2010/09/15

体系化することの困難さの前に

体系化という言葉は大げさかもしれないが、ある事象に対して説明し共有しようとすると避けられない課題である。
そして、説明する上で言葉の使い方や解釈といった「用語定義」もまた同様に困難である。

実は、この裏返しとして説明を受ける側は学習と努力が欠かせない。
事業にしても教育にしても、限られた時間の中で知識を共有化するためには、どうしても詳細な説明は省かざるを得ない現実がある。
昔は、この学習の努力は徒弟制度に近い年功序列によって地道に作り上げた部分もあり、弊害として飛躍的な成長を阻害した反省もある。

さて、観念だけを並べてもしょうがないので現実の世界に戻ろう。

モバイル広告が10年前に誕生から今日までの説明を時系列的にしても時間が掛かるだけである。
もちろん、聞く側が困らなければ波乗りペンギン的には3日間ぶっ通しで話しても構わないし、掛け合い漫才風にパネルディスカッションをやれば一週間でも時間が足りない自信はある。(笑)

とはいえ、ドッグイヤーも逃げ出すほどの変化がある業界なので、説明しているうちに環境が全く変わりかねない。結局、せいぜい数時間で要点だけ掴んでもらうことになるわけだ。
こうなると、過去十年間を説明するに足りるストーリーをこしらえて、大雑把なカテゴリーごとに象徴的な事情を織り交ぜながら、細かいことは気にしない「大きな気持で」バッサリ切り捨てるしかなくなってしまう。

そんなこと、当たり前だって!?
そう、聞ける人が身近にいて教えて貰えるチャンスがあれば、身にも付くだろう。
残念ながら、モバイル広告は三年前を話せても五年前となると、そうそう話せる人はいなくなる。
もちろん、マスメディア広告、インターネット広告を踏まえての説明にならないと、この世はモバイル広告だけじゃないのでビジネスに使うなら外せない視点である。
インターネット広告ですら、日本の広告費の構成比で一割を超えた程度でしかなく、クリティカル・マスを超えたとはいえパワーバランス的にはマイナーでしかない。加えていえば、人材の層は薄い。
大手ネット企業といえども、役員層をバッサリ切り落とすと会社の存続も危うくなること請け合いである。
そんなことしなくても、現場のチーフ級を数人も引き抜けば、業務が回らなくなる会社なんて掃いて捨てるほどある。 一方で、急激に成長した企業は現場チーフが数年で幹部になることも当たり前で、マネジメント以前に必要な知識が得られないまま、責任が重くなって業務に忙殺されてしまうケースが後を絶たない。
むろん、責任に見合った報酬と見識を得られる機会を手に入れられる人は稀だからだ。
そういった環境では、自分が未熟であったり世間知らずであることを認識できることは難しい。
立場的にも、誰も指摘しなくなるし、指摘しても慢心から聞き入れなくなってしまう。
こうしてケアができない業界人らしきものが増えていくのである。

SEMとSEOとリスティング広告の関係とか、リダイレクトの説明とか、ヒット数とページビュー数とインプレッション数の違いとか、メディアレップと広告会社の違いとか、グロスとネットの関係とか、ちゃんと説明(業界団体の新人研修テキスト、その筋で権威である方の入門書に書いてある程度)できれば十分なんだけどなぁ。
皆さんの会社は大丈夫かな??

2010/09/05

バブルって弾けるもの

なんでも急成長すると急減速する。
100年という単位でみれば、企業においてすら業界トップの売り上げシェアを達成しようとも、残存している企業は世界で何社あるであろうか。
場合によっては産業そのものが消えたものもある。
ネットやモバイルだと10年でも長すぎるかもしれないが。

2010/08/30

王様の耳はロバの耳だよデジタルは

停滞する経済にあって、急伸するネット機器の販売、アナログからデジタルへとシフトするコミュニケーション、リアルにないバーチャルの台頭、逃げ切り態勢の偉い人たち、変化を望まない若者。
一体何処に基準をおけというのだろうか・・・。


そんな心の隙を突かれている人は少なくないはずだ。


実生活でもあるはずで、
・3D対応テレビは買いなのか。ソフトが揃うまで待つべきか。
・Windows7に買い替えるべきか。
・もうカメラもビデオもハイビジョン対応が当たり前なのか。
・車はハイブリッドか電気自動車か。
てな感じである。


問題は
・信頼できる情報
・適切なアドバイス
・将来の展望
が得られるかどうかだと思うが如何であろうか。


ネット広告やモバイル広告もまた同じだと言おう。
値引きや増量によるCTRやコンバージョンの効率追求で終わってしまっている現場と
それを高く評価することでマーケティングを放棄してしまっている役職者は
ロバの耳でしかない。

広告主も広告会社もメディアレップも媒体社も
裸の王様が不況を招いている。

2010/08/22

駅前で

 たまの日曜日、駅前のオープンカフェで冷たいものを飲みながら人物観察。
若者は音楽を聴きながら歩いている人とケータイを見ながら歩いている人が多い。
もちろん、全てではない。
一方、年代が上の方はほとんど見かけない。

カップルはケータイを片方が見せながら歩く姿をちょいちょい見る。
友達同士だろうか、同性の場合は片方は音楽を聴いているケースもあり、友人との会話も音楽越しのようだ。
自転車に乗っている人も音楽を聴いているケースが多いが、交通安全上はいかがなものか。

 さて、外出時の顧客とのコミュニケーションは、ケータイを除いて動いている間は難しいということになりそうだ。立ち止まっているのはバス停と待ち合わせで駅前にいるグループぐらいで、周囲を見渡すことがあるのは限られている。どちらかというと、外界との接触を拒んでいる印象がある。

もちろん、駅前だから目的地へ向かって移動している途中なわけで、道草を食おうなんてあまりある話ではないか。
そんな波乗りペンギンの前を、みんなスタスタと歩いて通り過ぎる・・・。

2010/08/01

盛り上がるスマートフォン、その先へ

コンシューマーではiPhone,ギークにiPad。
え、iPadはスマートフォンじゃない!?
では、kindleもスマートフォンじゃないんでしょう。

ネット業界の意見もさして固まっている様ではないが、
固定通信に対して移動体通信という観点から考えると、
iPadやkindleは通信モジュールが内蔵されてるから、スマートフォンに入る。
固定の家庭内ゲーム機に対する移動体ゲーム機も同じでだろう。
通信機能は内臓されてるし、広義の「モバイル端末」には入る。
PSPはブラウザーもあるので、さらに問題はないだろう。

仮にスマートフォン、具体的にはiPhoneとandoroid、BlackBerry、Windows Phoneだけとして、その範囲の狭さでは今後十年も持たないと思う。
製品も薄く軽く持ち歩ける技術は数年内に実現するし、広告主のマーケティングは顧客に対して行っている以上、早晩、広告代理店もメディアもターゲットと適切なコミュニケーションを築くツールとして、無視できなくなるのは自明と思う。

可能性を否定したり過小評価するのは、衰えた証拠である。
なんなら、自己保身とでも言ってやろうか。

2010/07/23

波乗りペンギンの30年ビジョン

300年後には有機生命体から意識体へ移行する。
100年後には意識を機械に移せて、生物学的が死なくなる。
だから、30年後は田舎でのんびり畑を耕すのさ。

1980年代はハードの世界。
1990年代はソフトのの世界。
2000年代はネットワークの時代。
2010年からは価値観の時代。ソーシャルグラフやライフログベースですけどね。
2020年からは国境を越えた住み替えの時代。面倒だから似た価値観で集まるです。 
2030年代はコミュニティの時代。似た価値観で村ができるです。
2040年代は精神融合の時代。思想とか統合される感じです。
2050年代はカオスの時代。国家とか政府とか、形骸化するです。
2060年代はレトロの時代。昔はよかったなぁとカオスから逃避したりして。
2070年代はロマンの時代。どうせ逃避するなら夢を見るのです。
2080年代は超科学の時代。ミノフスキー理論が実証されるといいね。
2090年代は宇宙進出の時代。宇宙コロニーを作るですよ。モビルスーツに乗れるかも。
2100年代は人体改造の時代。仮面ライダースーパーワンですな。

こんな感じで良いんでしょうかね。  
処理速度、記憶容量、通信速度はどんだけ向上しても、人を越えたら種の絶滅にまっしぐらでしょう。 
道具は人が使うから道具なのであって、使われちゃマズイものです。
マトリックスに影響されすぎですな。 わははは。

2010/06/28

未開の地を探すより

久々にフロンティアに向けた活動ができるようになってきたのだが、
しっくり来ないことが多々あって、それが何であるかというのに悩んでいた。

たまさか、知的生産活動の場に身を置くことによって、
ちょっとした気づきを得られたのが、発想の方向性だった。
大体の人が、グーグルやアマゾンに対抗しようとする意識のあまり、
彼らのできないことや手を付けていないことを探しがちだ。
そう、それこそ違和感のコアだったんだ。

ビジネスとして未開の地、相手がいない領域、ブルーオーシャンは一つの手法である。
だが、相手の土俵に乗ってしまっては意味がない。
日本は日本なりの価値観で「あったら良いもの」「あるべきもの」を追求していく中で、
道は開けると思うんだが。

もっと、身近で、より足元に、種は落ちている。
未熟な我々では気づけないだけなんだと思う。