2005/10/29

誰だって良いじゃない、広告業界人ということで

別に国家資格で認定されるわけではありません。
広告業界人だと、波乗りペンギンが自称しているだけです。

でも、新聞記者だから情報が集まるのではなく、新聞記者として情報を探すから、その人は新聞記者であり会社は新聞社になるのであれば、 広告業界人として情報を持つから、波乗りペンギンは広告業界人となり、活動の場が広告業界になってもいいはずです。
このブログをチェックされている方は、情報感度が非常に高い、選りすぐりの方ですから、お分かり頂ける事でしょう。

さて、広告業界人としての個人活動は、何かが欲しくてやっているわけではありません。
しかし、一般的に理解を得るのは非常に困難です。

例えば、ネット広告業界の黎明期を知る人であれば、今でも快諾してくれる媒体説明会参加も、一世代ズレると手配を忘れちゃう人が続出します。(笑)
いや、良いんですよ。
本当に出たいと思ったら、トップダウンで参加しますから・・・というか、してます。

ただ、管理職になって自分の判断が出来ないのは、何か問題があるんでしょうか。
確かに、サラリーマンですから上司や資本関係で言うところの親会社もあるでしょう。
しかし、波乗りペンギン一匹をロックアウトしても、何も変わらないわけです。
もっと大きな力が、世の中を動かしてるんですね。

すこし、俯瞰して業界を眺めてみましょう。
あなたに出来ることをしない限り、あなたは何も変えられないのです。

2005/10/01

購読者の低下を招いているのは、別の理由では?

新聞記事を読んでいると混乱する用例が沢山ある。
「マーケティング」と「広告」は同意義みたいなものが多い。
「成果報酬型広告」と「アフィリエイトプログラム」も同意義で使われている。
新聞記事の質の低下が購読者の低下を招いているのでは?と考えたくもなる。
やはり、世論を形成する報道、社会の番人たるプライドが失われているように感じる。
朝日新聞の不祥事は、非常に象徴的である。
しかも、自己保身・・・。

さて、ネット広告に携わるものとして、いや、広告業界の一員として、
問題視したいのが「成果報酬型広告」と「アフィリエイトプログラム」の方である。

「成果報酬型広告」は米国を中心に拡大した、インセンティブ契約である。
つまり、一般的なフィー設定である17.5%を基準として、
目標を達成した場合と達成しなかった場合の契約だった。
例えば、認知率45%を目標とした場合、
認知率45%以上ならば17.5%とし、50%以上なら2.5%相当を上積みする。
達成できなかった場合は、2.5%相当を返金するのである。

「アフィリエイトプログラム」はアフィリエイトという言葉を辞書で調べると分る。
提携とか販売代理のことである。
何処にも広告なんて示唆はない。
もちろん、言葉の意味は変化するものなので、
辞書が改訂される可能性はある。
それほどに、修正が効かないほど浸透していると思われる。

この背景には何があるのか?
実は、外来語が誤訳されたケースは少なくない。
古くは、スリッパとかミシンなどがある。
広告業界的には、AE制やAPなどである。
恐らく、日本と言う海に囲まれた閉じた文化にあるのではないだろうか。

物事を判断する時に、評価軸の設定は自明の理である。
しかし、国際比較軸を持たなければ、判断は誤る。
情報がないから、当然であろう。
ずれている事すら認識できないのが普通である。

もちろん、時間地球は限りなく小さくなっている昨今。
いずれ、誤認がもたらす壁にぶつかることだろう。
楽天が海外に進出するために(できずに)、リンクシェアを買収したが、
この時もアナログ系は「ネット広告大手リンクシェア」と報じた。
さて、どう解釈すれば良いのだろうか?

2005/09/20

桃栗三年柿八年、研究助成に丸8年?

中間報告です。
部分的ですが、三年越しで仕込んできたプロジェクト(教育や研究の助成活動)が、年度内に発表されそうです。
発表は、各団体または組織体からされますので、お待ち下さいね。

言い散らかしているのは事実なので、発表があっても、どれなのか分らなかったらごめんなさい。
でも、言い続けていると夢も叶う。
そんな今日この頃。

研究プロジェクトが某先生とかの監修の下で立ち上がります。
前後して、某教育機関で講義が行われるのを皮切りに、色々始まります。
関係者で大盛り上がりして、今が一番楽しい時期です。
他にね・・・
2つか3つ、翌年度に持ち越す感じです。

どれも、波乗りペンギンの名前はありませんが、
概要とか方向性で嗅ぎ取れるハズです。(笑)
私と会ったことのある方は、その場(会合、講義)に参加すると判ると思います。
隅っこに座ってますから。
見つけたら、声を掛けて下さいね。

2005/07/22

見込み顧客って、何?

ノソノソっと、ネット広告業界に復帰中ですが、久々に某最大手ポータルサイトの媒体説明会に参加しました。
気になったのは行動ターゲティングの話。
ポイントは個人を特定しない、ブラウザー特定という所でした。
これで、静的自己申告プロファイルベースに蓄積データで動的な働きかけをしながら、絞り込んで行こうという訳らしいです。
うーん、意味のないデータマイニングやアンケート調査との違いはあるのか?と考えてしまった波乗りペンギンも意味無しかもしれない・・・と思いつつ。

そんな時に、「広告は死につつある」なんて記事を見て、こんなロジックに納得する業界関係者が沢山いるんだろうなぁ・・・と、やっぱりブログに書き込んじゃうのでした。

記事で指摘されている部分は、ほとんど「ブランド」という言葉が、広告業界でキーワードとなった背景を触っている程度だと思いますよ。
ただ、どんな有名な方か知りませんけど、

---記事より引用
Web 分析は、悪い広告だけでなく悪い営業にも効く治療薬だ。
---記事より引用

いやいや、そりゃ言い過ぎでしょう。
企業活動のすべてがオンラインで行われている、映画マトリックスのような、状態なら確かにそうでしょう。でも、どんな企業であれ、コミュニケーションはリアル(オフライン)な部分を残していますよね。
いつも例えてますけど、注文はネットで可能でも、配達は人間がやってます。食べるのはパソコンじゃなくて人間ですから、五感を通じて入ってくる情報処理は別物ですよね。

---記事より引用
従来型の広告でいまだに効果が出ているなら、実はそれは広告をしているのではなく、顧客を説得しているに違いない。
説明する前に質問させてほしい。広告/マーケティングと営業の違いは何だろう? 実のところ、ほとんど同一のものだ。両者のただひとつの違いは、原因と結果を正確に測定できるかどうかということ。
---記事より引用

まぁ、視点の違いだろうか。
広告=マーケティングは、関係性が違うと思う。
それと、営業を比較するのも、どんな相関関係図を持っているのか?一連の記事からは理解できない。

さて、話を戻しましょう。

行動ターゲティング、広告は死につつある、どちらもデータ主義なのが気に掛かるわけです。
・データの信憑性
・解析結果の解釈
・戦略的意思決定
・軌道修正のタイミング
などなど、不確実な有機体が反応する人間社会ですから、盲信や絶対視は危険ですよね。

2005/07/17

広告効果が検証出来ないワケ

古くて新しい課題。それが、「広告効果の検証」というヤツです。
研究論文もあるし、大規模なキャンペーンには、検証レポートが存在しているのは確かです。

しかし、未知→認知→理解→確信→行動の5つの段階のコミュニケーション・スペクトラムで、分析されているケースが多いはず。
1.キャンペーン前の知名率 → キャンペーン後の知名率
2.キャンペーン前の認知率 → キャンペーン後の認知率
3.キャンペーン前の理解率 → キャンペーン後の理解率
4.キャンペーン前の購入率 → キャンペーン後の購入率
これが、ターゲット別にグラフ化される。 (社名、ブランド名、キャンペーン名など)
性、年代、来店頻度、家族形態、住居携帯などなど。
ざっくり、3千万円はかかるでしょうね。

毎回思うんだけど、購入前に決めていた商品と違ったものを買う人が居るんですね。
何でって聞くと、「何となく」「かわいかったから」「安かったから」とインタビュー結果は並ぶ。
リピーターには、「良かったから再購入」で顧客になる人と、「どれでも一緒」だから安いものを買うわって消費者に分かれる。
良かった人はさらに質問に受け応えてもらう。
何が気に入ったのか、何が良かったのか・・・。

おまけの風船が欲し買ったから、1本増量だったら、マネキンの舌技でイカされたから。
買った理由はデータにならない事の方が多い。
が、これをレポートにして、検証報告書が出来るわけです。

なんとなく、顧客設定における継ぎ接ぎコンセプトが見て取れますね。
全層で数値は20%以上のアップ。

特に「安いから」は400%も伸びましたよ。
安くすると売れると言うことは、価格に対応するだけの商品価値不在が見えますね。
いや、問題点は早急に改善される事をお薦めしますよ。

ま、次があれば・・・ですけど。

2005/07/06

認知の限界

広告業界誌や専門書に出てくる「認知率」。
実はどんなに知られている社名やブランド名でも、100%はない。
また、認知率が90%を越えると、それ以上あげるのに大変な労力を必要とすることが体験的に知られている。

何故?

ネット系広告実務者の間でも、疑問に思った人は稀なはず。
でも、CTRだけで広告が売れ続けるほど甘いビジネス界じゃ、ござんせん。
早晩、行き詰ってインプレッション・・・認知の獲得へと話はシフトするわけでした。

よくよく発表資料をひっくり返すと、「知っている」「聞いたことがある」とか「見た」「見たことがある」というのを一括して、「認知されている」としてるのだけど、気が付いてる?

これは、インターネット広告業界で話題となった「波乗りペンギン」という匿名サイトについてのお尋ねです。
Q.あなたは「波乗りペンギン」という言葉を聞いた事がありますか?
A.聞いた事がある、聞いた気がする、聞いた事がない、分らない
Q。あなたは波乗りペンギンを見たことがありますか?
A.見た、見た気がする、見てない、分らない


いわゆる純粋想起ベースのリサーチですね。

Q.あなたは波乗りペンギンを知ってますか?
A.説明できる、理解している、知っている、ちょっと聞いた、知らない、分らない
Q。あなたは波乗りペンギンを見たことがありますか?
A.容姿を説明できる、目に焼きついている、見た、チラッと見た、見てない、分らない


はてはて、後半の設問は無茶苦茶です。
認知と理解と、ごたまぜじゃないっすか。

おまけに、人には忘却する機能がありまして、覚えていられないわけです。 しかも、回答のすべては主観的な個人の問題です。 人間の思考は機械に置き換えられない現状からすれば、 どんなにシミュレーションしたって脳内でのニューロン強化は見られませんし、 固定化できない問題です。

簡単に言うと、「私の思うリンゴ」と「あなたの思うリンゴ」は、同じリンゴでありながら、産地や色、甘酸っぱさ、瑞々しさが全然ずれてイメージされてしまいます。 これは、良し悪しの問題ではなくて、人間の多様性が持つ進化への鍵とも言えましょう。 この多様性の鍵は、必ず異なった文明に属するの敷物の上に置かれるわけです。 では、この鍵がカギとして利用してもらえるでしょうか。

かなりの努力が必要でしょうけど、錠前と一緒において、実演すると理解してもらいやすいでしょうね。
でも、鍵の掛け方開け方には、鍵が錠前を開ける道具であること認知しなければなりません。
穴に差し込む、回転する、錠前がロックされる。 と進められるわけですが、3歳児はやり方は覚えても、理解までには至りません。 よって、鍵を「鼻の穴」「コンセント」「FDDにいれる」など縦横無尽の行動に至るわけですね。

話を元に戻しましょうか。

鍵を知っているか? というのだと、受け手側に、解釈の幅がでるです。 ヒロシです・・・。
物体としての鍵の名称なのか、比喩的な意味での鍵なのか、扉を開けることを意味しているのか、コンテクストによっても異なるハズです。

でも、多様な解釈を許す質問をすると、

言葉を知っているのと、言葉の意味を知っているのでは、大きな違いですから、 選択肢が適切でなければ、人は最も近いものを選ぶです。 DTRだと、選ばないとエラーが出るです。これでは、誘導尋問と何が違うのか、調査と言えるのか疑問でしょう。

さらに、この調査を実施した直後にサンプルは変化してしまうのです。 プロシューマーと言われる調査ズレしている生活者の誕生です。

彼らは、一里先からでも企業のプロモーションを嗅ぎ分ける情報力を身に付けている。その場しのぎのキャンペーンで、商品が売れていないことを、サービスに人気のないことを、感じてしまうニュータイプなワケです。

米国ではYジェネレーションと言われてる、アレです。
日本だと2チャンネラーがモデルイメージかな。

2005/06/13

本質を見極める難しさ

この十年間、インターネット広告業界で誰も問わない問題がある。
それは、「バナー広告のCTRが5年の内に100分の一以下になったのは何故か」という問題である。
これを解明、論理的な説明が行えれば、大きな進歩である。
学術会では評価されないだろうが、実務者にとっては次なる飛躍への大きな一歩になろう。

もちろん、この問題を言葉どおりに解釈し、解明しようとしても無駄である。
前提自体が、間違っている可能性があるからだ。

もし、私が宝くじにでも当選したら、全額を懸賞金として公募したいと思っている。
冗談だと思っているでしょ?
別に、宝くじに当たらなくても、方法はあるわけでして・・・。

ということで、興味のある方は研究しておいて下さい。
広告関係の本やサイトをチェックしておいて頂ければ、幸いです。
活動が地味なんで、気が付かないでしょうけど。