四半期決算

今回はガラケー時代に一斉風靡した3社の明暗。
やはり、ゲームは一攫千金のビジネスで、当たらない限り目も当てられない。
それが分かってて、ゲームプラットフォームになったはずなんだけど、「プラットフォーマー」は数こそ命。国内ではLINE、海外からFBが「数の砂山」をごっそり削ってしまったのだった・・・。


株式会社ディー・エヌ・エー
http://dena.com/jp/ir/
2014年度 第3四半期決算説明会資料

資料を見て分かる通り、右肩下がり。
海外も低迷する中、柱となる新規事業が望まれるが、すべてはこれから。


グリー株式会社
http://corp.gree.net/jp/ja/ir/
2015年6月期第2四半期 決算説明会資料

こちらも右肩下がり。
辛い内容でしかない。


株式会社ミクシィ
http://mixi.co.jp/ir/
決算説明会資料
モンスト効果ですべてが順調。
スピンオフしたノハナ、話題のネイティブ広告など、内容もある。


以上であるが、明日はどうなるか分からない。
ゲーム一本のヒットで世界はひっくり返る。

で。

ゲームなんて関係ないやん、ネット広告にと思うかもしれない。
いやいや、広告主としては大事である。
また、モバイルユーザは可処分時間をゲームで埋めている。
さらに、ネイティブアプリ化によって端末容量も通信量も金も消費している。

2015/02/06

JTの飲料事業撤退

「桃の天然水」 JTが飲料事業から撤退 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1502/04/news130.html

ネット広告とか直接は関係ないのだが、立ち上げ期に関わってたり個人的な思い入れもあってピックアップ。
たぶん、経営の多角化を狙って失敗している某ゲームプラットフォーム会社を含め、ネット系でも役に立つことはあるんじゃないかと思った次第。

さて、JTが飲料事業でスタートから大ヒットを飛ばした「桃の天然水」からの不発連続。
この手のパターンは多いよね。
成功例を踏襲してしまうという問題と、失敗の積み重ねが無い分、泥沼にドンドンはまっていくという展開。

飲料事業が有望視されていたのは、たばこ事業とのシナジーがある。
どちらもインフラである「自動販売機」と「配送網」が有効活用できるからだ。
一方で、台頭するCVSや量販店での販路拡大が出来なかった。
タバコ吸う人はコーヒーだろってラインナップへ打って出たが、ジョージアやボスの双璧ブランドに一朝一夕で敵うはずもない。

どうすれば良かったのか?検証が出来れば有用だと思うんだが、たぶん、しない。
いい事例になると思うが。

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ちなみに、初期のころ苺入り飲料があって、その価格に見合わない果肉量が好きだった。
ケースで買い占めたかったほど。
ただ、コストに見合わず果肉減量され値上げして、店頭から消えちゃった(*)んだ。
ありゃ、最高だったよ・・・。(遠い目)

* 「いちごミルク」という商品名はあるのだが、リニューアル後のものである。

2015/02/04

広告もコンテンツなのか?コンテンツに広告も入るのか?

「ずっと見ていたい」メディアとは?AntennaとAdNearが考える「気持ちに寄り添ったアドテク」 (1/3):MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/21719

マイクロアドの記事広告である。ちゃんと、リンク先の記事の左上に「PR」と記載されている。
が、内容が良い。波乗りペンギン好みである。
もう、取り上げざるを得ない。(モンストのCMナレーション風)

ネット広告は未熟である。
まだ、20年だから仕方ないけど。

しかし、技術は進んでも人がやる失敗は何ら進展してなくて、デバイスが変わるごとに同じ轍を踏んでいる。ま、機会には学習能力ないのは分かるが、人までとは・・・。
パソコンで広告嫌悪を招いたのに、スマホでもやらかしてくれている。

閑話休題。
記事に沿って幾つかポイントにコメントを残しておく。

もうひとつの課題は、「オンライン上のアクション」と「リアルな世界でのアクション」に差があるんじゃないかと考えるようになったことです。例えば、サッカーのサイトをよく見ているAさんがいたとき、そのサイトに広告を出して、サッカーのスパイクを売りたい広告主がいたとします。でも、Aさんがそのサイトをよく見ていたとしても、リアルな世界でサッカーをプレーしてるかどうかはまた別の話です。
これ、15年以上前にダイレクトメール広告で、波乗りペンギンと話した人なら覚えているかもしれない。
興味関心に「野球」を選んだからって、「観戦」が趣味であって「プレイ」する人とは限らないから、スポーツ用品の広告送ってもダメだよね~って話。
大手出版系、ベンチャーの人と話したっけな。
データで分かる事実と真実は別モノなんだ。その誤差は無視できると思うかい?
殆どの人は無視できると思ったからこその「焼畑」なんだろうけど。

 エリアごとでは、ユーザーのライフスタイルにちょっとした違いがあります。これを可視化し、ユーザーインサイトに沿ったプランニングがエリア戦略を考える上で非常に重要だと思います。
えっとね、「民力」という本があるの知ってるかな。
商品開発、ナショナルクライアントの地域戦略とか担当するか、チラシ、OOH、SP系の人なんかは同然業務でやっているはずなんで、「ネットはマーケティング知らねぇのか?」と思われても仕方ない。
テストマーケティングする地域は平均的な日本の消費者像を持つところだし、購買力や志向、地域で特色がある。
ネットだけの人は気が付かないんだけど、通勤通学の時間帯は「首都圏など公共交通網が整備されている」エリアと「自動車や自転車など自分で運転する」エリアでは、上方の接触率に差が出る。ようやく、デジタルマーケティングの土台が整い始めたのかもしれない。

もうひとつは「面白い広告はコンテンツになる」ということ。Antennaは、ネイティブ広告(記事体広告)を配信しているのですが、記事だと気づかずに見るユーザーも多い。広告であることを隠してるわけではなく、単純に内容が面白ければ自然に入ってくるからだと考えています。ですから、Antennaが広告主としてバナーを出す場合も、そのユーザーの生活に則した見せ方をしたい。「広告って邪魔なものだよね」という認識自体を変えていきたい。自然に入ってきて、必要なものを教えてくれる。そういう見せ方ができれば、アドテク自体も面白くなってくと思います。
いいねぇ。そうあって欲しいと思う。
この前後の内容もgoodなので、読んで欲しい。
なお、広告だけでコンテンツとはならない。編集記事あっての広告である。
そこを履き違えてはいけないが、広告が面白ければ見て頂けるし、嫌われないで済む。
そもそも、しってぬ欲しいし買って欲しくて広告してんのに、嫌われてどーすんだよって話。

猪谷 AdNearとしては、プロファイリングのやり方や広告の運用をさらに日本市場に合わせていくことが一番のテーマ。今後はDMPを含めてさまざまなサービスと接続していきますが、予定調和のものばかり提案するようにならないようにしたい。空気を読むのはいいんですが、あまりにも読みすぎて驚きがなくなってしまうのも良くないので、逆にデータ分析することでサプライズも提案できるようにしたいですね。
そうそう、データ偏重はパターン化を生むから、受け手に飽きられる。
若しくは、逆読みされちゃうんだ。
米国だとYジェネ世代ってやつだな。

以上

2015/02/02

業界人間ベムの恒例広告業界予測2015-動画

オンラインビデオマーケティングの本格化と日本版MCNの登場–—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から by 横山隆治 @ryujiyokoyama #アドタイ
http://www.advertimes.com/20150202/article181159/

続き物らしいので、続けて取り上げる。
日本の動画広告は数年先にならないと盛り上がらないと踏んでいるが、その理由を海外の状況を交えて解説されているので、とてもありがたい。

蛇足に過ぎないが、海外と日本、特に欧米と日本では「動画広告」に限らず、ロジックがちゃんとある広告戦術としてネットが利用されているという部分が、最も大きな違いじゃないかと思っている。

確かに効果やコスト管理の部分は大事なんだけど、「ブランドにとって最も顧客と密接になる」というメディアやコンテンツの使い方って、目的や戦略が明確なだけでなくビジョンが無ければ筋を通せないのよね。
新しいメディアの登場や手法の開発で、その是非を判断するのって、未知の場合は判断のよりどころが必要だと思う。
この辺りに、日本のソフトバンク(モバイルの市場)が台頭した勝因だと思うのね。
もちろん、クリエイターも尋常じゃない(孫さんと激論するくらい)ハイレベルな人材だったのもあるけどね。

で、動画コンテンツを作るのが先か、動画広告を作るのが先か、という状況しか国内は見えていなくて、そもそも顧客に対するブランドのスタンスが明確になっていないので、何も決められていないというのが実情ではないか。

翻って広告を売る側の広告会社、作る側のプロダクションも難しい問題がある。
視聴者をデータで見ることができるんだけど、実体をイメージできる人が少ないのよ。
テレビとか雑誌って、物質的に存在するうえに「テレビ見てるな」とか「雑誌読んでるな」というシーンは生活で沢山触れるチャンスがある。
ところが、年代が上がるほど、スマホで動画を見るとか検索するとかゲームするとか、自分がやったことが無い部分だと実感がわかない上に、スマホの画面は見られないので何をしているか認識できない。
これは、若手クリエイターが登場するチャンスだと思うので、今後に期待したいところだ。

さて、ネットによって情報はオープンなものになったが、ユーザ動向は見えなくなった。
ログから視聴の詳細は分かるんだけど、それをトレースしてPDCA回して改善するだけでは、期待を超えたり新たな提案というビッグアイデアは生まれ難いと思うんだ。
やはり、データは在りながらも「面白い」「感動する」という感情を大事にしないと
つまらない(広告を見る側も、関係者も、業界の将来も)と思うんだが・・・。


2015/01/30

来るのか?ウェラブル

2015年はウェアラブル元年? ウェアラブル端末は社会をより良くするのか by 江端浩人 @hirotoebata  アドタイ
http://www.advertimes.com/20150121/article180569/

江端さんのコラム。
うーん、みんなはどう思っているのかな。
波乗りペンギンは、アップルウォッチ次第という気がしてるんだけど、それでもウェアラブルが必要とされていると思われる事業に浸透するのはかなり先だと思う。
やはり、グーグルグラスの一般販売中止は痛かった。

とはいえ、ヘルスケア方面からウェアラブルが浸透する気配は感じていて、ガジェット好きのエンジニアとは話が弾んでいる。
その延長で腕時計型のアプリ機能が可能なタイプに限って、日本のアプリ開発事業者はチャンスがあるんじゃないかという話をした。
大きさはガラケー時代の小さな画面と同じくらいだし、結構ノウハウが使えるんじゃないかという事。
そして、小さい画面で機能が少ないから「チラ見程度で使わない」という海外の識者たちの記事を見るにつけ、「いや、日本は違う!」と思っている波乗りペンギンはチャレンジを勧めたのだが、実行に移すかどうかは分からない。